- まえがき
- 序章 「入試問題の授業化」が中学教師に必要な6つの理由
- /川神 正輝
- 第1章 入試に向けて授業カリキュラムはこう創る
- 1.ふだんの指導が受験にも役立つ /大鐘 雅勝
- 1.「先生の通知表」より/ 2.ふだんの授業で受験「にも」役立つ指導ができる/ 3.プラスαの指導が必要なもの/ 4.入試に向けてのタイムスケジュール/ 5.連語の知識は継続して少しずつ増やしていく/ 6.まとめ
- 2.傾向をつかみ,対策を取る /大鐘 雅勝
- 1.まず相手を知ること/ 2.読解問題のカリキュラムづくり/ 3.作文問題のカリキュラムづくり/ 4.聞き取り問題のカリキュラムづくり
- 第2章 入試問題分析からの提言,授業のポイントはここだ!
- 1.「リーディング」「リスニング」そして「ライティング」 〜新年になったらリスニング・ライティング直前対策〜 /瀧沢 広人
- 1.入試のほとんどは「読むこと」の出題である/ 2.簡単・リスニングの上達法
- 2.読解問題に慣れさせる問題作成の4つの手順と語彙チェック /岡ア 伸一
- 1.入試問題に慣れさせる読解問題作成の手順/ 2.語彙チェックをする
- 第3章 「リスニング」問題はこう授業する
- 1.リスニング問題の答え方3パターンをスモールステップで /堀内 紀里
- 1.リスニング問題の分析/ 2.リスニングの心得/ 3.長文の対策/ 4.答え方に対する授業の組み立てABC
- 2.スモールステップで難易度を上げていく /堤 浩則
- 1.教科書の復習/ 2.英検のリスニングテスト/ 3.過去の問題で総仕上げ/ 4.過去の問題の分析
- 3.キーワードに注意させる ディクテーションの技術8 /佐野 正幸
- 1.事前の準備/ 2.実際の授業
- 第4章 「基本文型」問題はこう授業する
- 1.出題傾向の把握と基本文型の整理をする /山本 裕康
- 1.文型問題の入試問題を実際に行う/ 2.文型問題の出題傾向を教える/ 3.基本文型を覚える活動を取り入れる/ 4.教師自作の問題に取り組ませる/ 5.代名詞の変化表を覚えさせる/ 6.比較変化表を覚えさせる/ 7.動詞の変化表を覚えさせる
- 2.対話形式で基本文型を口癖に /森山 恭子
- 1.基本文型の繰り返し練習は“対話形式”でする/ 2.毎時間,基本文型の「口癖タイム」をもうける/ 3.入試問題をもとに作成した15例文パターン/ 4.実際の入試問題
- 3.「基本文型」問題 指導ステップ3 /尾崎 秀利
- 1.ペアワークで「基本文型」の復習(15分)/ 2.視写(10〜15分)/ 3.入試問題を解く(10〜15分)
- 第5章 「読解」問題はこう授業する
- 1.3つのskillを身につける〜スキャニング,スキミング&リーズニング〜 /岡ア 伸一
- 1.Scanning(拾い読みをする)/ 2.Skimming/ 3.Reasoning
- 2.文の構造を考える 書き込みの技術7 /佐野 正幸
- 1.文の構造を考えさせる/ 2.実際に問題を解かせる/ 3.実際の入試問題
- 3.英文は/(=スラッシュ)で区切れ,そして前から訳せ /堤 浩則
- 1.スラッシュで区切る/ 2.「問い」を先に読む/ 3.過去の問題で総仕上げをする
- 第6章 「記述」問題はこう授業する
- 1.英作文への対応を3時間で指導する /山本 裕康
- 1.文の基本的な語順を定着させる/ 2.「名詞軍団」を徹底する/ 3.文を伸ばし続ける体験をさせる/ 4.長い文を書くコンテストをする/ 5.1文8語以上の英文をたくさん書かせる/ 6.入試問題に挑戦させる
- 2.「単語」「空所補充」「作文」を授業する /尾崎 秀利
- 1時間目 「単語の知識」問題対策/ 2時間目 「空所補充」問題対策/ 3時間目 「作文」問題対策
- 第7章 新傾向問題はこう授業する
- 1.実際の場面を再現する /多根 千晶
- 1.入試問題をいかに現実の場面と近づけるか/ 2.ALTに学校,日本について説明する授業/ 3.ペアでテーマを決める/ 4.絵・写真・実物・ジェスチャーも使う/ 5.時間設定/ 6.原稿をチェックする/ 7.ALTに評価をしてもらう/ 8.生徒同士で評価する/ 9.英語通信でシェアする/ 10.自学のすすめ
- 第8章 最新の脳科学を利用した勉強のコツ
- 1.勉強のやり方を見つけるためのヒント17 /川神 正輝
- 1.勉強ができない子ができるようになる理由/ 2.中学生に勉強法のヒントを与えるエピソード集/ 3.最新の脳科学に習う中学生の勉強法
- 2.脳科学が明らかにする家庭学習法,指導のポイント /佐藤 泰弘
- 1.「何を」「どこから」家庭学習するのか/ 2.脳科学が明らかにする英単語,熟語の正しい覚え方5/ 3.英語の長文に慣れる学習方法/ 4.リスニング問題に慣れる学習法/ 5.入試英語の問題を解く学習法/ 6.保護者の方へ/ 7.教師が入試前の生徒に授業で力をつけるための4箇条
- 終章・あとがき
- 英語が苦手な生徒も巻き込み入試直前・卒業前の授業をつくる /川神 正輝
- 1.口先で子どもは変わりはしない/ 2.『中学英語・学力補強5分間プリント』発刊!/ 3.『月刊 TOSS中学英語』は日々の授業に役立ちます
まえがき
どれだけ口当たりのよい立派なことを言う「よい先生」でも,高校入試問題の分析をしていない中学教師を生徒は信頼したくはないだろう。
中学生にとって,高校入試というのは一生の問題だからである。
春に出版される「高校入試問題集」に目を通すことは中学教師のモラルに関わる問題である。
中学英語教科書に登場する単語数およそ1000語。文法・語法・構文指導事項130〜150。これらを3年間,300時間あまりの中でどのように指導をしていくのかも,入試問題の分析なくしては決められない。
近年の公立高校入試問題は,およそ読解問題50%,英作文25%,文法・語彙10%〜15%,リスニング問題10%〜15%で構成されている。高校入試では読解問題の占める割合が高い。読解問題に対応できる力をつけることが授業における入試対策の大きな柱である。
本書では,入試問題分析を通しての「カリキュラム作成法」,そして「読解問題対応策」,さらに「リスニング問題対応策」「基本文型問題対応策」「記述問題対応策」等を具体的に記している。日頃の授業の組み立てに大いに参考になるはずである。高校入試から逆算して,1年生,2年生,3年生での指導を構想する際にも活用できる。
「『英語が使える日本人』育成のための戦略構想・達成目標」(文部科学省HP)によれば,中学卒業時の達成目標は,挨拶や応対等の平易な会話(同程度の読む・書く・聞く)ができる(卒業者の平均が「英検」3級程度)ことであるという。本書の内容は,中学卒業時の達成目標に向けての授業づくりにも役立つはずである。
本書が,全国の中学校の英語授業づくりに使用されることを願っている。
/川神 正輝
どんなに楽しい授業をしていても、目に見える形で学力をつけることができなければ、生徒はついてこない。今までにも「英語の授業は楽しいけど、テストで点数をとれないから苦手科目だ」と何度も生徒に言われてきた。
本書では、それぞれの問題別の対処法、問題の解き方、具体的な教材研究の方法が示されている。また、最新の脳科学を利用した勉強のコツまで紹介されていて興味深い。
教師としての入試への心構えがかわり、生徒に自信をもって指導ができるようになる良書である。