教師の指導力を高める9
優しさと思いやりの育つ音楽科グループ学習
音楽科学習集団の理論と実践

教師の指導力を高める9優しさと思いやりの育つ音楽科グループ学習音楽科学習集団の理論と実践

好評15刷

子どもの側に立った音楽科グループ学習指導の指針や方法が具体的にわかりやすく示されていると同時に,音楽科の授業理論を実践を踏まえて解説。


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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-750601-2
ジャンル:
音楽
刊行:
15刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 192頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年12月13日
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目次

もくじの詳細表示

推薦のことば……広島大学教育学部教授 /千成 俊夫
心の教育にせまる……東京芸術大学音楽学部教授 /山本 文茂
まえがき
第1部 理論篤
T 音楽科学習集団の課題
§1 学習集団から持続性のある強力なエネルギーを
§2 成員相互の十分なやりとりと協働を
§3 仲間と共通の感情を交し合う学習集団を
§4 いじめのエネルギーを文化的エネルギーに
§5 心の結びつきを強めるような音楽技術の獲得を
U 音楽学習の集団的性格
§1 学習の集団的性格
§2 音楽することの集団的性格
§3 音楽をやりとりすることの集団的性格
V 音楽科協同学習の考え方
§1 音楽学習の集団的・体験的性格
§2 音楽学習における芸能的機能と芸術的機能
§3 音楽学習における集団形成的機能の重要性
W 音楽科協同学習の授業構想
§1 音楽科協同学習における指導(学習)目標の構造
1 子どもの学習権の保障――大目標
2 協同学習の指導(学習)目標――4つの小目標
§2 音楽科協同学習の授業構造
第2部 実践篇
T 音楽科グループ学習の指針
§1 グループ学習で培う学習態度
1 自らで学習が組織できる班をめざして――自立性
2 全員が等しく学習に参加できる班をめざして――民主性
3 内からのエネルギーにあふれた活動ができる班をめざして――内発性
4 心身のすべてをかけて活動できる班をめざして――全我性
5 常により高い水準を求める班をめざして――価値追求力
6 はりつめたやりとりのできる班をめざして――相互作用力
7 より高い音楽,よりよい集団にするための方法を考え合う班をめざして――方法探求力
§2 グループ学習の授業過程と一斉学習の位置づけ
§3 グループ学習の手順
§4 グループ学習の形態
§5 グループの編成
U 音楽科グループ学習の分野
1 読譜練習及び表現活動――楽譜を媒介にした仲間意識の育成
2 アンサンブル
3 融合的・統合的活動
4 創 作
5 鑑 賞
6 課題研究
7 反省会
V 音楽科グループ学習における教師の役割
§1 グループ学習と発達段階
§2 教師の姿勢
1 子どもに親近感をもたれる先生
2 子どもとともに考える先生
3 子どもにとって公平な先生
4 技術だけでなく,音楽は心を表現したり理解したりするためにあることをも教えてくれる先生
§3 教育方略の工夫
§4 指導・運営上の留意点
1 活動場所
2 騒音の問題
3 他教科とのバランスを考えた学習
4 放課後や家庭での活動
5 学級活動などとの運携
W 音楽科グループ学習におけるコミュニケーションの技術
§1 心の伝え方
1 隊形の工夫による仲間意識の育成
2 運動機能を働かせた音楽活動の促進(心通う手拍子の叩き方)
3 顔の表情の豊かさを大切にした取組み
4 相互理解と価値追求を育むことばづかい
§2 ことばのやりとりのし方
1 「集団を意識した発言形式」
2 音楽科グループ学習におけるリーダーの発言形式とその展開
X 音楽科グループ学習の指導技術
§1 集団を高めるための方法
1 「集団目標の明瞭化」
2 「集団の分化と統合(構造化)」
3 「集団基準の確立」
4 「許容的な雰囲気の醸成」
§2 やる気を育てるための方法
1 拡散的好奇心
2 特殊的好奇心
3 特殊的好奇心を引き出す教育技術
4 達成への動機づけ
5 相互交渉への動機づけ
Y 音楽科グループ学習の計画
§1 カリキュラムの構成
§2 学習の構え
§3 グループ学習の実践過程と「学習計画表」
Z 音楽科グループ学習の実際
1 小学校低学年(1年生)の事例
2 小学校中学年(4年生)の事例
3 小学校高学年(5年生)の事例
4 中学校1年生の事例
5 中学校2年生の事例
[ 音楽科グループ学習の評価
§1 グループ学習の授業評価
1 個人に対する音楽的評価
2 集団に対する音楽的評価
3 個人の社会化に対する評価
4 集団の質的向上に対する評価
§2 協同学習に対する実践の総括的検討
\ 結びにかえて ――「優しさ」の伝え合いをめざして
§1 未来における分かち合う音楽文化の優れた担い手を育てる協同学習
§2 音楽学習における「優しさ」の構造
§3 「優しさ」を伝え合う協同学習
1 演奏中が楽しく,演奏後に喜びが残る音楽体験
2 能力の差が問われず,取組みのまじめさを大切にする音楽学習
3 誠実に自分(たち)の音楽を演奏し,聞き上手な音楽活動
4 内に凝集し,外に手をとり合う音楽活動
あとがき

まえがき

 これまで,多くの小・中学校では,子どもたちの主体的な取組みを促すために,音楽の授業にグループ学習を取り入れてきた。しかし,彼らが自らの心をつき動かして,助け合いながら,十分に学習目標を達成するような,実りある学習活動はなかなか生まれにくく,その打開策に苦慮されている先生方も少なくないのではないだろうか。

 本書では,日々,グループ学習の必要性を感じながらも,いろいろな悩みをかかえて困っておられる教師の皆様方のために,指針やいろいろな教育方法を具体的に,しかも総合的に提示することによって,多少なりとも役立つように努めたつもりである。

 また,今日ほど,学校教育に対してさまざまな批判や問題提起がなされ,「いじめ」や「校内暴力」などにみられるような子どもたちの心の荒廃を払しょくするための方法が模索されている時代はない。

 音楽科がそういった問題の解決に資するためには,相互信頼と相互扶助に満ちた学習活動の中で主体的に音楽に取り組む子どもたちを育成し,ひいては子どもの真の音楽文化,生活文化の創造に一定の役割を果たすようにならなければならない。この著書のねらいの核心は,まさに,ここにあると言ってよいだろう。

 そして,このような授業を行うためには,当然のことながら,教師は「教え上手の先生」であるだけでなく,「子どもを動かすことの上手な先生」にならなければならない。そのために本書では,教育方法学,社会心理学,内発的動機づけの理論など,先進諸科学の成果に学びながら,科学的,組織的な方法論を確立する方向で,音楽科協同学習の理論とそれを具現化するための教育方法や学習方法を提起したつもりである。

 これが踏台となって,今後,学術的に協同学習論が活発に展開されると同時に,教師の方々による教育実践に豊かな実りが生まれるならば,誠に幸せである。


   /竹下 英二

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