- 推薦のことば 教育方法の合理化で,音楽の楽しみをさらに助長させよう /繁下 和雄
- はじめに 子どもたちの魂を揺すぶり続けるために /東 正生
- 序 ミュージック・テクノロジーへの息吹
- 1 心耳―長崎県の活動展開に望むこと /嘉松 弘一郎
- 2 フットワーク,チームワーク,ネットワーク /古賀 淳一
- 3 IT教育とこれからの音楽教育 /下野 隆雄
- 4 「生きる力」を音楽授業でどう実現するか /双紙 正俊
- 5 音楽利用ソフト活用の目安 /根井 翼
- 6 夢―音楽のよろこびを子どもたちへ /万谷 雄一
- 7 継承すべきものと発展させるもの /山下 善一郎
- T あなたもすぐ活用できるMT
- ――基本のキ――
- 1 音楽CDを作ろう――誰でもできるポイント―― /児玉 智
- 2 楽譜をワープロで――すぐできる音楽問題作成術―― /東 正生
- 3 音の出る音楽問題作成術 /児玉 智
- 4 互換性でらくらく音楽の授業――ミュージックデータでひろがる音楽の世界+インターネット―― /計良 洋美
- 5 手軽なMIDIデータ再生機器の活用――音楽科学習で―― /森山 浩一
- 6 手軽なMIDIデータ再生機器の活用――音楽科の学習以外で―― /日 祐子
- U MTで音楽の授業・音楽活動がもっと熱くなる
- 1 音楽にコンピュータ・初めての授業 /安達 貴美子
- 2 変奏曲をつくろう――ヒントコーナーづくりでここまでできる―― /山口 亮介
- 3 子どもにリズム伴奏作りの楽しさを――低学年でのコンピュータ活用―― /西村 直子・中村 愛生
- 4 楽器練習にコンピュータ――音楽で世界平和を!―― /今村 憲一
- 5 作ってみよう自作鑑賞教材CD! /野田 浩司
- 6 “雅楽”に親しもう――コンピュータを友に―― /西村 敬子
- 7 コンピュータで「日本を音楽旅行する」 /樋口 善広
- V 総合的な学習ドッキングでパワーアップ音楽活動
- 1 感動が広がる楽器の手作り /小柿 綾子
- 2 表現と鑑賞――音楽と図工の関連づけヒント―― /野元 貴代美
- 3 学級担任と音楽専科のTTで総合――自然とのふれあいを音楽で伝えよう!―― /雪丸 正子・白尾 恵子
- 4 英語劇にコンピュータ音楽をつけよう /小田切 貴子・杉村 みさ子
- 5 テーマソングづくりはこの手順で /野田 浩司
- 6 障害のある生徒と音楽コミュニケーション /冨永 博子
- 7 写譜が簡単ソフトで校歌吹奏もバッチリ /石川 史倫
- 8 鑑賞指導を盛り上げるパソコン活用術 /藤浦 聡文
- W お役立ち&お耳拝借音楽情報
- 1 ド素人のためのコンピュータ音楽ソフト活用ポイント /東 正生・白尾 恵子
- 2 役立つサイト&ML /野元貴代美 /白尾 恵子
- 3 ミュージック・テクノロジー教育の発展・活動記録 in 九州 /有馬 俊次・永留 弘之・藤浦 聡文・児玉 智・小田切 貴子・森山 浩一・高田 剣
- おわりに 阿蘇セミナーのこれから /森下 藤生・田中 健次
推薦のことば
教育方法の合理化で,音楽の楽しみをさらに助長させよう
国立音楽大学副学長 /繁下 和雄
平成14年4月から,学校五日制の完全実施を迎えた。それに伴って授業時間数が削減され,同時に総合的学習の時間が設定されこれまでの教科の時間がさらに削減されることになった。これまでも,ゆとりを持った学習をということで,授業時間及び教育内容の厳選という名の削減が行われてきたのだ。そして受験に直接関係のない五教科以外の教科が削減されてきたのである。つまりゆとりを持つといっても,人生にとって本来的なゆとりの芸術教科には,目を向けられてこなかったのである。そして五日制に伴っての削減は,ついに五教科に及んだのである。この結果,私立校では五日制をとらない,これに対して公立校は土曜日の塾通いを認める等という風潮が出てきたのである。受験体制からの解放ということからはじまったゆとりが,はっきりとしたかたちで否定されているといってよいであろう。
この受験体制の中で,いつも押し出され続けてきた本来的なゆとり関係教科のひとつである音楽が,いまこそその本来の姿を取り戻す時が来たといえよう。そのためには,音楽が何よりも楽しいこと。それが学習意欲を生み出す。楽しみという自発的な意欲によって,時間制限なくめいっぱい楽しむこと,それは端から見ると,ゆとり・余裕がないように思えるが,これは時間的なゆとりであって,心のゆとりは大きいのだ。ゆとりとは,時間という物理的なものでばかりはかるのではなく,本来的なゆとり,心のゆとりから見て行かねばならないことだ。
本書はこの意味からしても,非常に機を得た内容のものである。まずは音楽を楽しむための創意工夫が盛り込まれていること。そして時間削減に対して,教育方法の合理化で対応しようとしていること。特にIT技術による合理化は,自ら作り上げた作品を自らの手で再現できるという,これまでの音楽教科では演奏技術の未熟さによって実現しにくかったことを,容易に実現させているのが,大きな利点である。このことが学習意欲を助長させることはいうまでもない。さらに本書を生み出すきっかけとなっている「阿蘇セミナー」という先生達の共同研究の姿勢は,学校の中で一人という孤立化しがちの音楽教師が,音楽とIT技術という武器によって,教員の新たなコミュニケーションを生み出すきっかけを作る気がしてならない。この教員の姿が,児童・生徒に,活きる力のサンプルを示すことになろう。本書の内容をかいま見て,これらの期待が大きくふくらんできたのである。
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明治図書
















