- 改訂高等学校学習指導要領の展開 特別活動編
- まえがき
- T 改訂のねらいと基本方針
- §1 学習指導要領の改訂の経緯とねらい
- 1 学習指導要領の改訂の経緯等
- 2 新学習指導要領のねらい
- §2 特別活動の改訂の基本方針
- 1 特別活動改訂の基本方針と再構築
- 2 特別活動の性格及び指導の重点の明確化
- 3 特別活動の内容構成等の見直し
- 4 各学校の創意工夫の発揮と開かれた教育活動の展開
- §3 特別活動の目標及び内容等の改善
- 1 特別活動の目標の改善
- 2 ホームルーム活動の改善
- 3 生徒会活動の改善
- 4 学校行事の改善
- 5 指導計画の作成と内容の取扱いの改善
- 6 特別活動の授業時数
- 7 特別活動における移行措置の要点
- U 今次特別活動改訂のコンセプト
- §1 集団や社会の一員としての自覚の深化
- §2 個性の伸長
- §3 豊かな人間性の育成
- §4 好ましい人間関係の醸成
- §5 基本的モラルの習得
- §6 社会生活上のルールの習得
- §7 自主的,実践的態度の育成
- §8 社会の一員としての自覚と責任感の育成
- §9 国際協調の精神の涵養
- §10 国旗・国歌の指導
- §11 自己を生かす能力の育成
- V 改訂構想のビジュアル解説
- §1 新旧対比表とその要点
- 1 新旧対比表
- 2 新旧対比表の要点
- §2 新実践課題とその解説
- 1 これからの特別活動の実践課題
- 2 人間としての在り方生き方の指導の充実
- 3 ガイダンスの機能の充実
- 4 ボランティア活動や就業体験など体験的な活動の充実
- 5 開かれた教育活動の展開
- 6 教育活動全体を踏まえた特別活動の指導計画の作成
- 7 生徒の自主的,実践的な活動を助長する指導計画の作成
- §3 年間指導計画の作成例
- 1 基本的な全体計画
- 2 ホームルーム活動
- 3 生徒会活動
- 4 学校行事
- 5 ガイダンス
- W 特別活動の改訂事項の解説
- §1 ホームルーム活動
- 1 目標の解説
- 2 内容の解説と展開例
- (1) 活動内容の特質と指導上の創意工夫
- ア 活動内容(1)ホームルームや学校の生活の充実と向上に関すること。
- (ア) ホームルームや学校における生活上の諸問題の解決
- (イ) ホームルーム内の組織づくりと自主的な活動
- (ウ) 学校における多様な集団の生活の向上
- イ 活動内容(2)個人及び社会の一員としての在り方生き方,健康や安全に関すること。
- (ア) 青年期の悩みや課題とその解決
- (イ) 自己及び他者の個性の理解と尊重
- (ウ) 社会生活における役割の自覚と自己責任
- (エ) 男女相互の理解と協力
- (オ) コミュニケーション能力の育成と人間関係の確立
- (カ) ボランティア活動の意義の理解
- (キ) 国際理解と国際交流
- (ク) 心身の健康と健全な生活態度や習慣の確立
- (ケ) 生命の尊重と安全な生活態度や習慣の確立
- ウ 活動内容(3)学業生活の充実,将来の生き方と進路の適切な選択決定に関すること。
- (ア) 学ぶことの意義の理解
- (イ) 主体的な学習態度の確立と学校図書館の利用
- (ウ) 教科・科目の適切な選択
- (エ) 進路適性の理解と進路情報の活用
- (オ) 望ましい職業観・勤労観の確立
- (カ) 主体的な進路の選択決定と将来設計
- (2) 展開例
- ア 活動内容(1)の展開例
- (ア) ホームルーム内の人間関係づくりの展開例
- (イ) 「服装自主規制」を考える取組みの展開例
- (ウ) 「火災報知機のいたずら」を考える指導の展開例
- イ 活動内容(2)の展開例
- (ア) 「社会生活における役割の自覚と自己責任」に関する展開例
- (イ) 「ボランティア活動の意義の理解」に関する展開例
- (ウ) 「心身の健康と健全な生活態度や習慣の確立」に関する展開例
- ウ 活動内容(3)の展開例
- (ア) 学ぶことの意義の理解
- (イ) 主体的な学習態度の確立と学校図書館の利用
- (ウ) 教科・科目の適切な選択
- (エ) 進路適性の理解と進路情報の活用
- (オ) 望ましい職業観・勤労観の確立
- (カ) 主体的な進路の選択決定と将来設計
- §2 生徒会活動
- 1 目標の解説
- 2 内容の解説と展開例
- (1) 内容の解説
- (2) 展開例
- ア 学校生活の充実や改善向上を図る活動
- 1 いじめ問題の解決に取組んだ事例
- 2 交通安全に全校的に取組んだ事例
- イ 生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動
- 1 各ホームルームとの連絡調整
- 2 部活動の連絡調整
- ウ 学校行事への協力に関する活動
- エ ボランティア活動など社会参加に関する活動
- §3 学校行事
- 1 目標の解説
- 2 内容の解説と展開例
- (1) 内容の解説
- (2) 展開例
- ア 幼児,高齢者,障害のある人々などとの触れ合いのある行事の例
- イ 旅行・集団宿泊的行事での自然体験や社会体験にかかわる行事の例
- ウ ボランティア活動について学んだり体験したりする行事の例
- エ 就業体験など,職業や進路に関する関心と理解を深める行事の例
- X 特別活動の新実践課題と具体策
- §1 特別活動の新実践課題と具体策
- 1 ガイダンスの機能の充実
- 2 ボランティア活動
- 3 就業体験
- 4 家庭・地域との連携
- 5 人間としての在り方生き方指導の充実
- 6 特別活動の弾力的な運営
- 7 「総合的な学習の時間」との関連
- §2 ホームルーム活動の新実践課題と具体策
- 1 ホームルーム経営の充実
- 2 自発的,自治的活動の活性化
- 3 ガイダンスの機能の重視
- 4 コミュニケーション能力の育成
- 5 心身の健康・安全の充実
- 6 適切な進路選択能力の育成
- 7 ホームルーム活動と学校の協力体制
- 8 カウンセリング・マインドの充実
- §3 生徒会活動の新実践課題と具体策
- 1 自発的・自治的活動の活性化
- 2 ボランティア活動などの社会参加の重視
- 3 ホームルーム活動・学校行事との関連
- 4 活動の場や機会の確保
- §4 学校行事の新実践課題と具体策
- 1 ボランティア精神を養う活動の重視
- 2 自然体験・社会体験〈特に就業体験〉の重視
- 3 活動の重点化
- 4 行事間の関連・統合化
- §5 部活動などにおける課題
- 1 クラブ活動の廃止に伴う部活動への期待
- 2 クラブ活動の廃止の経緯・趣旨
- 3 部活動の教育的意義・効果に基づく,かつてのクラブ活動の必修化
- 4 これからの部活動などの在り方
- Y 特別活動の変遷からみた今次改訂の特色
- (1) 「自由研究」から始まった戦後の特別活動
- (2) はじめての「特別教育活動」の名称―昭和26年7月改訂―
- (3) 教育課程上の位置付けの明確化―昭和31年改訂の「学習指導要領 一般編」―
- (4) 法規上(学校教育法施行規則で),教育課程の一領域であることの明確化―昭和35年改訂の学習指導要領―
- (5) 「各教科以外の教育活動」―昭和45年改訂―
- (6) 名実共に今日の原型となった「特別活動」の成立―昭和53年改訂の学習指導要領―
- (7) 「人間としての在り方生き方」の重視と弾力的な実施―平成元年3月改訂の学習指導要領―
- (8) 「社会の一員としての在り方」,「ガイダンスの機能」の重視―今次改訂の特色―
- 付録
- 学校教育法施行規則(抄)
- 高等学校学習指導要領「総則」
- 高等学校学習指導要領「特別活動」
まえがき
教育課程審議会の答申(平成10年7月29日)に基づき,10年ぶりに学習指導要領が改訂され,平成11年3月29日に告示された。
今回の学習指導要領の改訂は,学校教育の転換と直結する大きなものである。社会全体が急速に変化する中,これまでの自己完結的な学校教育から生涯学習体系に基づく開かれた学校教育への転換が,そして,21世紀という新しい時代に自分の人生を創造し,社会を築いていく,真に個性的・社会的で[生きる力]をもった人間の育成が求められている。
この地平から,今回の特別活動の改訂は行われた。
特別活動は,すべての教師が多かれ少なかれ携わるものである。学習環境・生活環境としてのホームルームの意義を考えるとき,ホームルーム活動の充実は学校全体の課題である。また,生徒会活動や学校行事の活性化が,学校生活の充実はもとより豊かな人間性・社会性の育成と結びつくことは言うまでもない。
まさに,特別活動は,学校の総合力が問われる学校教育活動(学校全体の教職員が協力・協働して創造する教育活動)であり,その視点から特別活動を再構築していくことが問われているのである。
本書は,今回の特別活動の改訂をそうした広い視野からとらえ,新しい実践の方向を示したいという思いから編まれたものである。
特別活動改訂のねらいや方針,新しい特別活動のキーワードについての解説,特別活動の各内容ごとの解説と展開例,これからの実践課題など,特別活動の新たな方向を鮮明に,そして具体的に描こうと意図したことは,本書の大きな特色である。
特別活動は,本年度(平成12年度)の移行期間からすぐに,新学習指導要領に則して実施される。
本書を手がかりとして,各学校が,生徒一人一人に[生きる力]をはぐくみ,社会の有為な形成者としての自立を豊かに進める特別活動の構築に向け,学校全体で取り組まれることを切望している。
終わりに,これまで特別活動解説書の作成等にご協力いただき,またお忙しいなかを本書の執筆にお力添えいただいた諸先生がたに心から御礼を申し上げたい。最後になったが,本書の企画及び発行のためにいろいろお世話をしてくださった明治図書の安藤氏,増渕氏に深く感謝を申し上げたい。
平成12年7月
文部省初等中等教育局高等学校課教科調査官 /森嶋 昭伸
前文部省初等中等教育局職業教育課教科調査官 /鹿嶋 研之助
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- 明治図書