- 刊行のことば
- 道徳 重要用語150の基礎知識
- はじめに─21世紀を拓く道徳教育を推進する基盤となる重要用語─
- T 道徳教育を支える理論に学ぶ
- 1 無知の知
- 2 助産術
- 3 自助への幇助
- 4 教育的雰囲気
- 5 良心の覚醒
- 6 イド・エゴ・スーパーエゴ
- 7 IとME
- 8 我と汝
- 9 自己活動
- 10 生成の過程に還元する
- 11 体験・経験
- 12 規律の精神・社会集団への愛着・自律の精神
- 13 他律・社会律・自律
- 14 問いへの教育
- 15 個人道徳と集団道徳
- 16 愛
- 17 生きがい
- 18 希望
- 19 薫陶
- 20 自己実現
- 21 心情倫理、責任倫理
- 22 状況倫理
- 23 意味への意志
- 24 経験の再構成
- 25 道徳性の認知的発達
- 26 価値の明確化
- 27 キャラクターエデュケーション
- 28 カウンセリングマインド
- 29 トランスパーソナル心理学
- 30 スピリチュアリティ
- 31 サイコセラピー
- 32 ホリスティック教育
- 33 エスノメソドロジー
- 34 状況的認知とメタ認知
- U 道徳教育の歴史に学ぶ
- 1 清明心(キヨキアカキココロ)
- 2 正直(せいちょく)
- 3 誠(まこと)
- 4 武士道・町人道・農民道
- 5 教育勅語
- 6 修身科
- 7 公民教育構想
- 8 国民実践要領
- 9 期待される人間像
- 10 道徳の時間の設置
- V 道徳教育の教育課程に学ぶ
- 1 人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念
- 2 豊かな心
- 3 未来を拓く主体性のある日本人
- 4 人格・道徳性
- 5 道徳的価値の自覚
- 6 人間としての生き方の自覚
- 7 人間としての在り方生き方
- 8 各教科、特別活動における道徳教育
- 9 総合的な学習の時間における道徳教育
- 10 補充・深化・統合
- 11 道徳的心情
- 12 道徳的判断力
- 13 道徳的実践意欲・態度
- 14 道徳的習慣
- 15 道徳的実践力と道徳的実践
- 16 内容項目
- 17 4つの視点と内容の重点化
- 18 道徳教育の全体計画
- 19 道徳の時間の年間指導計画
- 20 道徳教育の学級における指導計画
- 21 計画や指導の弾力化・柔軟化
- 22 主題の構成と配列
- 23 重点的指導、関連的指導
- 24 人間関係の充実と環境の整備
- 25 家庭や地域社会との連携
- 26 道徳性の実態把握
- 27 道徳の時間の評価
- W 教育実践に学ぶ
- 1 自己を見つめる
- 2 感性や情操を育む
- 3 校長の参加
- 4 教職員の協力的指導
- 5 保護者や地域の人々の参加・協力
- 6 道徳の授業の基本過程
- 7 価値の一般化と類型化
- 8 資料の活用類型
- 9 総合単元的道徳学習
- 10 道徳授業の構造化
- 11 統合的道徳教育
- 12 体験の活用
- 13 課題追究的授業
- 14 モラルジレンマによる授業
- 15 再現構成法による授業
- 16 感動と感化による授業
- 17 価値葛藤による授業
- 18 説話
- 19 道徳(心の)ノート
- 20 テーマ学習の活用
- 21 副読本
- 22 ワークシートを活用した授業
- 23 新聞や統計資料を活用した授業
- 24 郷土資料(地域資料)を活用した授業
- 25 詩を活用した授業
- 26 小説を活用した授業
- 27 一読四分進法
- 28 役割演技、動作化を取り入れた授業
- 29 交流分析を活用した授業
- 30 グループエンカウンターを活用した授業
- 31 パネルディスカッション・シンポジウム・バズセッションなどを取り入れた授業
- 32 ディベートを取り入れた授業
- 33 ペープサートを使っての授業
- 34 マンガを使っての授業
- 35 一枚絵による授業
- 36 コンピュータを活用した授業
- 37 セルフ・カウンセリングの手法を用いた授業
- 38 フォーカシングの手法を用いた授業
- 39 内観法の手法を用いた授業
- 40 KJ法の手法を用いた授業
- X 外国における道徳教育に学ぶ
- 1 アメリカの道徳教育
- 2 ドイツの道徳教育
- 3 韓国の道徳教育
- 4 イギリスの道徳教育
- 5 フランスの道徳教育
- 6 中国の道徳教育
- 7 ロシアの道徳教育
- 8 台湾の道徳教育
- 9 インドネシアの道徳教育
- Y 基本的な道徳的価値の学習に関する重要用語
- 1 自立する心
- 2 希望をもち向上していこうとする心
- 3 自由と規律を大切にする心
- 4 誠実に生きる心
- 5 真理や学ぶことを愛する心
- 6 よさを生かし伸ばそうとする心
- 7 真心をもって礼儀正しく接する心
- 8 思いやりの心
- 9 友情
- 10 信頼する心
- 11 尊敬する心
- 12 謙虚で広い心
- 13 感謝する心
- 14 自然や環境を大切にする心
- 15 生命を大切にする心
- 16 美しいものや崇高なものを大切にする心
- 17 社会的な役割と責任を果たす心
- 18 社会のルールを大切にする心
- 19 公共心、公徳心
- 20 権利と義務を大切にする心
- 21 正義を大切にする心
- 22 働くことを大切にする心
- 23 家族や家庭を大切にしようとする心
- 24 先生や学校を愛する心
- 25 福祉の心
- 26 文化や伝統を大切にする心
- 27 郷土を愛する心
- 28 国を愛する心
- 29 国際理解と親善の心
- 30 平和を愛する心
- 特別活動 重要用語150の基礎知識
- まえがき
- T 目標・原理・総論
- 1 望ましい集団活動
- 2 集団(社会)の一員としての自覚
- 3 人間としての生き方の自覚
- 4 心身の調和のとれた発達
- 5 自己を生かす能力
- 6 なすことによって学ぶ活動
- 7 個性の伸長
- 8 自発的・自治的な活動
- 9 国旗・国歌の取扱い
- 10 学習成果の総合的な発展
- 11 学校の伝統
- 12 集団生活への適応
- 13 望ましい集団活動の条件
- 14 内容相互の関連
- 15 特別活動の教育的意義
- 16 自主的、実践的な態度
- 17 個を生かす集団活動
- 18 競争と協同
- 19 社会性の育成
- 20 自己抑制
- 21 われわれ意識
- 22 特別活動と生徒指導
- 23 集団の発達
- 24 集団感情・集団意識
- 25 集団の構造
- 26 小集団の分立
- 27 集団の秩序や規範
- 28 リーダーシップ・フォロワーシップ
- 29 弾力的な指導
- 30 集団目標・個人目標
- 31 課題意識・問題意識
- 32 自主的活動と教師の指導性
- 33 価値選択能力
- 34 集団活動と自己理解
- 35 自然体験・社会体験
- U 学級(ホームルーム)活動編
- 1 学級(ホームルーム)活動
- 2 学級生活の充実と向上
- 3 話合いの活動
- 4 共同の問題
- 5 学級への所属意識
- 6 計画委員会
- 7 係の活動
- 8 集会の活動
- 9 健全な生活態度
- 10 生活上の諸問題
- 11 学級内の組織づくり
- 12 生活や学習への適応
- 13 希望や目標をもって生きる態度の形成
- 14 基本的な生活習慣の形成
- 15 望ましい人間関係の育成
- 16 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
- 17 望ましい食習慣の形成
- 18 学校給食
- 19 自己決定の機会
- 20 共通の問題
- 21 学級活動の指導過程
- 22 学級代表委員
- 23 活動計画
- 24 学級活動ノート
- 25 議題選定の過程
- 26 学級の組織
- 27 集団思考と資料
- 28 終末の評価・反省
- 29 青年期の不安や悩み
- 30 性教育・エイズ教育
- 31 望ましい職業観・勤労観の形成
- 32 指導内容の重点化
- 33 国際理解と親善
- 34 喫煙・飲酒・薬物乱用
- 35 学校における多用な集団の生活の向上
- 36 学業生活の充実
- 37 題材・議題
- 38 多様な集団の生活の向上
- 39 男女相互の理解と協力
- 40 主体的な進路選択・将来設計
- 41 自主的な学習態度の形成
- 42 学ぶことの意義の理解
- 43 選択教科等の適切な選択
- 44 学校図書館の利用
- 45 生徒指導との関連
- V 児童会(生徒会)活動・クラブ活動・部活動編
- 1 児童会活動
- 2 代表委員会
- 3 委員会活動
- 4 児童会(生徒会)集会活動
- 5 児童会の組織
- 6 児童会室
- 7 クラブ活動・部活動
- 8 クラブ活動発表会
- 9 クラブ活動の活動内容・実施計画
- 10 クラブ活動の時間
- 11 共通の興味・関心の追求
- 12 異年齢集団の活動
- W 学校行事編
- 1 学校行事と学校の行事
- 2 集団への所属感
- 3 秩序と変化
- 4 体験的な活動
- 5 儀式的行事
- 6 厳粛で清新
- 7 学芸的行事
- 8 健康安全・体育的行事
- 9 規律ある集団行動
- 10 責任感や連帯感
- 11 遠足・集団宿泊的行事
- 12 集団生活の在り方
- 13 公衆道徳
- 14 勤労生産・奉仕的行事
- 15 勤労の尊さ
- 16 社会奉仕の精神
- 17 自然や文化に触れる体験
- 18 野外活動
- 19 ボランティア活動
- 20 学校行事の精選
- 21 学校行事の事前・事後の指導
- 22 朝会
- X 経営・運営編
- 1 各内容や学年の指導計画
- 2 集団活動の評価
- 3 生活経験の拡充
- 4 集団決定・多数決
- 5 輪番・互選・推薦
- 6 教育課程外の教育活動との関連
- 7 朝や帰りの話合いの時間
- 8 当番活動
- 9 場や機会の確保の工夫
- 10 他校との交流
- 11 保護者・地域社会との連携
- 12 全体の指導計画・年間指導計画
- 13 特別活動の主任
- 14 フォーマルグループとインフォーマルグループ
- 15 師弟同行
- 16 業間の時間
- 17 始業前、放課後の自主的活動
- 18 協力的な指導・協働体制
- 19 学習グループ・班活動
- 20 役割分担と責任
- 21 アンケート・インタビュー・機器活用
- 22 ゲス・フー・テスト
- 23 学年・学級経営
- 24 特別活動の評価
- 25 社会教育施設等の活用
- 26 ガイダンスの機能を生かす
- 27 現在及び将来の生き方を考える
- 28 特色ある学校づくりと特別活動
- 29 総合的な学習時間との関連
- 30 幼児、高齢者、障害のある人々などとの触れ合い
- 31 発達段階・発達課題
- 32 教育相談活動の活用
- 33 ヨーロッパ大陸諸国の特別活動
- 34 アジア諸国の特別活動
- 35 英米諸国の特別活動
- 36 特別活動の歴史
- 執筆者一覧
刊行のことば
今日,我が国は,人類がこれまでに体験したことのない新しい時代に向かい転換期にさしかかっている.人々の要求は,多様化,個性化,高度化し,科学技術,経済,情報,交通,通信などの国際化は産業構造や社会構造に大きなインパクトを与え,教育のあり方に大きな変化をもたらしている.
家庭や地域社会の現状を見るとき,家族の結びつきや地域社会の連帯意識は弱くなっている.社会体験や自然体験,生活体験が著しく不足し,充実した生活が送れず,ストレスを持っている子供がかなりいる.このため,子供たちに,ゆとりや心の豊かさを持たせ,多様な価値や,他人を思いやる心を育てたい.さらには自己表現を豊かにしたり,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え判断し,行動して,よりよく問題を解決していく資質や能力を育てることが一層重視されなければならない.しかし,これらの理念と現実とはあまりにもかけはなれている.
いまや教育者は,歴史と現実,世界の動向と我が国の現状,教育理論と実践,国の学習指導の基準と学校や地域の具体的実践等々,多くの葛藤の中から今日の教育状況を切り開き解決の道を見つけなければならない.
このような今日の教育をめぐる状況を捉え,教育研究の水準の向上と理論的なフレームワーク,教育の実践的な課題と解決方法,新しい学習指導要領に基づく実践の基礎を具体的に明らかにし,21世紀の教育研究と実践の進展のために,さらには混迷する教育の問題解決の一助たらんとして,本書を企画し,編集した次第である.
本書は,それぞれの学問領域の第一人者に基礎用語の選定をいただき,執筆に当たっては優れた研究者,教育者等からご協力を賜った.編集や執筆の多大な努力と労苦に感謝を申し上げたい.さらに,明治図書の江部満,樋口雅子両氏ほかに格別のお世話になった.心から謝意を表したい.
プロデュース・編集代表 /武村 重和
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- 明治図書