音楽教育の診断と体質改善

音楽教育の診断と体質改善

音楽感覚指導段階表と音楽能力実音テストにまとめた本書は豊富な現場経験を生かし,「音楽ことばによるふしづくり」で新しい音楽教育を目指す。


紙版価格: 1,870円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-731348-6
ジャンル:
音楽
刊行:
16刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
予定なし

目次

もくじの詳細表示

序 文
お読み下さる先生方へ
T 音楽教育の症状編
― 子どもの音楽感覚(能カテストより)―
U 音楽教育の診断編
1 音楽教育観のあやまり
1 「人間形成」という目標だけあって歩く道も歩く速度も不明の教科
2 “楽しく”の合いことばとは逆に最も多く音楽嫌いをつくっている教科
3 ひとりひとりの子どもの能力はいっさい不明のまま過ごす教科
4 常に教師が命令し,子どもはいつもうけたまわる教科
5 記号→説明→音と実物がいちばん後にくる教科
6 発表会のための音楽(子どもと曲とどちらが大切か)
7 母国のない音楽教育
V 音楽教育の治療編
1 音楽教育上の盲点とその対策
1 能力と知識(感ずると考える)(できるとわかる)の差
2 具体から抽象へ(楽譜は,音楽の影絵にしか過ぎない)
3 目標と,行く道と,歩く速度(音楽能力指導段階表)
1 メロディーA(フレーズ感)
2 メロディーB(聴音記譜と問答唱奏)
3 リズム A(身体反応)
4 リズム B(基本リズムフレーズ)
5 ハーモニーA(調性感)
6 ハーモニーB(和音感)
7 速度
8 強弱
9 音色
4 楽しいということ
1 音楽の流れを感じる力
2 生きた表現をする力
3 うたを覚えるということ
4 自分の力で一だん上がるよろこび
5 音楽全体とそれを構成している諸要素との関連
6 音楽を構成する各要素の性格
7 みんなの子どもを みんなの先生で育てよう
8 教と育 教=育ではない.教育の語源は「引き出す」だという
9 授業法と子どもの音楽力
10 感動と能力について
2 音楽の授業法(パターン)
1 音楽の授業法(パターン)による指導例
第1次
第2次
第3次
2 第1次・第2次・第3次を通じて努力すべきこと
W 音楽教育の体質改善編
1 「ふしづくり」の音楽教育へ
1 教材とは
1 教材には,音楽内容での系統が存在しない
2 教材と関連したドリルには無理がある
2 音楽ことばについて
1 音楽ことばとは
2 音楽ことばの性格
3 音楽もことばの集りにしかすぎぬ
4 音楽ことばを発展させるには
3 音楽ことばの完成から表記へ,そして楽譜指導へ
4 音楽教育の土台を支える「ふしづくり」の教育
1 「ふしづくり」の30段階コース(創作指導の一本道)
2 教材とふしづくりの一本道との取り扱い時間の配分
3 途中の学年から開始した場合の諸注意と時間配分
4 「ふしづくり」の授業例(将来の予想される授業のパターン)
5 「つくる教育」の価値
2 国楽の創設
X 資料編
1 音楽能力の調査について
1 何を調査するのか
2 音楽能力調査は音楽教育上どんな位置づけをしたらよいか
3 音楽調査のねらい
2 音楽感覚実音テスト
3 能カテスト・集計方法とその結果の利用法
1 集計方法
2 結果の利用法(前頁,使い方)
4 音楽ことばの表(最少限の数を指導しやすい順序に並べたもの)
5 音楽ことばの基本とその変化
6 この本に引用した諸資料の連絡先
あとがき

序文

 遂に出るべきものが出たというのが実感である.日本の義務教育の中の音楽科指導,それも具体例を示しての解明に,これ以上適切な著書はないと確信する.現場での経験,指導主事としての経験,更に県や文部省の研究指定校を指導され,類のない成果をあげられての確信からのまとめである.時には手厳しく,時にはユーモアたっぷりに,よみものとしても充分楽しませてくれる例話や,他教科との比べ合いなど,私はさし迫った仕事を抱いているのに,その時間を奪いとり,他に不義理をしながらも,遂に最後まで巻を措くことができなかった.たいてい序文などというものは,結婚式のスピーチと似たりよったりのお世辞半分のことが多いが,この著は全く違う.量が少ないので,エッセンスとその周辺ぐらいのうらみがあるが,少なくとも音楽(義務)教育の基本をもののみごとにぴたりとおさえている.これをよんで反省し,共感し,現場に下ろしてみようという意欲を起こさない教育者はないだろう.殊に強味を発揮するのは,従来の誤った音楽教育の“概念”から不死鳥のごとくよみがえり,すさまじいほどの気魄で思うところを実地指導されていくところである.この小冊子はやがてもっともっと肉付けされて,かゆいところへ手がとどくように大増補されねばならない.それくらいほとんど一気呵成にまとめ上げたようにも思える気合のこもった本著である.願わくは,校長という管理職勤めのそのもう一つ奥に「本著を育てる」覚悟をしていただきたいものである.私はここに声を大にして,日本の音楽教育関係者全部は本著を必ず読み,そして実地に下ろしていただきたいとお願いしたい.


   /松本 民之助

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