- まえがき
- T 「落語流指導法」の概要
- 一 「落語流指導法」について
- 二 「落語流指導法」の指導過程について
- 三 「落語流指導法」の構造図
- 四 本格落語型と初歩落語型の適応学年について
- 五 落語流指導法や本資料のメリット
- U 落語流道徳自作資料ベスト七選
- 一 『かえるのカサ』
- 二 『声を失った犬』
- 三 『新・プールでのおしっこ』
- 四 『オオクワガタ』
- 五 『新・丸坊主』
- 六 『真の金メダリスト』
- 七 『スケルトン』
- V 道徳自作資料の作成について
- 一 道徳自作資料の作成のポイント
- 1 資料(ネタ)の収集方法
- 2 徹底的に追究
- 3 ネタから資料へ
- 二 道徳自作資料に対する文部科学省の見解
- W 道徳の時間を魅力的なものにするには
- 一 学校現場の実態
- 二 今までの道徳授業の問題点
- 三 道徳の時間を魅力的なものにするポイント
- 1 教師がやってみたくなる資料を授業で用いる
- 2 「心のノート」を活用する
- 3 多様な指導過程を用いる
- 4 ワークシートを用いる
- 解説――楽しく、深く、継続して /押谷 由夫
- あとがき
まえがき
本著は、『子どもが夢中になる落語流道徳自作資料 選』の続編で、前作を更にパワーアップし、使いやすくしています。
本書の五つの魅力について、以下に述べてみましょう。
魅力1 すぐにマネできる道徳自作資料が七本もつまっています。
全ての実践記録に「資料」と「発問・説明・指示・助言」が明記され、誰でも直ぐに追試することができます。
また、本著に掲載している道徳自作資料は、製作の段階で多く先生方に追試していただき、追試後ご意見をいただき、改作したものです。そのような道徳自作資料を七本も掲載しています。
魅力2 「落語流道徳指導法」を更にパワーアップさせた流し方を用いています。
私は『子どもが夢中になる落語流道徳自作資料 選』で「落語流道徳指導法」を発表しました。
今回は以前発表した「落語流道徳指導法」を更にパワーアップさせています。
パワーアップさせた点としては、魅力3や魅力4の他に、十分に思考する機会を設定しました。
ある行為に対して、「どう思ったか」「どうして、それを選んだのか」を考えさせた後、その理由付けをさせることに重点をおきました。これは、コールバーク理論に基づいた考えです。
「落語流道徳指導法」とは、日本の文化である落語の流れ(流れ方)を道徳の授業の流し方に用いたものです。
「落語流道徳指導法」を簡単に説明しますと、導入段階では、中心資料と関係のある子どもたちの興味関心を引くものを用い、子どもたちを授業に集中させます。その部分は、落語でいう「枕」にあたります。その後、展開の前半部分では、「枕」を引き継いだ内容の話し合いを行い、展開の後半部分では、子どもたちの建前論を尊重します。その部分は、落語でいう「前振り」にあたります。終末段階では、子どもたちの建前論を覆す事実を提示することにより、今までの自分の行為を素直に振り返らせます。その部分は、落語でいう「おち」の部分です。更に、建前論的な行為を行っている事実も見せることにより、今後の実践に向けての意欲化を図ろうと考えたものです。
「落語流道徳指導法」については、九ページ及び一五ページを参照してください。
魅力3 全ての道徳自作資料にワークシートがセットされています。
ワークシートは、三点の素晴らしい機能を持っています。
(1) 自分の考えをしっかり持たせることができます。
(2) 自分の考えを深めさせることができます。(思考する時間の確保ができる。)
(3) 子ども意識の変容を確認することができます。
これらの機能をもったワークシートが全ての道徳自作資料とセットとなっています。
魅力4 イラストや写真等を大きく掲載しています。
ちょっとしたことですが、追試しやすいようにイラストや写真を大きく掲載しました。
私は今まで数冊ほど明治図書から著書を出させて頂きました。
私の実践を追試してくださった先生方にアンケート調査をしたところ、「写真やイラストを大きく掲載してほしい。」
という回答が多かったので、イラストや写真を大きく掲載しました。
魅力5 授業のセールスポイントが一目で分かり、すぐに追試ができます。
全ての授業記録の一ページ目に、次の五点を書いています。
1 ねらい
2 特徴
3 作成に当たってのエピソード
4 対象学年
5 追試の際の留意点
本著に掲載している写真やTPシートを授業の為にコピーすることは、全て可です。よろしければ、そのままコピーしてお使いください。
本書の道徳自作資料をあなたの学級の実態に応じて、改作・オリジナル化してご使用ください。
私は、「道徳自作資料の部屋」というホームページを開設しています。URLは、http://www.synapse.ne.jp/ooe/です。電子メールアドレスは、ooe@po.synapse.ne.jpです。
パソコンをお持ちの方は、本書を追試した感想などを電子メールでお送りくださればありがたいです。
二〇〇三年 /大江 浩光
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- 明治図書