伝え合う内容重視の小学校英語活動指導細案

伝え合う内容重視の小学校英語活動指導細案

投票受付中

子どもが意欲的にコミュニケーション活動する英語授業

文科省の英語活動の研究開発校として指定を受け「英語活動の在り方」を探究した成果をまとめた。@伝え合う内容重視の英語活動とは、A伝え合う内容重視の小学校英語活動の実践例をふまえ、「小学校英語活動指導細案」を学年別にまとめた。すぐに役立つ内容構成。


復刊時予価: 3,014円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
978-4-18-785815-9
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 224頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 伝え合う内容重視の英語活動とは
1 笠原型コンテント・ベイスト(content-based)による授業
2 年間指導計画の作成
3 ねらいの設定
4 1単位時間の指導過程
第2章 小学校英語活動を支えるE活動
[1] 英語でHi! みんな友だち 「Hi! I’m Yuji. Nice to meet you.」
[2] だれにでもあるよね,すき・きらい 「Do you like math?」
[3] 今日は何年,何月,何日 「When is your birthday?」
[4] 数えるのって楽しいね! 「How many legs does a spider have?」
[5] 教えて,君の家族のこと 「Who is this?」
[6] クイズの達人は誰だ? 「Can you guess?」
[7] 好きなものは何? 「What color do you want?」
[8] お願い! それ見せて 「Show me your card.」
[9] 今日は何して遊ぶ? 「What shall we do today?」
[10] えっ! これ何? あれ何? 「What’s that?」
[11] 教えて,きみの得意わざ 「Can you do this?」
[12] きみの町はどんな町? 「Where do you live?」
[13] これ,だれの? ぼくのだよ 「Whose is this? It’s mine.」
第3章 伝え合う内容重視の小学校英語活動実践例
1 つくし学級(特別支援学級)の実践
2 第1学年の実践
3 第2学年の実践
4 第3学年の実践
5 第4学年の実践
6 第5学年の実践
7 第6学年の実践
第4章 伝え合う内容重視の小学校英語活動指導細案
1 つくし学級(特別支援学級)の指導細案
[1] 先生,はじめまして(生活単元学習)
[2] お楽しみ会をしよう(生活単元学習)
2 第1学年の指導細案
[1] かたちであそぼう(算数科)
[2] どうぶつずかんを作ろう(生活科)
3 第2学年の指導細案
[1] 水に入れると…?(生活科)
[2] 知ってる? 海の生き物のふしぎ(図画工作科・国語科・生活科)
4 第3学年の指導細案
[1] わたしの好きなおべんとう(社会科・算数科)
[2] わたしたちのゆめの町(図画工作科)
5 第4学年の指導細案
[1] 夏の図鑑を作ろう(理科)
[2] あなたのあこがれの職業は?(社会科)
6 第5学年の指導細案
[1] お米で世界を感じよう(社会科・総合的な学習の時間)
[2] 世界を知ろう(社会科)
[3] クリスマスデザイナーになろう(図画工作科・算数科)
7 第6学年の指導細案
[1] 何に見える?(図画工作科)
[2] 食べ物のルーツをさぐれ(社会科)
[3] どこへ行きたい〈世界編〉(社会科)

まえがき

 岐阜県多治見市立笠原小学校は,笠原中学校とともに文部科学省から研究開発学校(英語)の指定を平成15年度からの3年間,さらに更新して平成18年度からの3年間受けた。当時は折しも平成14年10月から,笠原幼稚園・笠原保育園・笠原小学校・笠原中学校で,「笠原校区幼保小中一貫教育推進協議会」を設置し,「英語教育」「心づくり読書」「心づくり道徳」の推進を始めていた時でもあった。英語活動について言えば,小学校・中学校のみならず,幼稚園・保育園にもALT(外国語指導助手)が訪問するという下地がすでにできあがっていた。

 そのような時に,文部科学省から指定を受けたのである。そこで,「小中の連接を踏まえた英語教育の在り方」を研究主題とし,それからの6年間,実践に取り組んできた。

 本書はそのうちの小学校英語活動の実践についてまとめ,その手法を提案するものである。

 笠原の幼保小中で英語を学べば,中学校卒業後には,「一人で英語圏へ海外旅行ができる子どもに育てよう」,これを目標とし,また,キャッチフレーズとしている。そのためには,英語に慣れ親しむことはもちろんであるが,英語を使って積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲を育てることが肝要である。すなわち,「聞く必然」「話す必然」のある英語のコミュニケーション活動を行うことを目指してきた。そのために英語活動の授業では,子どもが興味・関心をもつ内容を題材にするのである。

 それを笠原小学校では,算数や理科などの教科で学習した内容に求めた。そのメリットは,

@ すべての子どもにとって,共通の内容(話題)であること

A すべての子どもは,既習事項を基盤にしてコミュニケーション活動がしやすいこと

である。そこで教師側としては,

@ 教科の既習事項の中から,子どもがより興味を示した題材を選ぶ

A 授業構成を,問題解決的な英語活動に仕組む

のである。そのことによって,子どもが題材に興味をもち,英語を使って意欲的にコミュニケーション活動をし,楽しい英語活動を成立させることができるのである。

 ここで誤解のないように記すが,笠原小学校の英語活動は,「教科で学習した既習事項をもとにした英語活動」であり,「英語活動で,教科の内容を学習するのではない」ということである。

 つまり,「伝え合う内容を重視し,他教科での学習内容を題材とする英語活動」を開発,推進してきた。これを「笠原型コンテント・ベイストの手法」と名付けている。

 また,小学校英語活動をより効果的に実践するためには,英語活動のみならず,英語環境の設定が大切である。笠原小学校では,英語活動(E学習)だけでなく,英語の日常化として,全校で取り組む朝の英語活動(E活動),外国の人との交流活動(E体験),そして昼の放送や集会に英語を使ったり,教室や校内掲示を英語で表示したりする環境(E環境)を整えてきた。さらに,小学校では英語の免許を持っていない教師も多い。そこで教師の英語に関する資質向上を図る研修(E研修)も進めてきた。そのため笠原小学校では,英語の免許の有無や教師の年齢に関係なく,どの学年・学級でも学級担任により,または学級担任とALTとで日常的に英語活動が実施されている。

 前記したように,文部科学省の研究開発学校の指定を受けたため,英語活動(E学習)の年間授業時数は,1学年と2学年が35時間,3学年から6学年は70時間で実践してきた。本書では,そうした実践の中から,第2章でE活動の実践例を,第3章で英語活動の実践例を,第4章で英語活動の指導細案を示す。

 ところで,笠原小学校の英語活動を参観された方の大半は,子どもの姿に驚かれる。子どもたちがとても生き生きしているのである。また,英語活動はオールイングリッシュで進むことも珍しくない。それでも子どもたちは,英語活動が他教科での既習事項をもとにした学習内容であるので,よく理解し,英語で積極的にコミュニケーションを図っていく。

 ある時の6年生の英語活動では,子どもたちが世界の国を紹介していた。一人の子どもがイタリアを紹介するのに,「Italy is pizza.」と言った。もちろん,イタリアはピザではない。しかし,「イタリアではピザが有名です」といっているのではないかと想像がつく。つまり英語活動では,恥ずかしがらずに話そうとする意欲を育てること,これが最も大切であろう。

 笠原小学校の6年生は修学旅行で奈良市に行き,そこで出会った外国人に積極的に英語を使って話しかける。これも「笠原型コンテント・ベイストの手法」による英語活動の成果ではないかと考えている。

 小学校英語活動が,いよいよ本格的に開始される。本書がその一助になれば幸甚である。


  2009年4月   岐阜県多治見市教育委員会 教育長 /村瀬 登志夫

著者紹介

村瀬 登志夫(むらせ としお)著書を検索»

岐阜県多治見市教育委員会教育長

1949年生まれ。小・中学校教諭,市教育委員会・県教育委員会勤務,中学校教頭・校長等を務め,2006年4月から現職。

岐阜県多治見市立笠原小学校著書を検索»

明治6年「求英義校」として創立される。

平成15・16・17年度 文部科学省研究開発学校(英語)の指定を受ける。

平成17年11月 研究開発学校 研究発表会を開催する。

平成18年1月 土岐郡笠原町と多治見市との合併により多治見市立笠原小学校となる。

平成18・19・20年度 文部科学省研究開発学校(英語)の指定を受ける。

平成19年 文部科学省読書活動優秀校として表彰を受ける。

平成20年10月 研究開発学校 研究発表会を開催する。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ