ビギナー教師の英語授業づくり入門4
新卒1年目 授業崩壊に至らない必須ワザ13

ビギナー教師の英語授業づくり入門4新卒1年目 授業崩壊に至らない必須ワザ13

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これで授業が安定する―新卒1年目で身につけたい基本ワザ

新卒1年目で身につけたい英語指導の基本技を、フラッシュカードの使い方、音読の基本パターン、英単語ビンゴのやり方などの具体例で明示。英文法指導の基本技は、導入法・練習法・まとめ整理法という段階ごとに指導ポイントをわかりやすく紹介。


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ISBN:
978-4-18-733428-8
ジャンル:
外国語・英語
刊行:
6刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 “新卒1年目で”身につけたい英語指導の基本技「初級編」
〜10時間でマスター 英語指導の基本技〜
第1時間目 フラッシュカード
〜持ち方とめくり方をマスター〜
§1 カードの持ち方&めくり方 〜真ん中を持つ。後ろから前に送る〜
§2 フラッシュカードの基本パターン 〜9つのステップで〜
第2時間目 音読指導
〜音読基本パターンの流れ〜
§1 音読指導のねらい
§2 音読指導の「基本パターン」
§3 「個人練習の時間」を与える
§4 音読チェックをする
§5 楽しい音読活動のバリエーション
第3時間目 英単語ビンゴ
〜英単語ビンゴのやり方〜
§1 英単語ビンゴをなぜやるのか? 〜楽しい,単語力,聞く力〜
§2 英単語を授業中に写す 〜授業中に写すから,全員参加できる〜
§3 BINGOのやり方@ 〜シートに単語を書き写させる〜
§4 BINGOのやり方A 〜実際のBINGOゲーム〜
§5 BINGOのやり方B 〜英語ゲーム得点板を用意する〜
§6 実際の授業では……
第4時間目 机間指導をする
〜生徒を診ているか?〜
§1 生徒の中に入りこみ,生徒を知る 〜主に,ねらいは,「ほめる」こと〜
§2 歩く順番を決める 〜能率よく,全員の生徒を見てまわるために〜
§3 「目線」を確保する 〜近くを観察しつつも,遠くの生徒を見る〜
§4 「立ち位置」を考える 〜教室を支配するのは,教師である〜
§5 個別支援を必要としている生徒への指導 〜言葉でなく,優しい援助を〜
第5時間目 生徒をほめる
〜生徒をほめ,授業にノセる〜
§1 生徒の人数分,ほめ言葉を用意する 〜生徒を育てるために,ほめる!〜
§2 豊かな“ほめ言葉”は,活動の豊かさから…… 〜生徒の活動がほめるチャンスを増やす〜
§3 活動場面でのほめ言葉 〜ほんの小さなことでもほめてあげる〜
第6時間目 言葉を削れるか!?
〜指示の言葉は短く〜
第7時間目 指名の仕方をマスターする!
〜授業に緊張感と達成度の評価〜
§1 テンポよく指名をする 〜生徒の達成度を測る〜
§2 指名の仕方@ 〜会話指導の場面で「指名カード」を使う方法〜
§3 指名の仕方A 〜「列指名」で指名を行う方法〜
第8時間目 すらすら英会話の“手法”をマスターする
〜生徒に英語を話させる〜
§1 すらすら英会話の手法をマスターする
§2 すらすら英会話のスタート1時間目 〜ゆっくり時間をかけて指導する〜
§3 すらすら英会話の第2時〜第3時 〜復習音読をしたら,即ペア〜
§4 すらすら英会話の第5時 〜レベルアップをはかる〜
§5 すらすら英会話の第6時〜第7時 〜さらにレベルアップをはかる〜
§6 すらすら英会話の成果を試す@ 〜教師への質問・教師からの質問〜
§7 すらすら英会話の成果を試すA 〜インタビューテスト〜
第9時間目 オーラル・イントロダクションをマスターする?!
§1 まず,何を伝えたいか,考える 〜生徒に理解させたいところを教材研究〜
§2 オーラル・イントロダクションの実際
§3 内容聞き取りの確認 〜理解度の確認は,いくつでもある〜
§4 オーラル・イントロダクションの留意点 〜教材研究をせよ,そして選ぼう〜
第10時間目 内容理解の方法
〜音読後の内容理解〜
§1 入試を意識して 〜指示語,英問英答の問題〜
§2 生徒に問題を作らせる 〜表現力を視野に入れ〜
第2章 「英文法」指導の基本技「初級編」
〜3時間でマスター 文法指導の基本技〜
第1時間目 導入法を身につける!
〜理解させるところまでが「導入」である〜
§1 導入とは理解させるところまでが導入である 〜単に引きつければいいのではない〜
§2 導入法のいろいろ@ 〜写真を使う〜
§3 導入法のいろいろA 〜スキットを使う〜
§4 導入法のいろいろB 〜「絵」を描かせる〜
§5 導入法のいろいろC 〜「カルタ」で文型を導入する〜
§6 導入法のいろいろD 〜「手品」を使って導入する〜
§7 導入法のいろいろE 〜「新聞を使った」導入事例〜
第2時間目 展開(練習)法を身につける!
〜練習させる〜
§1 練習法のいろいろ@ 〜「ゲーム」を利用した練習事例〜
§2 練習法のいろいろA 〜「ペアワーク」を利用した練習事例〜
§3 練習法のいろいろB 〜「英文変換型」〜
§4 練習法のいろいろC 〜絵を見て英文を言う「状況設定型」〜
第3時間目 まとめ(整理)法を身につける!
〜文法を整理する〜
§1 まとめ@ 〜板書する〜
§2 まとめA 〜練習問題を出す〜
§3 まとめB 〜プリント(問題集)で,さらに深める〜
あとがき

まえがき

  授業の基本技を身につけると授業が安定する


 今年の実習生を受け持ち,強くそう感じた。

 今まで,何度となく教育実習生を受け持った。

 たった3週間の教育実習ではあるが,実習生の吸収力はすごい。

 教えたことが次の時間には,さりげなくできてしまうのである。

 多少は,ぎこちなくても,その身につけ方はすごいと感じた。

 当然ながら,いっぺんにあれこれと指導はできない。

 アップアップしてしまう。

 そこで,重要な指導技術から1つ1つ教えていく。

 例えば,「フラッシュカードの使い方」,「音読のさせ方」,「机間指導の仕方」,「指名の仕方」,「英単語ビンゴのさせ方」,「オーラルイントロダクションの仕方」などなど……である。


 教育実習の1週間目。

 実習生は,私の授業,そして同僚の授業,他教科の授業を参観する。

 ちなみに私の授業では,1週間目の後半から,授業の一場面で,少しずつ授業を体験させていった。

 例えば,英単語ビンゴをやる。

 そのときに,実習生に単語を読ませる。

 やはり,多少,私の読みとスピード,テンポや間が違ってくる。

 そこで,授業後に,ビンゴの読みのポイントを指導した。

 同様に,音読もやってもらった。

 しかし,教師の目が教科書の英文にいってしまい,生徒を見てない事実に気づいた。

 そこで1週間目の終わりの金曜日。

 いよいよ次週から授業をやるという放課後に,会議室で50分間,授業の練習をした。

 メニューは,「フラッシュカード」と「音読」であった。

 私が指導したかったことは大きく1つ。


  生徒が読むときには,生徒を見る


ということであった。

 たったそれだけであるが,授業が大きく変わる。

 教師らしく(?)なるのである。

 今までフラッシュカードばかり見ていた目線が,生徒の方を向くと,それだけで生徒にプレッシャーを与えることができる。

 生徒のほうを見るのである。

 これは音読場面でも共通して言えることであった。

 教師が英文を読んでいる間は,教科書に目がいってもよい。

 しかし,生徒が読むときは,生徒を見る。

 しっかり言えているか,生徒を観察しなくてはいけない。

 できることなら,教師が読むときも生徒のほうに視線を与えるほうがよい。

 このような基礎練習を行い,授業に臨んだ。

 概ね,上手にクリアーできていた。

 すると次の課題が見えた。


  個別評定


である。

 フラッシュカードで単語を読ませて終わっているのである。

 フラッシュカードで単語を読ませるのは,「単語を読めるようにさせる」という目的がある。

 だとしたら,その目的が達成できたか,できていないか確認しなくてはいけない。

 つまり,練習したあとに,1人1人読ませてみるなどの「個別評定」が必要になってくる。

 そして,それを指導した。

 このように,授業にとって必要な“技”を,必要な順番から,1つ1つ技能を身につけさせ,授業の型を創っていった。

 そして,3週間目の研究授業。

 生徒の助けもあったであろうが,非常によくできていた。

 参観されていた先生方の評価,校長の評価もよかった。

 私自身,最初は記念に……と思い,デジカメで写真を撮ってあげていた。

 しかし,その後,なかなか上手にできている姿を見て,録画に切り変えた。

 授業の後半では,スマートボード(電子黒板)を使い,グーグル・アースで万里の長城を見せ,長さをメジャーで測り,巨大さをインターネットの衛星写真で見せていた。

 そこらへんの活用も見事であった。

 基本指導ができると,余裕が出るのである。

 ほかのことにも,目がゆくのである。

 授業の基本型を身につけることは,そんなに難しいことではない。

 1つ1つ,授業で必要な技能をマスターしていけば,だれでも1年間もあれば,プロの技を身につけていける。

 教師が学ぶか学ばないか……の差である。

 自分が教師として,センスがあると思っている人は,伸びない。

 授業が下手で,生徒に申し訳ない……と思う教師は,伸びる。

 そして,本やセミナーで学び,そしてサークルに参加する。

 本書は,書籍で伝授する“英語指導のプロの技”を,身につけるべきものから記していった。

 ぜひ,授業の参考にしていただければ,幸いである。


 第1章では,「“新卒1年目で”身につけたい英語指導の基本技『初級編』」と題し,ごくごく基本的な知っていてほしい指導技術について紹介し,安定した授業が展開できるように記した。


 第2章では,英語授業の要である,「文法指導の技」について述べる。そこには,「いろいろな導入方法」から,「展開(練習)」,「まとめの仕方」まで,新卒1年目でも,なんとかこれだけは身につければよいというものをあげた。

 1つ1つの指導技術を知り,学び,そしてそれらを授業で活用し,自分なりに工夫を凝らし,日々実践していく中で,自分らしさができ,授業に自信が持てる。

 やはり,教師も日々,向上するために勉強は欠かせない。


   /瀧沢 広人

著者紹介

瀧沢 広人(たきざわ ひろと)著書を検索»

1966年1月 東京都東大和市に生まれる。1988年3月 埼玉大学教育学部卒業。1988年4月 埼玉県秩父郡皆野町立皆野中学校勤務。1993年4月 埼玉県秩父郡小鹿野町立長若中学校勤務。1997年4月 ベトナム・ホーチミン日本人学校勤務。2000年4月 埼玉県秩父市立尾田蒔中学校勤務。2003年4月埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野中学校勤務。現在に至る。教育技術の法則化運動に学び,現在は,TOSS型中学英語研究会で勉強中。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 新卒1年目とは言わずに、英語教師ならば読んでおいて
      得ばかりである。

      読んで共感できるところが多い。

      自分の実践と比較しながら、自分の授業を振り返るにも
      良い機会となるだろう。

      ぜひ一読を!!
      2009/2/8新米英語教師

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