- まえがき
- Chapter 1 コミュニケーション・タイムで始める!英語授業
- 1 授業のはじまり
- その1 声を出させ,英語の授業としての雰囲気作りを行う(ウォーム・アップ)
- その2 授業に集中させる
- その3 家庭学習として課したことの評価や確認を行う
- その4 コミュニケーション能力をつける
- 2 コミュニケーション・タイムの設定
- 3 3年間の活動計画
- コミュニケーション・タイムの活動計画例 第1学年
- コミュニケーション・タイムの活動計画例 第2学年
- コミュニケーション・タイムの活動計画例 第3学年
- Chapter 2 コミュニケーション・タイムにできる!13の活動
- [Activity 1] フォニックス・ビンゴ
- 対象1 年
- フォニックス・ビンゴシート1
- フォニックス・ビンゴシート2
- フォニックス・ビンゴシート3
- [Activity 2] 生徒同士によるQ & A 活動
- 対象1・2 年
- Q & A シート1
- Q & A シート2
- Q & A シート3
- [Activity 3] 自己紹介スピーチ
- ―聞き手からの質問―
- 対象1 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 質問シート(10文自己紹介)
- [Activity 4] 家族紹介スピーチ
- ―聞き手からの質問―
- 対象1・2 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 質問シート(家族の1人を紹介)
- [Activity 5] リスニング教材
- 対象1・2・3 年―シャドーイングでリスニング力をつける―
- [Activity 6] チャット
- 対象1・2・3 年
- はじめてのチャットワークシート
- One Minute Chat ワークシート
- Chat & Report のメモ用紙
- [Activity 7] Explanation Game
- 対象1・2・3 年
- Explanation Game1カード
- Explanation Game2カード
- Explanation Game3カード
- [Activity 8] What Am I ?
- 対象1・2 年
- What Am I ? の説明シート
- 問題作成シート
- [Activity 9] 夏休みの思い出
- ―スピーチ&レポーティング―
- 対象2 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 下書き用紙(夏休みの思い出)
- [Activity 10] 10年後の私
- ―スピーチと感想―
- 対象2・3 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 原稿下書き用紙
- 感想の述べ方(10年後の私)
- [Activity 11] 30秒コマーシャル
- ―プレゼンテーションと感想―
- 対象3 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 感想の述べ方(30秒コマーシャル)
- [Activity 12] 3文即興スピーチ
- 対象3 年
- [Activity 13] Speeches & Comments
- 対象3 年
- スピーチ原稿作成のためのワークシート
- 感想や意見の述べ方(Speeches & Comments)
まえがき
新しい小学校,中学校,高等学校の学習指導要領の共通した目標は「コミュニケーション能力の育成」です。コミュニケーション能力を身につけさせるためには様々な言語活動を授業に取り入れなければなりません。中学校の学習指導要領には,言語活動に関して,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことの技能ごとに指導すべき事項が明記されています。指導事項として挙がっているのは各技能に5つずつです。それぞれ2つずつを例として取り出してみます。
ア 聞くこと
(エ) 話し手に聞き返すなどして内容を確認しながら理解すること。
(オ) まとまりのある英語を聞いて,概要や要点を適切に聞き取ること。
イ 話すこと
(エ) つなぎ言葉を用いるなどのいろいろな工夫をして話を続けること。
(オ) 与えられたテーマについて簡単なスピーチをすること。
ウ 読むこと
(イ) 書かれた内容を考えながら黙読したり,その内容が表現されるように音読すること。
(オ) 話の内容や書き手の意見などに対して感想を述べたり賛否やその理由を示したりなどすることができるよう,書かれた内容や考え方などをとらえること。
エ 書くこと
(エ) 身近な場面における出来事や体験したことなどについて,自分の考えや気持ちなどを書くこと。
(オ) 自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように,文と文のつながりなどに注意して文章を書くこと。
いずれの事項も短期の指導で身につけさせられるものではありません。この中には「ウ 読むこと」の(イ)に書かれている「その内容が表現されるように音読すること」のように,教科書の本文を扱う際に指導していくのがよさそうな活動もあれば,「イ 話すこと」の(エ) の「話を続けること」のように,教科書を扱う際ではなく,帯活動として継続的に指導した方がよさそうな活動もあります。帯活動を設定することで生徒の特定の英語力をぐんぐん伸ばすことができます。たとえば,教師の示すトピックにしたがって5文程度の書く活動を毎回行えば,ライティング力をぐんぐん伸ばすことができます。200語程度の英文を毎回読ませれば, リーディング力をぐんぐん伸ばすことができます。
私は授業の最初に「コミュニケーション・タイム」という名称の帯活動の時間を設けています。この時間には主に聞くこと・話すことの活動を設定しています。小学校で行う外国語活動では,I like 〜.やI play 〜.などの型をもとにした活動が多いと思います。中学校では,まとまった内容のことを話したり,相手の言ったことに対して適切に応答したり,話を続けたりすることが求められています。これらの力をつけるためには帯活動を利用した継続的な活動が有効であると感じています。本書では,コミュニケーション・タイムで行った数々の活動の中から,生徒の英語力やコミュニケーション能力をぐんぐん伸ばすのに有効であった13の活動を紹介いたします。
本書は,Chapter1「コミュニケーション・タイムで始める!英語授業」,Chapter2「コミュニケーション・タイムにできる!13の活動」という2部構成となっています。
Chapter1では,コミュニケーション・タイムを設定した理由や3年間の活動例を活動計画表で示しています。どのような活動を,いつ,どのくらいの期間行っているのかを例示していますので,帯活動の計画を立てる際の参考にしてください。
Chapter2では,活動計画表で示した13の各活動について,>>活動の説明と>>指導手順の2つの項から説明しています。>>活動の説明では,活動そのものを説明するだけでなく,その活動に関連する他の実践についてもなるべく紹介するようにしました。>>指導手順では, 指導する際のノウハウについても触れるようにしました。また,活動に必要なワークシートも添えています。本書に載せているワークシートはすべて私が生徒のために作成し,実際に使用したもので,一部のワークシートを除いて一切の修正を行わずにそのまま載せています。ワークシートには「Enjoy English 」という言葉がタイトルのようについています。これは「英語を楽しみながら学んでほしい」という願いからつけています。また−〇〇〇〇−のようにありますが,生徒がファイルした後で,一見してどんなワークシートなのかわかるようにつけたものです。活動名をそのままつけたものもあればそうでないものもあります。ドリル活動,文法のまとめ,リーディングのテキスト,インタビュー活動のワークシートなど,私の作成したほとんどのワークシートがこのフォーマットになっています。
本書で紹介している一部の活動は,2003年に刊行した『到達目標に向けての指導と評価』(拙著,教育出版),2006年に刊行した『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(拙著,明治図書),2008年に刊行した『中学校・高校 英語 段階的スピーキング活動42』(ELEC 同友会英語教育学会実践研究部会編著,三省堂)と重複しますが,その後に行った新たな実践やより詳しい説明を加えています。これらの書籍も参考にしていただくと, より段階的な指導ができるかと存じます。
最後になりましたが,本書の刊行に当たって,ご助力をいただきました明治図書の木山麻衣子氏に心より御礼申し上げます。
平成21年5月 千代田区立九段中等教育学校 /本多 敏幸
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- 明治図書
- よい2020/10/2020代・中学校教員
- 新学習指導要領実施に向けて移行措置対策を計画していました。そんな中で、今まで数ある本多先生の書籍の中でもわかりやすく、読みやすく、すぐに授業に使えて、しかも4技能が網羅されているワークシートが13種類も付いている英語教師必携のワークシート本です。前半の年間指導計画の作成例や10〜15分でのコミュニケーション活動の設定の仕方など勉強になります。メインのワークシートは各学校の実態に合わせてほんの少しアレンジすれば、通常授業や研究授業にも応用が利きます。永久保存版となる1冊です!2009/10/30GP