- 推薦のことば /西間 三馨
- まえがき
- 序章 現代における子どもの健康状態
- T 知っておきたい最新病気基礎知識
- 1 アレルギーの病気のメカニズム
- @食物アレルギー(アナフィラキシー)
- Aアトピー性皮膚炎
- B小児喘息
- Cアレルギー性鼻炎・結膜炎
- D蕁麻疹
- E化学物質過敏症
- 2 心臓の病気のメカニズム
- 心室中隔欠損症
- 3 腎臓の病気のメカニズム
- 慢性腎炎
- 4 神経・筋の病気のメカニズム
- @てんかん
- A筋ジストロフィー
- B重症筋無力症
- 5 内分泌・代謝の病気のメカニズム
- @肥満
- A糖尿病
- B低身長
- 6 血液・リンパ節の病気のメカニズム
- @赤血球の病気(貧血)
- A出血性の病気
- B白血球・リンパ節の病気
- 7 感染する病気のメカニズム
- @インフルエンザ
- A食中毒
- B子どもによくみられる感染症
- 8 軽度の発達障害について
- @ADHD(注意欠陥/多動性障害)
- ALD(学習障害)
- B高機能自閉症
- 9 情緒・行動の異常
- @摂食障害
- A選択性縅黙(場面縅黙症)
- B排泄行動異常
- U これは便利! 症状からみる病気の基礎知識
- 1 腹痛
- 2 嘔吐・下痢
- 3 頭痛
- 4 息が苦しい
- 5 立ちくらみ
- 6 眩暈
- 7 痙攣
- 8 外傷
- こんなときどうする?
- V 教育現場における具体的事例10
- 1 給食を食べたあとにみるみる顔が腫れあがってしまったYくん(食物アレルギー)
- 2 授業中も痒くて仕方がないKちゃん(アトピー性皮膚炎)
- 3 運動するのが怖かったTくん(小児喘息)
- 4 体育館に行くと咳が出るMちゃん(化学物質アレルギー)
- 5 学校ではじめて発作を起こしたAくん(てんかん)
- 6 みんなといっしょにがんばりたかったSちゃん(インスリン依存性糖尿病)
- 7 「からだが勝手に動く」というK君(ADHD)
- 8 他人へ弱みが見せられないC子(摂食障害)
- 9 体育座りができないTくん(肥満症)
- 10 発作的に吐きつづけるRくん(周期性ACTH−ADH放出症候群)
- W 病気をもつ子どもたちを支援するための関連情報
- 1 医療機関関連
- 2 学校教育機関関連
- 3 セルフヘルプグループ
推薦のことば
過去,病気の子ども達はその病気を治すことが唯一無二の目標で,日常生活活動,特に学校生活についてはほとんど注意を払われることがありませんでした。その後,養護学校,院内学級などが整備されてきて,たとえ病気の子であっても,ある一定以上の教育が保障されるようになりました。しかし最近に至って,この状況は大きく変化してきました。それは病気の面からは,@疾病構造が変わって,多くの身体疾患は入院加療しなくても外来治療が可能となり,急性増悪などのときだけの短期入院で済むようになったこと,A感染症が減って免疫アレルギー疾患などが増えたこと,B悪性新生物も生存期間が格段に延び慢性疾患化したこと,C社会・心理的な環境因子の悪化などに伴い,心身症や精神疾患が増加していること,であり,さらにその背景には,@少子化,A家族・コミュニティの脆弱化,B共稼ぎ率の上昇,などがあります。
これらのことは,従来,いわゆる健康な子どもが通っていた学校に,慢性疾患を有する子,急性増悪の怖れのある子,医療的ケアを要する子,心理・社会的に問題を抱えた子達が大量に存在するという変化をもたらしています。
スクールナース,カウンセラーの設置などの対策はとられ始めているものの,実際のところマンパワーが決定的に不足しています。
そのような子ども達と最前線で向かい合って日夜奮闘している現場の教師の方々に,本書は有力な座右の書となることが期待されます。
看護と現場教師によってこのような書が完成されたことは,日本の小児看護界にとっても学校保健の成熟発展にとっても極めて喜ばしいことであり,画期的なことです。
学校の先生方の必携の書として推薦するものです。
国立小児医療協議会会長
日本小児アレルギー学会理事長 /西間 三馨
国立病院機構 福岡病院長
学校では様々な病気をもつ子どもが増えて、それぞれの対応を
一気にまさせられてしまうので大変です。
でも、いざ何か子どもに何かあったら・・・と思うと担任の先生にも
ある程度の知識をもっていただいていると助かります。
担任教師必携となっているのはその通りだと思います。
でも、養護教諭にも是非お勧めしたい書籍です。