- 刊行のことば
- まえがき
- 第1章 指導手順のイメージをこう構想する
- 1.「平泳ぎ」「クロール」で25m泳げる10のステップ
- 2.各ステップはこのように行う
- @ ステップ1 水中歩行 25m
- A ステップ2 背浮き 3分
- B ステップ3 ちょうちょう背泳ぎ 25m
- C ステップ4 クラゲ浮き 10秒
- D ステップ5 ダルマ浮き 10秒
- E ステップ6 け伸び 10秒
- F ステップ7 ボビング 20回
- G ステップ8 連続ダルマ浮き 30回
- H ステップ9 壁をもってのクロールの息継ぎ練習 4つのステップ
- I ステップ10 平泳ぎ,クロール25mへのチャレンジ
- 3.なぜ1〜10の「ステップ順序」になっているのか
- @ 「水中歩行(ステップ1)→背浮き(ステップ2,3)→伏し浮き(ステップ4,5)→伸びる(ステップ6)」とステップを踏むのはなぜか
- A 伏し浮きで伸びる(ステップ6)→水泳の呼吸法(ステップ7)
- B 連続ダルマ浮き(ステップ8)をする意味
- C 壁をもってのクロールの息継ぎ練習 4つのステップ
- 4.指導5つのコツ
- @ 「授業システム」をつくる
- A 授業に「リズム・テンポ」をつける
- B 「変化のある繰り返し」を使う
- C 「個別評定」をする
- D 絶えず「誉め,励ます」
- 5.各ステップは水泳の基礎感覚,基礎技能を育てる
- 〈基礎感覚〉
- @ 「楽しい!」感覚
- A リラックス感覚
- B 浮く感覚
- C 水平感覚
- D 流水感覚
- E 呼吸のリズム感覚
- F 前へ進む感覚
- G リズム感覚
- H 90度回転感覚
- 〈基礎技能〉
- @ 手のかき
- A 蝶々背泳ぎのリズム呼吸法
- B 伸びる技能
- C 呼吸技能(水泳の呼吸法)
- D 手と呼吸の共応技能(平泳ぎ)
- E クロールの呼吸技能
- F 手のかき技能(クロール)
- G 呼吸と手のかきの共応技能(クロール)
- 第2章 子どもに到達目標をどう示すか
- 1.「苦手な水泳ができるようになるページ」(ホームページ)を使ってイメージさせる
- 2.『「水泳」の教え方』(明治図書 ビデオ)をみてイメージさせる
- 3.教師が手本演示してイメージさせる
- 第3章 指導の実際
- 1.勤務校での授業
- 2.「水泳級表」「学習カード」システム
- 3.いつもと違う水泳の授業
- 4.第1日目
- 5.第2日目
- 6.第3日目
- 7.第4日目
- 8.第5日目
- 9.第6日目
- 10.第7日目
- 11.授業結果
- 第4章 水を怖がる子どもへの指導,3つのコツ
- 1.コツ1 「安心感」を与える
- 2.コツ2 少しの成長を「誉める」
- 3.コツ3 「水遊び」ゲームをする
- 第5章 「平泳ぎ」「クロール」の発展学習
- 1.「平泳ぎ」のテクニカルポイント
- @ カエル足の指導
- A 手のかきの練習
- 2.「クロール」のテクニカルポイント
- @ クロールのプル(手のかき)
- A クロールのキック(バタ足)
- 参考文献
- あとがき
- 解説 /根本 正雄
刊行のことば
学習指導要領が改訂され,基礎・基本の確実な定着が求められています。今回の学習指導要領では,指導内容の厳選と授業時数の削減がされています。体育も90時間になり,指導内容も減っています。
そういう中で,若い教師が悩んでいるのは体育の学習の基礎・基本は何なのか,それをどのように指導すればよいのかという問題です。
体育は教科書がありません。学校の実態に応じて指導するようになっています。各学校には年間指導計画が立てられていますが,単元名と教材名しか示されていない場合があります。経験のある教師なら指導できますが,若い教師には難しい場合があります。
本シリーズはそういう方々に,基礎・基本の内容と指導方法を示し,すぐ授業に役立つようになっています。指導内容は厳選し,1週間でマスターできる内容に絞ってあります。
1つの教材を細分化して,7時間でマスターできる指導内容と指導方法が紹介されています。体育指導のテキストになればと考えています。
「1週間でマスターできる体育教科書シリーズ」は次の内容になっています。
@ 7時間分の標準作業スケジュールが示されている。
A 5分刻みでの指導内容が示されている。
B 発展学習と補充指導の内容が示されている。
C 到達度を自己評価できる学習カードが示されている。
これまでは運動の領域毎について紹介されてきました。本シリーズではさらに細かい教材に分けてあります。それぞれの種目毎に分かりやすく指導のコツが紹介されています。
各巻の構成はおおよそ次のようになっています。
第1章 指導手順のイメージをこう構想する
第2章 子どもに到達目標をどう示すか
第3章 指導の実際
※ 15分パーツの5分刻みの指導ポイントが示されています。「あのA子がこう取り組んだ…」というようなドラマが紹介されています。
第4章 〇〇〇のつまずきとその指導
第5章 〇〇〇の指導のコツ
第6章 〇〇〇の発展学習と補充指導
1.発展学習 2.補充指導
第7章 〇〇〇の学習カードと教師の評価
上達のステップ(習熟過程)に即した具体的な指導法が紹介されています。基礎・基本の内容を基礎感覚づくり,基礎技能づくりで示し,上達のステップが示されています。そのため,指導の見通しが持てるようになっています。
またつまずきの診断をすることができ,どの子どもにも身に付けさせたい基本内容が示されています。診断シートにより個々の子どもの実態に応じて,発展のミニ教材と補充の指導ポイントが付いています。診断シートによる発展教材と補充の指導ポイント付きが,本シリーズの特色です。
指導のコツはつまずきに対応して示してあります。場づくり,補助の仕方や練習方法が具体的にイラスト,写真,図等で示され,分かりやすくなっています。
指導の実際では,どの学年で指導したのかが示されています。また,追試ができるように発問・指示の形で示し,どのような効果があったのかを具体的な数値や子どもの意識の変容で紹介されています。そのため,基礎・基本の確実な定着が図れるようになっています。
本シリーズ刊行にあたり,樋口雅子氏にはきめ細かなご指導をいただき,大変お世話になりました。深く感謝し,厚くお礼を申し上げます。
2003年7月 /根本 正雄
水中で行うゲームは、
子ども達に大好評でした。
一番人気は、「水中ねことねずみ」。
水を怖がる子が
怖さを忘れて必死なって泳ぐ姿に感動しました。