- はじめに
- 序章 「楽器遊び」を授業に生かす
- 楽器を使った遊びのねらい
- 身の回りのものを使った遊びのねらい
- 新学習指導要領とのかかわり
- 本書の使い方
- 第1章 リコーダーを使った楽器遊び
- 1 上がったり下がったり―スライド・ホイッスル―
- 2 私の鳴き声づくり
- 3 「剣の舞」頭部管バージョン
- 4 ロングトーンで
- 5 汽車汽車ポッポ
- 第2章 打楽器を使った楽器遊び
- 1 コロコロ転がして―木琴その1―
- 2 のぼり棒をのぼれ!―木琴その2―
- 3 ハンカチ指揮者―木琴その3―
- 4 即興のリレー―木琴その4―
- 5 おとぎ話と一緒に―木琴その5―
- 6 並んで並んで―クラベスその1―
- 7 4拍子で―クラベスその2―
- 8 あやつり人形―ギロ―
- 9 鳴らし方見つけた―ヴィブラスラップ―
- 10 静かなリレー―アンクルン―
- 11 パッと動く―ウッドブロック―
- 12 お話のつなぎに―タンブリン―
- 13 ひざ打ちから―ボンゴあるいはコンガその1―
- 14 トレモロで―ボンゴあるいはコンガその2―
- 15 弾んでポンポン―ハンドドラム―
- 16 どこから聞こえる?―鈴―
- 17 鳴らし方のリレー―シンバル―
- 18 シャボン玉飛ばそう―トライアングルその1―
- 19 握って離して―トライアングルその2―
- 第3章 和楽器を使った楽器遊び
- 1 祭りだワッショイ!―長胴太鼓―
- 2 おことと私とあなたで―こと(筝)―
- 3 「いよーぉっ」―拍子木―
- 第4章 身の回りのものを使った楽器遊び
- 1 中身はなあに―手作りマラカス―
- 2 合い間にポン!―紙筒―
- 3 新聞紙オーケストラ―新聞紙―
- 4 風と恐竜―糸電話―
- 5 ストローでブブブー―ストロー―
- 6 クルミのカスタで―クルミその1―
- 7 ゴー・ストップ―クルミその2―
- 8 ふくろうの鳴く夜―竹その1―
- 9 トガトンで―竹その2―
- 10 木の音探し―板その1―
- 11 木片で音楽―板その2―
- 12 カエルのおしゃべり―石―
- 13 宇宙空間の音楽―ワイン・グラス―
はじめに
それまでに触ったことのない楽器を目にしたとき,子どもたちはたいてい触りたくてたまらない様子を示します。好奇心でいっぱいなのです。でも教師の方は,「これはね,こう持ってこういうふうに鳴らすのよ」というように初めから奏法を指示し,しかも「では,みんな一緒にタンタンタンと鳴らしてみましょう。はい,タンタンタン!」という調子で,リズムやメロディーを指定して練習させようとすることが多いようです。自由に音を出させたら,ものすごい騒音になるでしょう。それに,楽器を乱暴に扱って壊してしまう子どもがいるかもしれません。それを恐れるからです。
でも私は,そのように教師が最初から扱い方を子どもたちに指示して,「この楽器はこういうものである」と決めつけてしまうような導入の仕方には,ずっと疑問を感じていました。子どもたちが一つ一つの楽器に親しみをもち,今後も積極的に楽器を用いた活動に取り組み,豊かに表現していくようにするためには,もっと別の方法をとるべきではないかと思い続けてきました。
そこで私なりにいくつか活動を工夫していたところ,タイミングよく明治図書の木山麻衣子氏よりおすすめがあり,この本をまとめることになりました。
ここでご紹介した40の遊びは,どれも難しい技術は必要としません。子どもにとって間違いなく楽しい活動です。しかも,活動する中で子どもたちが自ら奏法を発見したり,音の特徴をつかんだり,その楽器の可能性を引き出したりするようにと考えられています。
これらの遊びをすることで,子どもたちはきっと一つ一つの楽器を大好きになることでしょう。ぜひ一度,実践してみてください。
/熊木 眞見子
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