- まえがき
- W 人 権
- なぜ飢えるのか? /三輪 辰男
- みんな教えてください! /川上 弘宜
- 差別と闘ったアイヌ民族の英雄・シャクシャイン /染谷 幸二
- 先輩・後輩 /佐竹 弘司
- ディベート・妊娠中絶 /大鐘 雅勝
- X その他
- ユーモア /高橋 慎二
- 違法な行為 /斎藤 勉
- 外国人講師と一緒に行った「国際理解」の授業 /上木 信弘
- 可愛い子にこそ /中野 岳雄
- 「道徳」とは何か? /高田 保彦
- あとがき―授業の事実を引っさげあなたも
まえがき
本書は、道徳授業改革双書4『子どもが本気になる道徳授業 選』・同双書6『続・子どもが本気になる道徳授業 選』・同双書 『子どもが本気になる道徳授業 第3集』・同双書 『子どもが本気になる道徳授業 第4集』・同双書 『子どもが本気になる道徳授業 第5集』・同双書 『子どもが本気になる道徳授業 第6集』の続刊です。『 選』は十一版、『 選』は七版、『第4集』は一年余りで三版となりました。
これほど多くの方々に支持されているのは、なぜでしょうか?
その一
今日の授業に、すぐに役立つ
収録されている全ての道徳授業記録には、発問・指示、使用した資料が明示してあります。しかも、授業の一部分ではなく、その授業全部を示してあります。ですから、今日の授業に、すぐ役立ちます。
その二
百本以上の授業記録の中から選びぬかれたものである
本書には、私の元に寄せられた百本以上の授業記録の中から選びぬかれたものだけを収めてあります。私を含めた数人のスタッフで、寄せられた授業記録全てを読み、じっくりと検討します。その結果、「すばらしい」「新たな問題提起がある」「公表し世に問う必要がある」と判断された授業記録だけが、収められているのです。
ですから、本書の道徳授業をご自分の教室で実施していただければ、きっと今までにはなかった手応えを子どもたちの姿から感じていただけるはずです。
その三
実施する際の留意点や「こうすればもっとよい授業になるのでは」という修正すべき点が示してある
各授業記録の冒頭のページに〈追試の際の留意点〉が示してあります。また、各授業記録の後には、私の研究仲間である スタッフによる「休み時間」というページがあります。「休み時間」ページには、各授業記録に対する少々辛口のコメントが書かれています。
どんな授業であれ、完璧はありえません。なぜなら、子どもたちの実態も学級の雰囲気も先行実践者の教室とあなたの教室とでは異なっているからです。ですから、〈追試の際の留意点〉や「休み時間」を参考にされ、より子どもたちにとって意義ある楽しい授業を行ってみてほしいと思います。
その四
ご自分でも、オリジナルな道徳授業を創り出せるようになる
従来の道徳授業といえば、@学習指導要領の「内容」項目そのままの「ねらい」、A副読本資料、Bある特定の方が唱えていた「指導過程の基本形」そのままの授業の流れ、の三点セットによる授業ばかりでした。この「三点セット」に縛られた道徳授業づくりが横行していたのです。
この『子どもが本気になる道徳授業』シリーズでは、「三点セット」に縛られていない道徳授業の事実を示しています。つまり、「三点セット」なくとも道徳授業づくりができることを示したのです。このことで明らかなように、自分の手で、道徳授業を創り出すことができるのです。
本書に収められている授業をマネしてみると、その授業づくりの手法が見えてきます。そして、自分で、マネした授業の授業づくりの手法をマネて、オリジナルな道徳授業を創ることができるようになってゆくはずです。
道徳関係図書=@としては珍しいほどのスピードで『子どもが本気になる道徳授業』シリーズが広がっているのは、こうした理由からだと思います。
前回(第五集・第六集)同様、良質の授業が多かったので、今回は三冊に分けました。
道徳授業改革双書 『子どもが本気になる道徳授業 第七集――生命・環境・真実編』
道徳授業改革双書 『子どもが本気になる道徳授業 第八集――人権編』
道徳授業改革双書 『子どもが本気になる道徳授業 第九集――人権・その他偏』
第七集には、〈生命〉2本・〈環境〉6本・〈真実〉3本の計11本が入っています。
第八集には、〈人権〉 本が、第九集には、〈人権〉5本・〈その他〉5本の計 本が入っています。
『子どもが本気になる道徳授業』シリーズでは、全て公募による道徳授業記録によって構成されています。志ある方々が、深澤宅へ郵送した、あるいは、 全国合宿に持参した、あるいは、 がらみのイベントに持参した道徳授業記録の中から選定されたものなのです。
あなたにも門は広く開かれています。あなたの教室での道徳授業記録をお送りください。
その授業が、あなたの見知らぬ教室の子供たちの目を輝かせることができるかもしれません。
その授業が、白々しいタテマエとタイクツサから、子どもたちと教師を解き放つ道を拓いていくかも知れません。
子どもたちのタメになり・子どもたちがホンキになる道徳授業を、今のままの道徳授業ではダメだ・満足できないと思っているあなたと共に創り出してゆきたい、と思っています。
ともあれ、ダマサレタと思ってご自分の教室でお試しください。
今まであなたがやってきた道徳授業とは、一味も二味もちがった「道徳授業の世界」に、子どもたちをそしてあなたご自身をご案内するはずです。
一九九九年二月 /深澤 久
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- 明治図書