子どもの心を豊かに育てるために
道徳の時間、学級活動などを通して

子どもの心を豊かに育てるために道徳の時間、学級活動などを通して

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全教育活動を通じて行なう道徳教育で豊かな心を育てる

他の人と関係なく、自分勝手な行動をとる自制心がない子、他の人と喜びや悲しみを共感できない子、他の人の状況や心情を推察できず、無神経な態度をとる子が教室にあふれてます。道徳授業と学級活動などをリンクし、子どもの豊かな心を育てる実践例を多数紹介します。


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ISBN:
978-4-18-820522-8
ジャンル:
道徳
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 豊かな心
1 豊かな心とは?
(1) 道徳性と社会性について
(2) 豊かな心について
2 豊かな心を育てる
(1) 豊かな心を育成するための教師の姿勢
@一人一人を受容すること
A一人一人と対話をすること
B一人一人のよさを探すこと
C一人一人が役割をはたして,認められていること
(2) 道徳の時間と道徳教育について
@道徳の時間の特性について
A道徳教育について
(3) 特別活動について
(4) 総合的な学習の時間について
第2章 豊かな心を育てるための要件
1 豊かな心を育てるための集団形成
(1) 豊かな心が育っている集団とは?
@意見発表,話し合いについて
A目標への努力について
B役割の遂行について
C協力について
D規範意識について
E心を一つにすることについて
F家庭との協力について
2 豊かな心を育てるための要件とその発達段階
(1) 自制心
(2) 自制心の発達について
(3) 共感する力
(4) 共感する力の発達について
(5) 推察力
(6) 推察力の発達について
(7) コミュニケーション能力
(8) コミュニケーション能力の発達について
3 自制心などが不足してる子
(1) たろう君の場合
(2) 幸平君の場合
第3章 自制心を育成する授業
1 自制心の育成について
2 道徳の時間における自制心育成の授業
(1) 道徳の時間における節度・節制のとらえ方
(2) 1年 道徳 「節度・節制 おれたクレヨン」の授業
3 1年 学級活動「身の回りの整とん」の授業
4 3年 道徳の時間「節度・節制 金色の魚」の授業
5 6年 道徳の時間における自制心育成の授業
(1) 道徳の時間における希望・勇気のとらえ方
(2) 6年 道徳 「希望・勇気 王が眠る吉野ヶ里遺跡」の授業
第4章 共感する力を育成する授業
1 共感する力の育成について
2 1年 学級活動「仲よし言葉をつかって」の授業
3 道徳の時間における共感する力を育成する授業
(1) 道徳の時間における信頼・友情のとらえ方
(2) 1年 道徳 「信頼・友情 友達ほしいなおおかみくん」の授業
4 5年 学級活動「共感した言葉を伝える」授業
5 5年 道徳の時間における共感する力を育成する授業
(1) 道徳の時間における「寛容・謙虚」のとらえ方
(2) 5年 道徳「寛容・謙虚 すれちがい」の授業
第5章 推察力を育成する授業
1 推察力の育成について
2 道徳の時間における推察力育成の授業
(1) 道徳の時間における思いやりのとらえ方
(2) 3年 道徳「思いやり ぐみの木と小鳥」の授業
3 総合的な学習の時間「お年寄りとの交流」の授業
4 学級活動における推察力育成の授業
(1) 4年 学級活動「人のためにできること」の授業
(2) 4年 「思いやりの木」の実践
第6章 コミュニケーション能力を育成する授業
1 コミュニケーション能力の育成について
2 3年 学級活動「一人一人のよさ」の授業
3 4年 学級活動「よりよい助言の仕方」の授業
4 5年 話し合い活動「給食の時間の過ごし方」の授業

まえがき

 子どもは,いつの時代でも純心素朴である。しかし,子どもを育てる地域社会が変わってきてしまった。だから純心素朴だった子どもたちは,様々な影響を受け,感性,心,考え方,生活の仕方が変わってきている。自制心のない子は,家庭でも自分流にやりたいことをしている。共感する力がない子は,親子の温かい感情の交流をあまり知らない。推察力のない子は,家族同士の関係もばらばらで,配慮をするという経験をあまりしていない。コミュニケーションがうまくない子は,家庭でのコミュニケーションが成立していないことが多い。

 子どもの中で人間関係形成能力が不足し,道徳性・社会性が育ちにくくなり,豊かな心の育成が難しくなっている。今,学校で力を入れなくてはいけないのは,そこである。信頼関係に結ばれた集団の中で,それぞれの人権を尊重し合い,互いに思いやり合って,規範意識と尽くす心を育て,社会に貢献できる豊かな心をもった人間を育てていくことである。

 昭和33年に道徳の時間が時間割の中に位置づけられた。そのころの多くの子は,道徳の時間を受けずに成長している。昭和48年に,私は教師になった。道徳の時間をどう実践したらよいのか,模索する日々が続く。文部省の方の講演があると聞き,そこでうかがった話が青木孝頼先生(元文部省主任視学官)の話だった。子どもの何が育っているのだろうと,試行錯誤で道徳の時間に取り組めば取り組むほど,おもしろくなった。

 価値項目について考えていたら,きりがない。資料を読めば読むほど,その意味の深さに感動した。指導案を立て,「〇〇さんはこんな意見を言うだろう,〇△君は,こう言うだろう」とシミュレーションしてから授業をする。すると予想しない反応が返ってくる。だいたい私が予想していたより,よい反応が返ってくるのである。ますますおもしろくなって,1時間1時間の授業に取り組んでいった。

 「道徳教育は,全教育活動を通して行う」と指導要領に書いてあるが,その意味は本当に深い。各教科で培っている力,特別活動,総合的な学習の時間,道徳の時間で育てている力は関連し合っている。それらをもとに一人一人の子どもの道徳性・社会性を育てていくという目をもちたい。そして一人一人の子どもに豊かな心を育てていきたい。

 いろいろな家庭の条件を背負った多様な子どもたちがいる。そうした子どもたち一人一人に豊かな心をどう育てたのか,その実践の一端をここに示した。

 刊行に当たって,明治図書の仁井田康義氏にご尽力をいただいたことを,厚くお礼申し上げたい。


  2008年1月   /大野 要子

著者紹介

大野 要子(おおの ようこ)著書を検索»

聖徳大学院児童学専攻博士前期課程修了。東京都公立小学校教諭,学校心理士,上級教育カウンセラー,日本道徳教育学会会員,日本教育心理学会会員,文部科学省キャリア教育指導資料作成委員,東京教師道場助言者,白百合女子大学非常勤講師。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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