- 推薦のことば /加藤 富美子
- はじめに /古賀 淳一
- 発刊に当たって /石田 正紹・副島 和久
- 本書の活用について /石田 正紹・副島 和久
- T 楽しくおもしろく基礎・基本を学ぶ
- 1 センセーショナルなリコーダーとの出あい
- A リコーダーと仲良くなる方法 ―小学校編― 田久保 理生(小学校)
- 1 リコーダーと仲良くなる方法/ 2 最後に
- B リコーダーはこわくない ―中学校編― 堤 仁美(中学校)
- 1 はじめに/ 2 授業実践/ 3 実践を終えて
- 2 鍵盤ハーモニカとお友だち /山田 直子・茅野 亜希子(小学校)
- 1 鍵盤ハーモニカの楽しさを伝えたか?
- 2 実践をするにあたって
- 3 授業の実際
- 3 最後まで意欲をつなげる歌唱授業の組み立て方
- ――発声の技能をのばす指導の工夫―― /石田 正紹(小学校)
- 1 子どもたちが好きな曲〈ふるさと〉に!
- 2 指導の実際(6年生10月実践教材…〈ふるさと〉)
- 3 授業を終えて
- 4 生徒と楽しむ合唱授業
- ――効果的な演出の工夫を通して―― /下川 智子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 この実践にいたるまで
- 3 指導目標
- 4 評価規準
- 5 学習の流れ(指導学年:中学1年)
- 6 授業の実際
- 5 最後までおもしろい鑑賞授業の組み立て方
- ――題材「多声的な響きと和声的な響き」―― /副島 由美子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 この実践にいたるまで
- 3 指導目標
- 4 指導計画(全4時間)
- 5 活動の実際
- 6 実践を終えて
- 6 その時,ぼくも私も音楽鑑定士になる!? 古賀一成(小学校)
- 1 音楽を楽しむ仲間でいっぱいにな〜れ!
- 2 どんな授業が考えられるかな?
- 3 聴き方が身に付くと表現力もアップ
- U 地域・郷土・日本の音楽を生かした音楽授業
- 1 地域から学ぶ郷土の歌 /西 佐枝子(小学校)
- 1 地域の力を音楽の授業へ
- 2 題材「佐賀のわらべうたにチャレンジ」(4年生)
- 3 授業の実際(4年生で実施)
- 4 実践を終えて
- 2 和太鼓に挑戦!
- ――和太鼓を使ったリズム創作のすすめ―― /江頭 聡子・栗田 明美(中学校)
- 1 はじめに
- 2 授業を始めるにあたって
- 3 和太鼓をたたこう!
- 4 オリジナル曲を作ろう
- 5 おわりに
- 3 心おどる和太鼓のひびき!
- ――誰にでも取り組める和太鼓指導―― /石井 大輔・中島 珠尾(養護学校)
- 1 和太鼓について
- 2 実践事例
- 4 民謡に親しもう
- ――ゲストティーチャーの三味線に触れる―― /真崎 千加子・江島 静佳(小学校)
- 1 はじめに
- 2 実践について(第6学年 アジアの音楽)
- 3 実践を終えて
- 4 資料
- 5 日本の伝統音楽を効果的に学習する方法
- ――必修と選択授業との関連性を生かして―― /西村 孝子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 この実践に至るまで
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 評価規準
- 6 学習の流れ(例)
- 7 実践を終えて
- 6 学級オリジナルの箏曲を創ろう
- ――和楽器で楽しむ旋律創作のすすめ―― /副島 和久(中学校)
- 1 はじめに
- 2 この実践にいたるまで
- 3 指導目標
- 4 評価規準
- 5 学習の流れ(全6時間)
- 6 授業の実際
- 7 実践を終えて
- 8 授業で使用した振り返りシート(毎時間の自己評価カード)
- 7 日本の心にふれる和楽器指導
- ――箏の演奏を通して―― /平川 未代(中学校)
- 1 はじめに
- 2 筝入門の前に
- 3 全校生徒に取り組ませた〈さくら舞曲〉の魅力について
- 4 選択音楽の1年間の授業の流れ
- 5 必修授業における〈さくら舞曲〉の展開例
- 6 おわりに
- 8 雅楽〈越天楽〉を音楽室の楽器で楽しもう!
- ――表現活動を取り入れて,生き生き鑑賞の授業―― /平田 英俊(中学校)
- 1 はじめに
- 2 指導目標
- 3 評価規準
- 4 学習の流れ(全4時間)
- 5 授業の実際
- 6 実践を終えて
- V 総合的な学習で生きる音楽の力
- 1 ひびかせよう! 4の3心のふれあいコンサートツアー!
- ――総合的な学習の時間を刺激する音楽科学習―― /小野 美和(小学校)
- 1 音楽物語「ごんぎつね」への挑戦
- 2 音楽物語「ごんぎつね」を指導するにあたって
- 3 総合的な学習の時間への発展
- 4 全実践を終えて
- 2 竹太鼓,大正琴とアンサンブル
- ――基里音楽隊結成―― /石田 亮子(小学校)
- 1 お年寄りと音楽を
- 2 指導の実際(対象学年4年生10月実施)
- 3 おわりに
- 3 郷土芸能を通しての篠笛作りと演奏活動
- ――地域の人材を生かした総合的な学習―― /冨岡 みさと(中学校)
- 1 テーマについて
- 2 総合的な学習における目標
- 3 学習の展開
- 4 笛作りの実際
- 5 笛の演奏
- W 音楽授業の広がり
- 1 いい音組み合わせて音楽物語を作ろう
- ――歌唱教材〈うさぎ〉をもとにして―― /馬場 美奈(小学校)
- 1 やってみると簡単だ!
- 2 決め手はリコーダー
- 3 この活動でねらうこと
- 4 目標
- 5 さあ,やってみよう
- 2 うたごころを育む授業づくり
- ――音楽科と国語科の合科・関連的指導の試み―― /日 祐子(小学校)
- 1 はじめに
- 2 指導の実際(対象:5年2組,男子17名,女子18名/10月実施)
- 3 シンガーソングライターになろう!
- ――コンピュータを使っての創作活動―― /木村 信人(中学校)
- 1 はじめに
- 2 本題材がねらうもの
- 3 指導計画(全6時間)
- 4 活動の展開
- 5 おわりに
- 4 学校中を巻きこんだ合唱コンクールの実践 /千手 千賀子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 中学生の声づくりのポイント
- 3 パート練習の工夫
- 4 学級に返そう
- 5 自主的な運営方法
- 6 大合唱の醍醐味を
- 7 仕上げはアンサンブルで
- 5 私のまちのオリジナルソング
- ――特別活動・教科の学習の関連を生かして―― /末次 知子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 実 践
- 3 おわりに
- 6 管楽器を取り入れた音楽授業 鶴 利邦(小学校)
- 1 「ぼくたちもトランペットを吹いてみたいなあ」
- 2 みんなが楽しめるように
- 3 目標
- 4 指導の流れ
- 7 元気な病弱教育は音楽で!
- ――合同音楽で元気を取り戻す―― /吉岡 希久子・中島 扶美枝(養護学校・盲学校)
- 1 元気は中原養護から!
- 2 中原養護学校について
- 3 この実践にいたるまで
- 4 合同音楽の実践事例
- 5 合同音楽のこれから
- 6 資料
- 8 特別支援教育における音楽からのアプローチ
- ――総合的な学習・「人形劇」の取り組みをとおして―― /中島 誠子(中学校)
- 1 はじめに
- 2 本単元における生徒の実態
- 3 指導経過(実際)と生徒の反応
- 4 まとめと今後の課題
- あとがきにかえて /田中 健次
はじめに
佐賀県小中学校音楽教育研究会 会長 /古賀 淳一
いよいよ2002年度から新しい学習指導要領が全面実施となりました。その間音楽科においては,その移行のために,個人,組織を問わず,さまざまな研究がなされ,その成果をあげられてきたものと拝察いたします。
本県におきましても「生きる力」を育む音楽教育のあり方について研究成果を積み重ねてきたところでありますが,いつも改訂の時期になると気になることがあります。それは,その趣旨や学習指導のあり方の理論的研究に重きをおかれるあまり,最も大切な子どもの生き生きとした活動がおろそかにされがちになったこと,即ち子ども不在の授業になりがちであったことです。さらに今回の改訂では授業時数がこれまで以上に削減されました。このような現状だからこそ1時間1時間の授業を大切にし,無駄のない指導をすることが必要であり,そのためには授業をはじめ音楽活動にそれまでの研究成果を即生かしていくことが急務であると考えます。
佐賀県小中学校音楽教育研究会では,そのような姿勢に立って,これまで多くの音楽授業実践を行い,そこで発見した新たな課題をさらに実践を通して解決する取り組みを重ねています。このような取り組みを進めていくうちに,音楽の授業のみならず「子どもを育む教師の姿勢はどうあればよいか」「学校という組織体において教師がなすべきことはなにか」という志向にまで及ぶようになりました。
これからは,音楽教師が音楽の授業だけを視野にいれて,研究実践を行うのではなく,学校全体の中で音楽活動がどうあるべきか,教師として何をすべきかという幅広い知見と使命感をもって活躍されることを願っています。
授業が終わって生き生きとした表情で教室をあとにする子どもたちを見るときが教師にとってもっとも幸せな一瞬です。その一瞬のために,実践,そして改善を繰り返し,本書に結実した25の実践を皆様にご紹介できることは望外の喜びです。本書が全国の音楽を担当される先生方の一助となることを祈念します。
基礎基本は国語や算数だけではないですよね。
子供たちの生活を明るくする音楽。しっかり取り組んでいくためのヒントを頂いたようです。
リコーダーの指導など日々の授業をもう一回反省してみたいと思います。