- まえがき
- 1章 評価の新しい動向と英語科における課題
- §1 英語科で絶対評価をどう受けとめるか
- 1 新生徒指導要録の評価の基本と英語科の課題
- 2 英語科での評価規準づくりに向けて
- §2 評価規準の作成のポイント
- 1 学習指導要領の構造分析と評価規準
- 2 評価規準の作成の考え方
- 3 自校評価規準づくりのポイント
- 2章 中学校英語科の評価規準の作成と評価
- §1 第1学年における評価規準の作成と評価
- [1] 指導と評価の具体例 A
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画の作成
- 3 評価の決定とその示し方
- [2] 指導と評価の具体例 B
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画の作成
- 3 評価規準の設定
- 4 評価の決定
- §2 第2学年における評価規準の作成と評価
- [1] 指導と評価の具体例 A
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画の作成
- 3 評価の決定とその示し方
- [2] 指導と評価の具体例 B
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画の作成
- 3 評価規準の設定
- 4 評価の決定とその示し方
- §3 第3学年における評価規準の作成と評価
- [1] 指導と評価の具体例 A
- 0 はじめに
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画の作成
- 3 評価規準の設定
- 4 評価の決定とその示し方
- [2] 指導と評価の具体例 B
- 1 レッスンのねらいと重点
- 2 指導計画と評価計画
- 3 評価規準の設定
- 4 評価の決定とその示し方
- 3章 観点別学習状況と評定
- §1 評価規準から観点別学習状況へ
- 1 評価規準の適用
- 2 評価規準ごとの総括
- 3 評価の観点ごとの総括
- 4 学期ごと及び学年末における総括
- §2 観点別学習状況から評定へ
- §3 目標に準拠した評価と基礎・基本の定着
まえがき
学習指導要領の改訂により,必修教科となった外国語(英語)科の授業が始められている。新しい目標の実現に向けた取組みとともに,その評価の在り方についても改善が求められている。
今回の改訂で,評定まで一貫して目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)を行うこととなった。そのことによりこれまでの評価を根本的に見直す必要が出ているのである。
新しい教育課程に基づく指導はすでに始まっており,単に評価について論議をするだけでは済まされない。論議をしながら同時に適切な評価を行うための具体的な取組みを一つ一つ実施していく必要がある。
新しい評価の枠組みは,上記のように目標に準拠した評価で観点別学習状況の評価から評定まで一貫して行うということである。このような評価が適切に行われるためには,まず,観点別学習状況の評価が信頼に足るものでなくてはならない。評定は,観点別学習状況の評価に基づいて行われるからである。
ご承知のとおり,観点別学習状況の評価は今に始まった訳ではない。がここで改めて観点別学習状況の評価を振り返ってみるのにはそれだけの理由がある。これまでの観点別学習状況の評価は,いわゆる絶対評価を行ってきたとは言うものの,内実はいろいろと課題を抱えていると言ってよいからである。
課題の一つとして,観点別学習状況の評価がこれまでその本来の機能を十分に果たしてこなかったということが挙げられる。本来の機能とは,学習の結果としての生徒の資質や能力を四つの観点から分析的にとらえ,指導に生かしていくということである。十分に役立たなかったのはどうしてであろうか。
理由としては,評価の観点による評価結果が,十分に分析的な内容を伴っていないため,指導の改善への具体的な指示とならないことである。さらにその原因として,これまで明確な評価規準が設定されずに来たということが改めて浮き彫りになるのである。
観点別学習状況の評価を適切に実施するためには,まず評価の観点がどのような趣旨で設定されているのかを十分理解し,その上でそれぞれの評価の観点に相応しい評価規準の作成を行うことが重要である。
本書は,各学校において評価規準を作成するまでの考え方と具体的手続きを示したものである。本書を読めば,評価規準の作成に自信をもって取り組んでいただけるものと考えている。また,現状の中で行われている評価の取組みを学年ごとに事例として示した。これらはいろいろな課題を残しており,けっして理想的なモデルということではなく,今後各学校で検討するうえでの参考事例としてとらえていただければ幸いである。
最後に,本書の完成までのさまざまな段階で原稿に細かく目配りをした頂いた明治図書編集部の安藤征宏,田村志織の両氏に心からお礼を申し上げたい。
平成14年5月 編者 /平田 和人
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- 明治図書
- 自分の評価・評定に自信がないという方にお薦めの本です。例えば「表現の能力」とはどんなものを図るのか、どんな規準が必要なのか、その考え方を具体例を示して詳しく説明しています。特に授業展開例や参考資料が役に立ちました。校内研究授業を行う際にも使えるネタが満載です。英語教師が一読しておく必要のある良書だと思います。2009/10/10voxylove