- まえがき
- 第1章 小学校英語ゲームをウルトラ活用 カッコいい英語の教え方
- 1 キーワード・ゲーム
- 〜外国語活動の定番ゲーム〜
- 2 ミッシング・ゲーム
- 〜外国語活動の定番ゲーム〜
- 3 数字ビンゴ・ゲーム
- 〜外国語活動の定番ゲーム〜
- 4 マスター・マインド
- 〜応用自由自在〜
- 5 20を言ったら負け・ゲーム
- 〜応用自由自在〜
- 6 3ヒントクイズ
- 〜たくさん聴かせることがねらい〜
- 7 ステレオゲーム
- 〜班対抗の英語ゲーム〜
- 8 Odd One Outゲーム
- 〜仲間外れゲーム〜
- 第2章 小中連携って何をすることなの? 小学英語の使えるパーツを活用 カッコいい授業をしよう
- 〜連携のポイント〜
- §1 まずは!小学校外国語活動の目標は言えますか?
- 〜小中連携の前にやるべきこと〜
- §2 中学校外国語科の目標は?
- 〜まず教科のプロとしてこの程度は……
- §3 中学英語の目標「外国語を通じて」の後は?
- 〜「3つのキーワード」+「育てたい力」が続く〜
- §4 なぜ「……など」なのか?
- 〜他にどんなコミュニケーション能力があるのだろうか〜
- §5 では,小学校外国語活動の目標は言えますか?
- 〜小中連携の前にやるべきこと〜
- §6 小学校外国語活動の目標は?
- §7 小学6年生の授業感想から見えてくる小中連携のポイント
- §8 「連携」ってそもそも何をすることなの?
- 〜1冊の本の中から大きなヒントが!〜
- §9 では連携のやり方や方法はどうするの?
- 〜連携って何をすることか〜
- 第3章 小学校英語との違いはここだ! 覚えこませる授業
- 〜中学校英語の役割を意識した授業の工夫@〜
- 1 ペアにする
- 〜もっとも簡単な覚えこませる活動〜
- 2 テストをする
- 〜これだけで大方の生徒は覚える〜
- 3 列指名をする
- 〜チェック機能〜
- 4 覚えたら座ろう!
- 〜まさしく覚えこませる活動〜
- 5 書かせる
- 〜「書く」と覚える!〜
- 6 暗記させる
- 〜まさしく覚えこませる活動〜
- 7 指導過程を細分化する
- 〜覚えさせたいことを分ける〜
- 8 チャンクに分ける
- 〜これも細分化〜
- 9 覚える量を減らす
- 〜これも!細分化の法則〜
- 10 意味付けをする
- 〜学習内容にこじつけて〜
- 11 チェックする
- 〜途中で達成度をチェックする〜
- 12 指で書く
- 〜鉛筆ではなく,指で書く〜
- 13 予備テストをする
- 〜覚えさせたいポイントを提示する〜
- 14 少しずつ消していく
- 〜古典的な方法〜
- 第4章 小学校英語との違いはここだ! 定着させる
- 〜中学校英語の役割を意識した授業の工夫A〜
- 1 英単語の定着システム
- 〜4回の繰り返し〜
- 2 なぜ英単語4回の繰り返しなのか?
- 〜脳科学に基づく繰り返し〜
- 3 英会話も繰り返し
- 〜すらすら英会話の提唱〜
- 4 学年をまたいだ文法の定着
- 〜規則を整理し,繰り返して登場させること〜
- 第5章 ICTを活用して,カッコよく英語を教えよう!
- 1 ゴングタイマーを使う
- 〜定期的にゴングがなる優れもの!〜
- 2 インタビュー活動の後には,パワポで結果発表
- 〜大爆笑の発表会に〜
- 3 パワポに音楽をのせてみよう
- 〜リズム英単語!〜
- 4 Google Earthで自己紹介
- 〜空からの画像で自分の住んでいる町!〜
- 5 メトロノームで単語の繰り返し
- 〜リズムに乗って英単語をリピートしよう!〜
- 6 タイマーをパワポで作ってしまおう!
- 〜リズムに乗って英単語をリピートしよう!〜
- 7 カウントダウンタイマーを作ってみよう!
- 〜リズムに乗って英単語をリピートしよう!〜
- 8 タイマーの手法で自作のフラッシュカードを作ろう!
- 〜リズムに乗って英単語をリピートしよう!〜
- 第6章 中1英語との出会いをカッコよく演出する!
- §1 教室に入ると……
- §2 実態把握
- 〜児童がどんな英語を知っているのか〜
- §3 ここで改めて自己紹介をする
- §4 アルファベットの大文字を扱う
- §5 数字ビンゴ
- あとがき
まえがき
小学校で本格的に英語(外国語活動)がスタートした。
これからは,この小学校英語の上に立っての中学校英語という視点は無視できない。
積み重ねていくのである。
それも全然違う方法で……。
小学校では,「体験的に」とか,「慣れ親しませ」とか「素地」といったことが授業づくりのキーワードであり,そこがねらいとなっている。
一方,中学校では,「わかる」とか「できる」とか「定着」といったキーワードが授業のキーワードとなり,ねらいとなる。
両者のねらいは,全く違うのである。
例えば,同じ活動のキーワードゲームをやっても,小学校では「語彙に慣れ親しむ」がねらいとなるが,中学校では「正しく発音することができる」「語彙を覚える」といったねらいとして行う。
簡単に言うと,小学校のねらいは「慣れ親しむ」であり,中学校では「覚えこむ」「定着する」というねらいとなるのである。
ここが大きな違いでもある。
6年生の最後の授業で卒業スピーチを行った。
児童は次のような文を発表した。
Hello.
My name is......
I am 12 yeas old.
My birthday is......
I like......
I have......
This is the......
I like it very much.
I can play......
But I can’t play....
I want to be a....... in the future.
Because I like....(I want to......)
Thank you.
太字のところは必ず言うように指示する。
あとは児童が好きな文を使って言っていく。
もちろん児童は何も見ずに行う。
ジェスチャーを入れ,全員が前に出てきてスピーチする。
方法は,指名なしスピーチである。
やりたい子が前に出てきて,スピーチし,全員時間内に終える。
おどおどすることなく,全員が“英語で”スピーチする。
今の時代,このようなスピーチができる6年生が中学に入学してくる。
ある男の子は,カメラを片手に撮影している私に向かって,「先生,なんかこういうの面白くなってきた」と言ってきた。
前に出てスピーチをすることが面白いと言ってくるのである。
数年前までは,中学1年は「入門期」と言われていた。
私は「接続期」(=連携期)と呼ぶ。
この接続期のイメージとしては,小学校でやったことの上に中学校に学習内容を「積んでいく」という発想ではなく,「重ねる」という発想になる。
煉瓦のように積み重なるのではなく,「重ねて」いくのである。
それが“接続期”であり,“連携”を意味するところである。
(図省略)
その接続期に,中学教師はやることがたくさんある。
1つは,もちろん
「楽しい授業をすること」
である。
何事も楽しさから学習が始まる。
小学校英語は楽しいの連発である。
中学校はその上に立って,楽しい(fun)から,面白い(interesting)に変えていかなくてはいけない。
2つ目は,
「英語の学習技能を身に付けさせること」
である。
卒業スピーチが終わり,私は児童に言った。
これから中学に行って英語を勉強するけれど,中学に行くと教科書が配られます。
英語はたくさん言ったほうが身に付きます。
教科書をたくさん音読しなさい。
1ページ50回くらい読みます。
暗記できたらもっといいです。
また,たくさん書きなさい。
自学ノートにたくさんたくさん英語を書きなさい。
先生が教えた子で3年間で60冊を超えた生徒がいました。
たくさん「読み」「書き」なさい。
英検もあるので挑戦してください。
というような話を2分くらいでやった。
学習する「技能」を中学1年で身に付けさせるのである。
3つ目は,「文字」の導入である。
小学校では音声中心に行ってきた。
文字の読み方をどう教えるか……。
文字の書かせ方をどう教えるか……。
音声中心から文字指導をどう接続させるか……である。
そういった意味で,
小中英語連携
は絶対に必要なのである。
本書は,『中学1年英語授業をリズムとテンポでカッコよくする50の方法』と題し,小学校英語を踏まえた中学1年の明るいスタートを目指して,コミュニケーションとしての体験的な導入方法に視点をあててみた。
どうぞ最後までお読みいただき,やってみてのご感想などいただけると幸いである。
/瀧沢 広人
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- 明治図書
- 単調になりやすい、基礎の学習を、楽しくゲーム形式で行うことができた。参考になりました。2024/1/550代・中学校教員
- 小学校英語での活動を中学校英語でも応用できることがわかりました。2019/7/2040代・女性
- 英語を使った面白い活動が満載。実際に生徒の前でやってみたくなるような内容です。それでいてしっかり力が付く裏付けがあります。良書です!2018/12/24ヨッシー
- 中学校1年生が楽しく学習できる活動が満載。中一ギャップへの対策にもなります。2017/4/29ヨッシー