英語授業改革双書40アメリカンスクールの英語学習はここが違うネイティブ英語の教材化と授業ポイント50

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英語の話せない、ノンネイティブスピーカーの子どもたちがどうやって英語を勉強していったのか。日本の英語教育とどう違うのか。ネイティブの英語の教え方を紹介。


復刊時予価: 2,816円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-719006-6
ジャンル:
外国語・英語
刊行:
5刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 196頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 ESLで学ぶネイティブ英語の指導法
§1 宿題“リスト”とは… 〜1日10個の単語を読めるようにする〜
§2 リストの効果 〜不思議なくらいある〜
§3 ESLでのSight Words 〜5段階に分かれた全218の英単語〜
§4 ESLでの必修語彙の教え方(1) 〜フラッシュカード作成〜
§5 ESLでの必修語彙の教え方(2) 〜単語を使って英文を作らせる〜
§6 ESLでの生活必修語彙(1) 〜ESL VOCABULARY LIST 1〜
§7 ESLでの生活必修語彙(2) 〜ESL VOCABULARY LIST 2〜
§8 ESLの授業の出だし 〜曜日を確認するところから〜
§9 ESLの指導手順の秘密(1) 〜単語は「家族」から…〜
§10 ESLの指導手順の秘密(2) 〜どんな単語をどんな順番に教えていくの?〜
§11 ESLの指導手順の秘密(3) 〜「家族」と「数字」の単語の間に「前置詞」の指導を〜
§12 ESLの指導手順の秘密(4) 〜次に続くのが,「身体」の単語〜
§13 ESLの指導手順の秘密(5) 〜やっと「動詞」が出てくる〜
§14 ESLの指導手順の秘密(6) 〜「動詞」を習ったら「名詞」と比較〜
§15 ESLの指導手順の秘密(7) 〜「動詞」を教えたら「現在進行形」!?〜
§16 ESLの指導手順の秘密(8) 〜「現在進行形」の次に「過去進行形」!?〜
§17 ESLの指導手順の秘密(9) 〜「過去進行形」を習ったら「過去形」!?〜
§18 ESLの指導手順の秘密(10) 〜「過去形」の次に「3人称単数現在形」〜
§19 ESLの指導手順の秘密(11) 〜「3人称単数現在形」の次は,いよいよ「未来形」!?〜
§20 もう一度,ESLのサバイバル英単語一覧 〜どんな単語を教えるのか?〜
§21 ESLでの単語指導 〜「職業」の単語から「動詞」の単語へ
§22 Rhyming Words 〜Ask Me Again … Another Poemを使って〜
§23 味の表現集 〜Five Senceのうちの1つ〜
§24 ESLの単語指導 〜おおさを表す単語〜
§25 3つに切ったカードで「場所を表す語彙」を学習(1) 〜bottom, center, top〜
§26 3つに切ったカードで「場所を表す語彙」を学習(2) 〜corner, side, front, back〜
§27 ESLクラスの学習ルール(1) 〜英語ゼロの学習者に〜
§28 ESL授業の考え方 〜入学時に配られたプリント〜
★隙間時間の面白ゲーム(1)…Yes, No を言ったら負け!
第2章 レギュラークラスでの英語の教え方
§1 毎日の宿題 〜担任の先生とのコミュニケーションノート〜
§2 毎朝のシェアリング 〜子どもが朝,英語で何かを伝える〜
§3 韻(rhyme)を踏んだ英語の学習 〜英語の歌を利用して〜
§4 1週間の歌 〜Where is thumbman ?のメロディーで〜
§5 右と左の教え方 〜日本では茶碗を持つ手とハシを持つ手〜
§6 小学2年生 〜夏休みの出来事:サンドイッチ英作文〜
§7 Spelling Wordsとは!? 〜1週間に10個+2個〜
§8 Spelling Wordsの覚え方 〜最初に練習の仕方を〜
§9 最初5回の英作文のタイトル 〜子どもを知るために〜
§10 クオーテーションマークの指導 〜Open lips & Closing time〜
§11 Spelling Wordsのすべての単語を使っての物語 〜レギュラークラスの宿題メニュー〜
§12 算数の授業でも,理科授業で習っていることが 〜算数でも語彙が増えていく〜
§13 品詞の学習プリント 〜形容詞には○を,名詞には線を引こう〜
§14 Family Words(1) 〜語尾が同じで発音も同じ〜
§15 Family Words(2) 〜Family Wordsで遊ぼう〜
§16 上級生が下級生に読み聞かせ 〜Book Buddies〜
§17 短縮形の学習プリント! 〜アポストロフィーは何かと何かをくっつけたもの〜
★隙間時間の面白ゲーム(2)…Zを言ったら負け!
第3章 日本の教室でも使えるネイティブの英語指導ネタ18
1 英語で“俳句”を作ろう! 〜音節の学習には,最適の活動!〜
2 “俳句”から“短歌”へ! 〜“短歌型”会話文を作ろう〜
3 Name クロスワード 〜簡単作成,誰でもできる(小学校4年生以上)〜
4 意外性のある絵を使って! 〜…is too long.のtooの学習〜
5 動物当てクイズ 〜「変化のある繰り返し」でゲームの導入〜
6 アメリカンのリーディング指導(1) 〜Story Frameでまとめを! 中学全学年〜
7 隙間時間の単語パズル! 〜ラダーぱずる!〜
8 フォニックス・ネイティブ教材 〜1つ1つの音を拾っていくプリント〜
9 数字を選んで英作文! 〜意外な英文ができあがる面白さ〜
10 Homophone story ! 〜発音が同じ,でもスペルが違う!〜
11 wolfの正しい発音 〜全学年〜
12 買い物センテンス 〜アルファベット順に単語を言っていこう!〜
13 アメリカンのリーディング指導(2) 〜Reading Reminders by Neaより 中学全学年〜
14 韻(rhyme)を踏んだ英語の学習(1) 〜英語の歌 Down by the Bayを使って〜
15 Unscramble the letters 〜文字を並べ替えて単語を作る〜
16 The Body Game 〜小学生向き〜
17 韻(rhyme)を踏んだ英語の学習(2) 〜絵カードを使って〜
18 “I”before“e”, except after“c”. 〜ALTからのネイティブの覚え方〜
付録1 ネイティブの英単語リスト(1) 〜レギュラークラスの英単語リスト〜
付録2 ネイティブの英単語リスト(2) 〜ESLクラスのWriting単語リスト〜
付録3 写真で見るアメリカンスクール
付録4 小中学校で使えるネイティブの教室英語
あとがき

はじめに

 私の娘は約2年間,私の海外での勤務の関係で,アメリカンスクールに通っていました。

 アメリカンスクールの隣で働いていた私は,毎日娘が持ち帰ってくるアメリカンの教材に目をとめては,娘に,

 「今日はどんなことを勉強したの?」

 「何か,面白いことあった?」

 「これ,どんなふうに学習したの?」

といろいろ興味をもって聞き,なんとか日本の英語教育に生かせるものはないかと,集めてきました。


 例えば,「右と左」の教え方。

 日本では,「箸を持つ手が右」,「茶碗を持つ手が左」と教わってきます。

 しかし,アメリカンでは,まず,両手を目の前に出します。

 すると,左手を見ると,人さし指と親指で,L という文字が,浮かび上がってきます。


  だから,こっちの手を“Left”って

 言うんだよ……。


と教えます。


 また,日本の英語教育とはまったく違った教え方をしていることにも気づきました。

 それが,文法指導の順番です。

 日本では,一般動詞・Be動詞などから入り,3人称単数現在形,現在進行形,can,過去形,過去進行形,受け身,不定詞……と続きます。

 しかし,アメリカンスクールのESLクラスでは,まず,単語ありきで,ある程度,単語を学習した後で,


 1 動詞

 2 現在進行形

 3 過去進行形

 4 過去形

 5 (3人称単数)現在形

 6 未来形


という順番で文法を教えていきます。

 今まで私たちが日本の学校で勉強したり,教えてきた順序とは,まるで違っていたのに驚きました。

 また,接続詞のWhenなどは,とても早いうちに学習します。

 canは動詞が出てきたときに,一緒に教えてしまいます。

 人称代名詞は,あえて学習事項に取り上げず,単語を導入するなかで自然と教えてしまいます。


 また,アメリカンでは,「単語」を重視しています。

 レギュラークラスでは,リストと呼ばれる500の単語。

 ESLでの必修単語218語。

 それらは,Sight Wordsと言われ,読めることが目的の単語です。

 うちの娘も,それらの単語のおかげで,約1年後には,英語の絵本がスラスラ読めていました。

 特にフォニックスなどは系統立てて,勉強していないようです。

 その代わり,Rhyming Wordsはよくやっていました。


 さて,そんな日本の英語教育とはだいぶ違ったネイティブの英語の教え方をできるだけ多く載せようと試みたのが本書です。

 英語の話せない,ノンネイティブスピーカーの子どもたちが,どうやって英語を勉強していったのか,日本の英語教育とどう違うのか,日本の英語教育の足りない部分を,ネイティブの英語指導法から,盗んでいって欲しいと思います。

 そして,最終的に,この1冊の本では無理かと思いますが,読者の皆様が,ネイティブの教え方,ネイティブの教材,その2つに興味を抱いていただければ,幸いと思います。

 海外で市販されている語学教材の中には,大変すぐれているものがたくさんあります。

 特に小学英語では,このような海外の教材は大変参考になるかと思います。

 是非,日本で考えられた英語教育から,ネイティブが教える英語教育へと,一時,視野をかえてみてはどうでしょうか。

 すると,英語のテスト問題も,英語で出題するように変わってくると思います。


  2001年3月27日(火)   /瀧沢 広人

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