- はじめに
- 第1章 「価値の明確化」の授業のガイド
- 1 道徳の時間の課題
- 2 「価値の明確化」とは
- 3 「価値の明確化」の多様な実践
- 4 「価値の明確化」方式の授業のポイント@
- 5 聴き合い学習とは
- 6 「価値の明確化」方式の授業のポイントA
- 7 価値のシ−トのつくり方
- 第2章 「自分づくり」を支援する授業
- 1 聴き合い活動を取り入れた授業@
- * 「友達」
- 2 聴き合い活動を取り入れた授業A
- * 「リーダー」
- 第3章 「問題を発見し解決する力」をはぐくむ授業
- [1] グル−プでの話し合い活動を取り入れる場合
- [2] ディベ−ト的手法を取り入れる場合
- [3] 役割演技を取り入れる場合
- 1 聴き合い学習を取り入れた授業
- 「みんなのル−ル」
- 2 話し合い活動を取り入れた授業
- 「老人介護」
- 3 話し合い活動を取り入れた授業
- 「環境」
- 4 ディベ−ト的手法を取り入れた授業
- 「みんな同じがいい」
- 5 体験を生かした問題解決型授業
- 「友達だから」
- 第4章 総合的な学習の時間と道徳の時間が関連した授業
- 《道徳と総合のかかわり》
- 1 総合的な学習の時間と関連した授業
- 「ヘブンズパスポ−ト」
- 2 総合的な学習の時間と関連した授業
- 「思いやりって何?」
- 3 総合的な学習の時間と関連した授業
- 「生きているって」
- おわりに
はじめに
「価値の明確化方式の授業?」
この言葉が耳慣れない方も多いことでしょう。しかし,あなたが今,自分の道徳の授業に満足していないで,ほかによい方法はないのかと悩んでいるとしたら,本書によって一筋の明かりが見えてくるのではないかと信じています。
本書は,(遠藤昭彦監訳,福田弘・諸富祥彦訳「道徳教育の革新」ぎょうせい),(諸富祥彦著『道徳授業の革新〜「価値の明確化」で生きる力を育てる〜明治図書』,(諸富祥彦著「道徳授業の革新」明治図書「道徳教育」連載)をベースにしています。そこに私が千葉大学(現在は,明治大学)の諸富祥彦教授に長期研修生として,1年間の学び,実践したノウハウをより分かりやすく,価値の明確化方式の授業について,実践する際のポイントを述べました。前述の本を理論編とするならば,本書は実践編ととらえてください。しかし実践編の本についてよくある話で「道徳の授業,本に書いてある通りに行ったけどぜんぜん違ってうまくいかなかったわ。」と聞くことがあります。これは,子どもが悪いのではなく,その本の著者が,教師として,その授業をするまでにやらなくてはいけないこと,よくある失敗例,授業する際のポイントなどを紙幅の関係で省略することが一因です。どの指導法もいきなり本の通りに行ってうまくいくはずはありません。それぞれの指導法には,それぞれ長所・短所があるのです。本書では,それらの点も含めて,できるかぎり丁寧に解説しました。
2006年6月 /尾高 正浩
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- 明治図書