小学校 あたたかい道徳授業をつくる

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あたたかい雰囲気だから、子どもが心をひらく道徳授業ができる

魅力ある道徳授業を実践するためには、基本的な事項をしっかりと自分のものにしておかなければなりません。「あたたかい」道徳授業づくりをするために必要な事柄をエピソードを入れながら具体的に説明しました。


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ISBN:
978-4-18-842017-1
ジャンル:
道徳
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 120頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
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もくじ

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はじめに
第1章 道徳授業の前に
§1 基本的な考え方として
1 道徳的と人間的と
2 学校・家庭・地域の連携
3 基本は全教育活動における道徳教育
§2 子ども理解について
1 子ども理解とは
(1) はじめに
(2) 検査や調査のこと
(3) 共感的な理解を
2 子ども理解と道徳の授業
3 子ども理解の進め方
(1) 出席簿を生かす
(2) 休み時間のふれ合いの中で
(3) サインを受け止める
(4) 組織を生かして
§3 道徳の授業について
1 道徳の授業の特質
(1) 道徳の授業とは
(2) 道徳の時間(授業)の目標について
2 道徳の授業の指導原理
(1) 教科の授業と道徳の授業
(2) 教師の役割
(3) 道徳の授業の指導原理
3 主題構成と指導過程
(1) 主題構成について
(2) 指導過程について
第2章 あたたかい道徳の授業づくりのポイント
§1 教師の姿勢の吟味
1 学級づくりと道徳の授業
2 指導力の向上
(1) 「指導」とは
(2) 指導力を高めるために
3 授業における教師の姿勢
(1) 「待つ」こと
(2) 「聴く」こと
(3) 「受け止める」こと
(4) ゆとりの心を
§2 資料の選択と活用
1 子どもの次元で資料を選ぶ
(1) 資料選択の条件
(2) 子どもたちの実態とのかかわり
(3) 資料の種類について
2 資料分析で資料を生かす
3 資料提示に心を込める
(1) 資料提示の工夫
(2) 資料を自分のものにする
§3 指導過程を生きたものに
1 毎時間,学習指導案を
(1) 指導案を描こう
(2) 指導案を書こう
2 発問構成と,その生かし方
(1) 発問構成と発言の受け止め方
(2) 中心発問は22分30秒までに
§4 話合いの工夫
1 道徳の授業における話合い
(1) 基本的な考え方
(2) 道徳の授業における話合いの特質
(3) 話合いの形態を生かす
2 学級経営とのかかわり
(1) 自由に発言できる学級の雰囲気
(2) 連帯意識に支えられた学級の士気
3 発問,助言とのかかわり
(1) 分かりやすい発問をする
(2) 正答のたくさんある発問をする
(3) 励ましの助言をする
(4) 子どもの発言を待つ
4 「心のノート」の活用について
(1) 基本的な考え方として
(2) 道徳の授業における活用について
§5 指導の諸方法の中から
1 板書について
(1) 板書は子どものためにする
(2) 板書は子どもとともにする
(3) 板書計画を大切にする
2 子どもが「書く」活動について
(1) 子どもたちの意欲を大切に
(2) 「何を書くのか」の明確な指示を
(3) 適切な分量と時間への配慮を
(4) 「書いた内容」を生かすことを
3 役割演技について
(1) 指導過程への位置付け
(2) 効果を高めるために
(3) 教師の留意事項
§6 道徳の授業の評価について
1 「評価」と「評定」
2 道徳の授業の評価(特質)
第3章 教師も子どもも心に響くお話
§1 「たこ焼き」が焼けるまで
§2 “画竜点睛を欠いた”思い出
§3 “町内のこわいおじさん”のこと
§4 学生アルバイトの思い出
§5 わが父のこと
§6 “銃後”のこと

はじめに

 道徳の授業はあたたかくなくてはなりません。道徳の授業は,みんなに共通する生き方を考えるのではなく,ねらいに照らして子ども一人ひとりが,自分自身の生き方を考えるためにあるからです。

 「北風と太陽」の寓話ではありませんが,あたたかい雰囲気の中にあるからこそ,子どもたちは心の扉を開き,他者の考えを受け入れ,自分の思いを練り,それを表出することができるからです。

 ところで,「あたたかい」ということは,「甘やかし」とは全く違うのです。例えば,「勝手気ままに何をやっても,先生からも友達からも何も言われない」のは,“甘やかし”であり,むしろ“冷たい,ほったらかし”です。「是は是,非は非としての的確な指摘と見守り」こそが,“あたたかさ”であると言えましょう。“あたたかさ”の背後には“厳しさ”があり,“甘やかし”の背後には“冷たさ”があるとも考えられます。

 あたたかい授業の大切な要因の第一は,教師の“姿勢”です。一口で言うと「子どもたちの内面の表出を待つ,聴く,受け止める」ということです。もちろんこれは,道徳の授業だけの問題ではありません。学校・学級生活の中で,常に子どもからの働きかけに正対し,目でも心でも聴いて受け止める教師であるべく努力する,という“下地”が大切なのです。そしてこのことは,間違いなく教師としての指導力の向上につながります。

 あたたかい授業の大切な要因の第二は,教師が授業の陰の中心であるということです。“陰”というところがミソなのです。教師が子どもたちを無視し,自分の考えを前面に出して強引に授業を引っぱることがいけないことはいうまでもありませんが,反面,「子どもが主体」という美名に隠れて,教師が手を抜いている授業はなお困ります。

 手をぬいている授業とは,例えば,

 ・指導過程は指導書どおり,学級に合わせた吟味をしてない。

 ・資料提示は資料初見で範読,時によって子どもに読ませる。

 ・子どもたちの負担を考えず,ワークシート使用を連続する。

 ・グループによる話し合いを多用し,結果発表で終わらせる。

 などが挙げられます。

 すべての授業がそうとも言えますが,特に道徳の授業は,子ども一人ひとりが課題を自分自身のこととして考えてくれないと成立しません。教師が陰の中心(表の中心よりずっと骨が折れますが)として,授業全体を把握し,リードし,変化に対応することが肝要です。

 ここのところ,特に読み物資料を使った授業に対して「マンネリだ」とか「パターン化している」といった批判があります。でもそうでしょうか。私は,現役,OBと40余年道徳の授業にかかわり続けていますが,読み物資料の活用についてマンネリもパターン化も感じたことはありません。例えば,資料提示一つ考えても何と多彩で,何と奥深いことか……。資料提示によって読み物資料は多様に変化します。奇をてらわず,労をいとわず,まず,道徳の授業が生まれて以来“王道”として続いている読み物資料を活用した指導過程をしっかりと探求することを大切にしたいものです。

 こうしたことを前提に,この本を授業に役立てていただければ幸いです。最後になりましたが,長い間お心をかけてくださり,今回もまた,つたないまとめにあたって,手厚いお力添えをいただいた明治図書出版株式会社の仁井田康義氏に心から御礼を申し上げます。


  平成19年7月   /荻原 武雄

著者紹介

荻原 武雄(おぎはら たけお)著書を検索»

元全国小学校道徳教育研究会会長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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