- [イントロダクション]体育主任に誇りと楽しさを届けよう
- 心構え
- 001 令和時代の体育主任を楽しむ
- 002 体育主任の喜びにたっぷり浸る
- 003 謙虚&感謝で周囲を巻き込み,動かす
- 004 主ぬしにはならず,主あるじになる
- 005 小さな気配り・気遣いで大きな信頼へつなげる
- 006 もらったバトンを次の世代につなぐ
- 計画から振り返り
- 007 大きな見通しと小さな見通しを持つ
- 008 4月,その一歩で未来を決める
- 009 授業につながる年間指導計画をつくる
- 010 学びのリズムと余白を意識した時間割を作成する
- 011 「かもしれない」で臨機応変に対応する
- 012 各々が力を最大限に発揮できる仕組みをつくる
- 013 計画を確実に遂行する @明確にする
- 014 計画を確実に遂行する Aリマインドする
- 015 ゆとりと質を両立できる振り返りの仕組みを構築する
- 施設・備品の管理
- 016 安全管理は“気づき”ד仕組み”で行う
- 017 施設の点検・整備で安心な場をつくる
- 018 尋ねられたらすぐに答えられる準備をしておく
- 019 教具の有効活用の知恵袋になる
- 020 互いに気持ちよく使えるルールづくりをする @運動場
- 021 互いに気持ちよく使えるルールづくりをする A体育館
- 022 互いに気持ちよく使えるルールづくりをする B倉庫
- 023 整理整頓は「帰る場所」をつくる
- 024 備品管理の仕組みをつくる
- 025 計画的な備品購入は必要性を見極める
- 026 創意工夫でコストカットを試みる
- 健康・安全管理
- 027 養護教諭と連携する
- 028 栄養教諭と連携する
- 029 管理職と連携する
- 030 緊急時対応マニュアルを作成する
- 031 救急搬送時の動きを徹底する
- 032 いまや“必須”!熱中症に備える
- 033 事故の未然防止に努める
- 034 体育委員会を効率よく動かす
- 035 特別な配慮が必要な子どもを把握&共有する
- 体力向上推進
- 036 現状の把握から体力向上の道しるべを示す
- 037 体力向上アクションプランを作成する
- 038 “遊び”を“習慣”に変える休み時間の工夫をする
- 039 運動したくなる気持ちが芽生える場づくりをする
- 040 説明いらずで読めばわかる体力テストの提案をする
- 041 体力テスト講習会で記録アップを目指す
- 042 体力テスト本番でスムーズに回す工夫をする
- 043 結果をヒントにして未来につなげる
- 水泳指導
- 044 先生目線の水泳指導計画を作成する
- 045 始める前に“安全”を整える
- 046 プール掃除を段取りする
- 047 ミスの起こらない確実な水質管理体制を整える
- 048 「自分事」になる救命救急研修を実施する
- 049 不安解消!水泳指導講習会を開催する
- 050 いのちを守る力を育てる着衣泳を企画する
- 051 夏休み中の水泳補講を計画する
- 052 次年度につながる水泳指導の締めくくりを行う
- 053 民間委託水泳で外部と連携をとる
- 運動会運営
- 054 運動会ToDoリストを作成する
- 055 みんなの願いがそろう運動会を提案する
- 056 力を活かし合う“らしさ”が活きる役割分担を行う
- 057 効率のよい全体練習を計画する
- 058 系統性を意識して運動会種目を決める
- 059 応援団・リレー選手の決め方,練習計画を設計する
- 060 運動会を子ども主体にアップデートする
- 061 運動会前日準備で動きの地図を描いておく
- 062 運動会本番で場の空気をつくる
- 063 振り返りは熱いうちにキャッチする
- その他体育的行事
- 064 努力が自信につながるマラソン大会を計画する
- 065 子どもたちの心をつなぐ縄跳び大会をひらく
- 066 盛り上がる休み時間の体育的イベントを企画する
- 067 異学年交流を企画する
- 068 登山遠足を企画・提案する
- 069 心と体を育てる臨海(林間)学舎を実施する
- 授業力向上
- 070 体育授業のルールをそろえる
- 071 評定のラインをそろえ,評価の目盛りをつくる
- 072 授業をサポートする便利グッズをセットする
- 073 体育のちょこっと学習会をひらく
- 074 学習カードのストックリストを作成する
- 075 研究会・研修会の案内は継続的にお知らせする
- 076 自主公開授業で授業デザインを見せる
- 077 体育の研究授業を積極的に企画・運営する
- 078 個別最適な学びで個の学びを保障する
- 079 ICT機器の活用を推進する @知る
- 080 ICT機器の活用を推進する A広める
- 081 ICT機器の活用を推進する B使う
- わざの伝承
- 082 笛や太鼓の音で教師の意図を伝える
- 083 美しいラインを引く
- 084 場づくりは5分で決める
- 085 号令マスターへの道を極める
- 086 場面に応じて並び方や集合の形を使い分ける
- 087 合図・サインで動きをそろえる
- 088 全体指導で大人数を動かす
- 089 評価の言葉で“いま”を“未来”につなげる
- 校外との連携
- 090 自分の成長を感じられる(水泳,陸上)記録会にする
- 091 地区研究会で志をともにする仲間と自分を磨く
- 092 “本物”との出会いで学びを加速する
- 093 健やかな学びの場を地域とともに築く
- 094 自らの学びを学校の力にする
- ステップアップ
- 095 “見ればわかる”記録づくりを心がける
- 096 願いを込めた体育通信を発行する
- 097 外部研究団体とのつながりで視野を広げる
- 098 学校公開研究会を開催してこれまでの実りを披露する
- 099 お説教にならない指導・助言を心がける
- 100 前に出ず,後方支援に徹する
はじめに
私が教師になったのは平成10年。学校現場は昭和と平成の空気が入り混じる過渡期,若手教師は先輩の背中を見て学ぶのが当たり前。行事の運営も「慣例」に従うことが重視され,改善よりも継承が優先される風潮がありました。
そんな中で出会った体育主任の先生は,まさに昭和の体育教師の象徴でした。日焼けした肌,張りのある声,そして何より,子どもたちの前に立つときの圧倒的な存在感。運動会,水泳指導など,学校の大きな行事の中心にはいつもその先生がいました。忙しく,責任も重く,時には厳しい言葉を飛ばすこともありましたが,子どもたちからの信頼は厚く,保護者からも一目置かれていました。
私はその姿に強くあこがれ,「いつか自分も体育主任になりたい」と思うようになります。体育主任という役職には,単なる「いち先生」を超えた「学校の屋台骨」としての存在感がありました。
そんな私が体育主任を任された教師5年目。あこがれと現実のギャップに戸惑いながらも,前任者の資料を頼りに,行事の準備や安全管理に奔走しました。業務は多岐にわたりましたが,それだけにやりがいも大きく,自分自身の成長も実感できました。
しかし,時代は流れ,令和の今,学校を取り巻く環境は大きく変わりました。子どもたちの多様化,保護者の価値観の変化,ICTの導入,そして「安全・安心」への社会的な要求の高まり。体育主任の仕事も,かつてのような「熱意と根性」だけでは通用しなくなってきています。
例えば,運動会ひとつとっても,以前は「全員で一糸乱れぬ行進」が美徳とされましたが,今は「一人ひとりが自分らしく輝ける場づくり」が求められます。水泳指導も,かつては「泳げるようになること」が目的でしたが,今は「水に親しみ,安全に楽しむこと」が重視されます。体育主任は,こうした価値観の変化を敏感に捉え,柔軟に対応していく必要があります。また,教職員間の連携も,かつてのような「体育主任がすべてを仕切る」スタイルから,「チームで支え合う」スタイルへと変化しています。ICTを活用した情報共有や,保護者との丁寧なコミュニケーションも,今や欠かせない要素です。
それでも,体育主任という役割の本質は変わりません。かつて私があこがれた体育主任像は,今の時代には合わない部分もあるかもしれません。しかし,その根底にあった「子どもたちのために,同僚の先生のために全力を尽くす姿勢」は,今も変わらないはずです。
令和の今,体育主任は「変わり続ける専門職」といっても過言ではありません。本書が,その変化を支える一冊としてお役に立てれば幸いです。
2026年2月 /垣内 幸太
-
明治図書















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