21世紀型授業づくり79
「いじめ撲滅」の授業

21世紀型授業づくり79「いじめ撲滅」の授業

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たった7時間の授業で「いじめ」が一掃される。

最近の「いじめ」は日常化しており、遊びの延長として気軽に行われている。子どもたちには罪の意識、道徳的な判断や心情など無い。本書はいじめ一掃の具体例を授業化した。


復刊時予価: 2,332円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-804713-5
ジャンル:
道徳
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
T いじめは減った?
U いじめって何?
1 「自分より弱い者に対して一方的に」ということについて
2 「身体的・心理的な攻撃を継続的に加え」ということについて
(1) ゲーム化そして日常化
(2) 集団化と構造化
(3) 巧妙化と陰湿化
(4) 長期化
(5) 流動化
3 「相手が深刻的な苦痛を感じているもの」ということについて
V いじめの四層構造
W いじめに対する教師のスタンス
1 基本姿勢
2 いじめは絶対許さない
3 いじめられた子どもに立った指導
X いじめ発見のチェックポイント
Y 学級の風土
いじめ撲滅授業 其の1──「他己(たこ)紹介」
1 この授業のねらい
2 「他己(たこ)紹介」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」1
4 授業のあとの「ちょっと一言」2
いじめ撲滅授業 其の2──「十人十色」「百人百様」
1 この授業のねらい
2 「十人十色」「百人百様」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」
いじめ撲滅授業 其の3──「緊急アピール」
1 この授業のねらい
2 「緊急アピール」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」1
4 授業のあとの「ちょっと一言」2
いじめ撲滅授業 其の4──「いじめ加害者・被害者想定」
1 この授業のねらい
2 「いじめ加害者・被害者想定」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」
いじめ撲滅授業 其の5──「何がいじめか」
1 この授業のねらい
2 「何がいじめか」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」
いじめ撲滅授業 其の6──「人権ってなんですか?」
1 この授業のねらい
2 「人権ってなんですか?」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」
いじめ撲滅授業 其の7──「いじめ撲滅宣誓文」
1 この授業のねらい
2 「いじめ撲滅宣誓文」の授業
3 授業のあとの「ちょっと一言」1
4 授業のあとの「ちょっと一言」2
あとがき

まえがき

 最近のいじめは、日常化してきており、遊びの延長として気軽に行われている。それは、遊びといじめの境がない状態(ボーダーレス化)とも言える。昨日いじめられた子が、今日はいじめる側に立ったりする。まるで、ゲームでも楽しむかのように、対象者がコロコロ変わる。

 そして、語る言葉が、「ちょっとふざけていただけ」「ただのジョーク」といった具合である。

 それだけに、いじめているという意識は、次第に希薄になってきている。

 「これが子どものやることか」というような陰湿ないじめまでエスカレートしてきている。

 その子どもたちには、罪の意識、道徳的な判断や心情などは、もはやない。

 悲しいかな、これが現実のひとつである。


 イソップ物語の一節に、次のような話がある。


  池に石を投げる子どもに向かって、カエルが言う。

  「あなたにとっては、それは単なる遊びでしょうが、私たちにとっては、生死の問題です。」


 これをいじめに置き換えてみる。


 おもしろ半分に、いじめをされたら、たまったものではない。

 本当に生死にかかわる。事実、いじめを苦に命を落とした人はたくさんいる。

 悲惨ないじめは、もうたくさんである。

 二度と繰り返してはならない。

 「いじめ撲滅」こそが、私たち教師に課せられた緊急かつ最大の使命ではないだろうか。


  足を踏まれた者の痛みは、足を踏まれた者にしか分からない。


 確かにそうかもしれない。

 だからといって、手をこまねいていていいのだろうか。

 共感はできるはずである。

 そこから、いじめの悲惨さ、ばからしさは伝えられるはずである。

 もう一度言う。

 「いじめ撲滅」こそが、私たち教師に課せられた緊急かつ最大の使命ではないだろうか。


 本著は、上記の思いを受けて書いたものである。

 どうすれば、クラスからいじめが一掃されるか。

 これまでの私の実践を踏まえ、高学年の児童向けに開発した、七つの授業群を掲載した。

 「いじめ撲滅授業 其の1」以外は、どの実践も、きわめて即効性が高いものである。

 たった七時間の授業だけで、クラスからいじめが一掃されるほど、即効性が高いと、自負している。

 時間がなければ、クラスの実態に適した授業ひとつでも十分である。

 ぜひ試してみていただきたい。なお、追試がしやすいように、授業で使用した資料等は、できるだけ大きく本書に載せておいた。

 その他にも、「いじめ」に関する「い・ろ・は」を、記しておいた。

 「いじめに関する本は難しくて読みづらい」とよく言われるので、できるだけ簡単に説明し、「これだけは覚えておいた方がよい」ということのみにした。

 従来のいじめの本より、数段、読みやすいものになったかと思う。

 さらに、『授業のあとの「ちょっと一言」』というコーナーも設けた。このコーナーは、「さらに参考になること」「いい足りなかったこと」などを付け加えてある。

 ぜひ、これもしっかり読んでいただきたい。


   /内海 俊行

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