- まえがき
- T 学級崩壊について
- 1 学級崩壊とは
- 2 学級崩壊の状況
- 3 学級崩壊が起こった要因
- (1)教諭間の連携不足
- (2)教諭の指導力不足
- (3)親(保護者)との連携不足
- U 道徳自作資料集
- 一 『戦火の教科書』 (ねらい 前向きに生きる)
- 二 『心の優先座席』 (ねらい 思いやり)
- 三 『出席停止』 (ねらい 思慮・節制)
- 四 『自分にできること』 (ねらい 正義・勇気)
- 五 『夜間中学』 (ねらい 前向きに生きる)
- 六 『夢をかなえるには!』 (ねらい 理想・努力)
- 七 『新・一膳のお粥』 (ねらい 思いやり)
- V 大江流学級経営
- 1 「しつけ」について
- 2 年度初めの仕事
- 3 大江流宅習
- 4 遊びのブームを仕掛ける
- 〈解説〉学級崩壊をぶっとばせ /押谷 由夫
- あとがき
まえがき
本書を手にされた
「あなた」
表紙の著名(「学級崩壊の授業」)を見て何かを感じたのではないでしょうか。
本書は、学級崩壊を起こさせないための本です。
また、学級に活気を取り戻させる本です。
先生の学級は、活気のある先生が理想の学級になっていますか。また、先生は「私の学級では、学級崩壊というものは起こっていないので関係ない」と思っていませんか。
学級崩壊が起こっていなくても、子どもにとって学級がよりよい環境になっていますか。
次のチェック項目を自分の学級に当てはめてみましょう。
(1)あいさつができていますか。
(2)授業中、私語をしていませんか。
(3)宿題は、きちんとやってきますか。
(4)休み時間は、楽しく過ごしていますか。
(5)ちょっとした「いじめ」は、ありませんか。
(6)先生は、学級に行くのが楽しいですか。
自分の学級を建て直す必要を感じておられる先生方、学級崩壊の予防策として何かをしたいと思っておられる先生方、ぜひ本書をお読みください。そして、追試してみてください。子どもたちの反応の違い(変容)に気づくはずです。
本書の三つの魅力について、以下に述べてみましょう。
魅力一 「学級崩壊」をテーマにした七本の道徳自作資料を単元化しています。
子どもにとって「道徳の時間」が魅力的なものになっているでしょうか。
「道徳の時間」を魅力的なものにしていくためには、画一化・国語化した指導をしていては無理ではないでしょうか。
そこで、子どもの心を揺さぶる道徳自作資料の必要性を痛感しました。
道徳自作資料を用いることに関する文部科学省の見解は、次の通りです。
小学校学習指導要領解説道徳編〈平成十一年五月文部省(現文部科学省)の第四章第五節〉
道徳の時間の目標の達成を図り、児童に充実感をもたらすような生き生きとした指導を進めるためには、児童の心に響く資料を選択し、多様な資料の開発と効果的な活用に努めることが大切である。
この文章からも分かるように、文部科学省は道徳資料の作成及び活用を奨励しているのです。
次の四つのテーマに基づいて七本の道徳自作資料を配置しています。
〔テ ー マ〕 〔資料名〕
「前向きに生きる」……・「戦火の教科書」・「夜間中学」・「夢をかなえるには」
「思いやり」……………・「心の優先座席」・「新・一膳のお粥」
「権利・自己抑制」……・「出席停止」
「正義・勇気」…………・「自分にできること」
例えば、次のような単元構成が考えられます。
一時(「戦火の教科書」) 二時(「心の優先座席」) 三時(「出席停止」) 四時(「夜間中学」)
五時(「自分にできること」) 六時(「新・一膳のお粥」) 七時(「夢をかなえるには」)
あくまでも、これは私の案です。追試される先生方が組み換えても、他の資料と組んでもらっても結構です。
魅力二 授業のセールスポイントが一目で分かり、すぐに追試ができます。
七本全ての授業記録の一ページ目に、次の五点を書いています。
1.「しつけ」について
2.年度初めの仕事(チェック表付き)
3.大江竜宅習
4.子ども同士のよりよい関係をつくるための遊び
本著に掲載している写真やTPシートを授業のためにコピーすることは、全て可です。よろしければ、そのままコピーしてお使いください。
本書の道徳自作資料をあなたの学級の実態に応じて、改作してご使用ください。
私は、「道徳自作資料の部屋」というホームページを開設しています。
URLは http://www.synapse.ne.jp/ooeです。
パソコンをお持ちの方は、本書を追試した感想などを電子メールでお送りくださればありがたいです。
二〇〇二年 /大江 浩光
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- 明治図書