- はじめに
- 第T部 運動領域編
- /池田 延行(文部省体育局体育課教科調査官) /村田 芳子(岡山大学教授)
- 1 改訂のねらいは何か
- 「生きる力」と体育科の授業
- 2 改訂の基本的な考え方
- 心と体を一体としてとらえるということ
- 「体ほぐし」の考え方
- 「体ほぐし」の位置付け
- 3 改訂のポイントは何か
- 運動の取り上げ方を弾力的にしていく
- 運動の学び方を重視する
- 4 改訂で授業はこう変わる
- 運動遊びとしての「基本の運動」を重視する
- ゲーム領域・ボール運動領域が弾力化される
- 個人的なスポーツの領域はどう変わるのか
- リズムダンスが新たに示される
- 5 改訂で求められる研究課題
- 自然体験的活動を積極的に行う
- 「総合的な学習の時間」への体育の可能性
- これからの体育科の授業への期待
- カリキュラムの工夫に向けて
- 第U部 保健領域編
- /戸田 芳雄(文部省体育局学校健康教育課教科調査官) /佐藤 博志(埼玉県大宮市立春岡小学校教頭)
- 1 教育課程改善のねらい
- ねらいは実践力の育成
- ヘルスプロモーションの理念
- 健康をコントロールし,環境改善を目指す
- 2 改訂の重要課題
- 心身の健康課題から図る改善の視点
- 具体的な課題
- 改訂内容についての解説
- 3 改訂の具体的な内容
- 中学年の構成と内容
- 高学年の構成と内容
- 低年齢化している健康問題を考える
- 4 改訂で授業はどう変わるか
- 課題を解決していくような授業の展開
- 実践的な理解を図る授業
- 授業の具体的な実践例
- そのほかの実践例
- 5 改訂で求められる研究課題
- 課題解決的な学習の指導と評価
- 指導体制の工夫
- 「総合的な学習の時間」とのかかわり
- 年間指導計画の作成
- 各学校でのこれからの留意点
- 資料
- 1 体育・保健体育科の主な改善内容
- 2 小学校体育(運動領域)の内容の比較
- 3 学習指導要領新旧対照表
- 4 学習指導要領・総則
- 5 学習指導要領・体育
はじめに
来るべき21世紀を見通した教育改革が進められています。昨年12月には小学校の新しい学習指導要領も告示され,これからの学校や授業のイメージがおおよそ浮かんでくるように思われます。
今回の教育改革の大きなテーマは,「ゆとりの中で生きる力をはぐくむ」ことにあります。このことは,何よりも「学校や授業が楽しい,おもしろい」と,子供たちが生き生きと活動に取り組むことを目指したものです。
小学校の体育科の授業も,この「生きる力をはぐくむ」ことに積極的にかかわっていく必要があります。
このような状況の中で,本書は「これからの体育科をどう創るか」というテーマに向けて,運動領域,保健領域それぞれに対談形式でまとめたものです。今回の一連の教育改革や新しい学習指導要領について,改善のポイントや特徴的な内容を話し合っています。
運動領域では,心と体を一体としてとらえる観点からの「体ほぐし」の考え方,運動の取り上げ方の弾力化や新たに内容として示された「リズムダンス」などを中心に話し合われています。また,保健領域では,実践力の育成をねらいとする保健学習の基本的な考え方,新たに示された中学年での内容や課題解決的な授業の進め方などが対談の柱となっています。
読者の皆さんには,それぞれの領域の対談を通して,新しい学習指導要領の特徴的な内容や具体的な授業のイメージをつかんでいただけたのではないかと思います。そして,そのことから,21世紀に向けての教育改革への手ごたえを感じ取ることができたとしたら,本書の趣旨が生かされたものと思います。
岡山大学教授の村田芳子先生と埼玉県大宮市立春岡小学校教頭の佐藤博志先生には,お忙しい中を対談にご協力いただきました。心よりお礼申し上げます。
また,明治図書出版の石塚嘉典氏のご協力で本書を発刊することができました。深甚の謝意を表したいと思います。
平成11年5月 /池田 延行 /戸田 芳雄
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- 明治図書