明るく楽しい構造化方式の道徳授業 中学年編

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自己主張が強くなる中学年の児童に、より深く道徳的価値の自覚を促すため、道徳性を育成する筋道を示唆する構造化方式の授業例を多数紹介し、楽しく充実した指導を目指す。


復刊時予価: 2,783円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-804213-3
ジャンル:
道徳
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 192頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

T 構造化方式のすすめ
1 道徳授業改善の課題
2 構造化方式の特色
U 児童の心に寄り添う構造化方式の授業
1 心に葛藤を生じる場合
(1) 児童の発達段階や特性を生かす指導
第3学年/ 第4学年
(2) 総合的学習と関連を図った指導
第3学年/ 第4学年/ 第4学年
2 児童のよさを生かす場合
(1) 体験活動を生かす指導
第3学年/ 第4学年
(2) 価値の自覚を深める工夫
第3学年/ 第4学年
3 児童の願いに根ざす場合
(1) 人から認めてもらいたい願い
第3学年/ 第4学年
(2) よい友達が欲しい願い
第3学年/ 第3学年/ 第4学年
(3) 夢や希望を育てる指導
第3学年/ 第4学年
4 人間を超えるところにかかわる場合
(1) 知りうることの限界にかかわる場合
第3学年/ 第4学年
(2) なし得ることの限界にかかわる場合
第3学年/ 第4学年
5 感動する心に結びつく場合
(1) 感動を通して価値の自覚を深める指導
第3学年/ 第4学年/ 第4学年
(2) 感動から目を広げる指導
第3学年/ 第4学年

まえがき

 中学年になると,一般に自己主張が強くなります。放任しておけば他者と衝突することが多くなるため,行いに目を向ければ,困った傾向という思いをもつことになるでしょう。しかし,自分の人生に意欲的になってきた表れととらえれば,これをよい方向に導けば自己実現の能力として道徳性を育てるための絶好のチャンスということになり,道徳的価値の自覚を深めるためにこの機会を生かす指導をすることができます。

 文部省の『道徳教育推進状況調査報告書』の結果を見れば,中学年ではかなりよい成果を上げているということができるものの,低学年と比較すると児童の反応は急速に低下しています。

 すべての児童が楽しく,役立つと感じる指導とすることが必要ですが,そのためには,改善を要する面があると言えます。また,高学年になっても児童が喜んで受け入れるような指導を,中学年のときから展開しておくことが大切です。さらに,中学年のときから,児童の一生を見通した自己実現の能力を育てていかなくてはなりません。

 そのためには,児童の心にしっかりと道徳性を育てる指導が大切です。この観点から道徳授業を抜本的に見直すことが必要です。

 中学年・高学年では行動化を直接目指した指導は難しいと言えます。指導の結果が実践に表れることは確かに重要なことですが,児童が心から,弾むような思いで実践する指導をするためには,どのようにすれば児童の心が道徳的価値を喜んで受け入れてくれるかという点から指導を見直す必要があります。直接実践化を図るのでなく,道徳性を育てることを通して実践に表れるようにすることが大切です。それが高学年になっても喜んで指導を受け入れてくれる指導につながります。

 それには,より深いところから道徳的価値を児童の心に受け止めさせる指導になっているかどうかを見直す必要があります。道徳的価値の自覚を深め,その集積として児童の心に道徳性を育てる方向を目指す指導が大切です。すると,中学年においてもより一層楽しく充実した指導とすることができます。

 学習指導要領では,「道徳性」の育成を目指しています。道徳性は機能としては行動や判断の基準となりますが,構造としては「道徳的諸価値は一人一人の内面において統合されたもの」(解説)と説明されています。その道徳性を育てるのが道徳授業の目指すところなのです。道徳性を育てるために,主題のねらいの道徳的価値の自覚を深めるのです。つまり,心にしっかりと受け止めさせるのです。その集積として道徳性が育つのです。道徳性が育てば,あたかも池がいっぱいになれば水があふれ出るように,実践として表れるのです。

 道徳性育成の決め手となるのは,どのようにして価値の自覚を深めるかです。道徳的価値を外側から強制しようとしても児童の心は受け入れてくれません。そこからも重苦しさが生じます。知的理解ですむ教育と違って,道徳的価値の自覚は,心が受け入れてくれなければ指導になりません。

 そこで構造化方式が重要になります。構造化方式は,道徳性を育てる筋道と道徳的価値の自覚を深める筋道を明確にしたもので,新学習指導要領が道徳性の構造をはっきりさせ,価値の自覚を深めることを目標に掲げ,道徳性を育成する筋道を示唆しているために,これにぴったりと合った指導論です。

 構造化方式は,道徳的価値の自覚を深める際,どの主題の指導においても,児童の心が喜びをもち,充実感をもって受け止めるようにする授業論です。道徳授業の現在の問題点をすべて克服でき,明るく楽しく児童が生き生きと受け入れてくれる指導論です。これによって,児童の人生が切り開かれ,社会の期待に沿う道徳指導が展開されることを期待しています。

 本書は,明治図書の編集部長仁井田康義氏の企画と叱咤激励によって誕生することができました。構造化方式が道徳授業の活性化に役立つことができれば大変ありがたく,紙面を借りて深く謝意を表します。


  平成12年10月   /金井 肇

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      明治図書

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