- はじめに
- 第1章 金子みすゞの詩を道徳授業に生かす
- 第2章 金子みすゞの詩の世界
- ―みすゞコスモス― /矢崎 節夫
- 第3章 金子みすゞの詩で創る道徳授業
- 低学年
- 1 土
- 2 おかし
- 3 お花だったら
- 4 わたし
- 5 人形と子供
- 中学年
- 1 すすきとお日さま
- 2 わらい
- 3 大漁
- 4 こころ
- 5 こだまでしょうか
- 高学年
- 1 りこうな櫻んぼ
- 2 波・汽車の窓から
- 3 鯨法会
- 4 わたしと小鳥とすずと
- 5 大漁
- 6 星とたんぽぽ
- 7 つもった雪
- 8 打ち獨楽
- 9 つゆ・犬―みすゞの世界を音楽で―
はじめに
金子みすゞはちょっと苦手だ。
でも,その詩で授業をすることになり,
山口・仙崎の町を歩いてみた。
ひっそりと,時間がとまった昼下がりの町を
ゆずかまぼこの匂いと,いっしょに,歩いた。
ぬけるような青空の中を,ただ,ただ,歩いた。
ふと,あの写真の独特の表情が,よぎった。
この町が,みすゞの町。
みすゞは,この町でどう生きたのだろうか。
歩いても,歩いても,みすゞのことは,わからなかった。
なぞが,ますます,ふくらんでいった。
1999,夏
これが去年の私の思い。
金子みすゞは,ちょっと苦手。
その思いは,今もかわらない。
でも,みすゞへのなぞは,すこしずつ,とけていった。
なぞときに,力をかしてくれたのは,子ども。
苦手でも,授業は楽しい。
苦手だからこその,冷静な目での発見が,授業にはある。
もう一度,仙崎の町を歩いてみよう。
町は,今度は,どうむかえてくれるのだろうか。
2000,初夏
/八木下 陽子
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- 明治図書