英語授業改革双書21
英語ライティング活動メニュー集
すぐ使えるファックスシート付

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英語『書くこと』の指導の原則/『書くこと』の活動 アイデア15/『書くこと』の作品の評価法/『書くこと』の活動メニューと指導事項。


復刊時予価: 2,519円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-700814-4
ジャンル:
外国語・英語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 154頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 英語『書くこと』の指導の原則
§1 指導の原則その1: とにかく『書く』活動を多くする
§2 指導の原則その2: 面白いテーマを用意する
§3 指導の原則その3: 生徒の英文を理解してあげる
§4 指導の原則その4: be動詞と一般動詞の使い方を指導する
§5 指導の原則その5: 『誰が』『どうしたのか』を指導する
ライティング力をアップさせる特別授業@(中学1年生)
『つまらない』ってなんて言うの?
第2章 『書くこと』の活動アイデア15
[1] 3コマ漫画で自己表現(中学1年生)
〜This is not a .../It is a...を使って〜
[2] 私の町を紹介しよう(中学2年生以上)
[3] 教科書本文を利用して(中学3年生)
〜日本文化の紹介〜
[4] 暗唱させた文で対話文を作る(中学3年生)
〜題材を利用して〜
[5] Team−Teachingでの『書くこと』の授業はこうして(中学3年生)
〜石碑を英語で説明する〜
[6] もし,ポールバニヤンが…だったら(中学3年生)
〜教科書の題材とからめて〜
[7] 1枚の写真でライティング(中学1年生)
〜学校行事(生活)を英語で説明〜
[8] 修学旅行記(中学3年生)
〜英語文集を創ろう〜
[9] 「ある日の出来事」を4コマ漫画で…(中学3年生)
〜生い立ちの記:4コマ漫画編〜
[10] 対話文づくりで『書<こと』の活動(中学2年生以上)
〜「外国人との対話」と「電話での会話」〜
[11] 中学3年最後のテストは先生への手紙(中学3年生)
〜言葉は人と人とを結ぶもの〜
[12] 物語教材を4コマ漫画にする(全学年)
〜読んだものについての概要や要点把握〜
[13] 統合的コミュニケーションへの道(中学3年生)
〜ListeningからWritingへ〜
[14] 紙上ディベートその1(中学3年生)
〜まずは自分の意見をもつことから〜
[15] 紙上ディベートその2(中学3年生)
〜相手の意見に的確に反論する〜
ライティング力をアップさせる特別授業A(中学3年生)
できるだけ長い英文を書いてみよう! 〜パワーアップライティング〜
第3章 『書くこと』の作品の評価法
〜「量」から「質」へ〜
§1 定角テストでの評価
§2 普段の授業での評価
§3 自己評価カードによる評価
第4章 『書くこと』の活動メニューと指導事項
付録@ 授業ですぐに使えるワークシート集
[パターン@] テーマを与えて書かせるワーワシート!
[パターンA] 絵を描かせ,英文で説明するワーワシート!
[パターンB] クイズをつくるためのワークシート!
[パターンC] 誌上ディベートで使えるワークシート!
[パターンD] 3コマ漫画,4コマ漫画で,楽しく英作文!
[パターンE] うそつき英作文で使えるワークシート!
[パターンF] 対話文用ワークシート!
付録A 統合的コミュニケーション能力への道
あとがき

まえがき

 野口芳宏氏は言う。


  活動があって,指導がない。


 これは,音読指導の場面での指摘であるが,「書くことの指導」でも「聞くことの指導」でも,なんにでもあてはまる。

 かつて私は,「Listening指導を取り入れた授業展開の試み」をテーマに実践発表をした。1991年,2月のことである。

 その時,私は「活動」と「指導」とを明確に区別して発表した。

 よく,「聞くことの指導」といいながら,実際は,「聞くことの活動」で終わったりする。

 例えば,つぎのような授業展開は完全な「聞くことの活動」であると考えている。


― 【場面1】 ―

 ある英文を聞かせる。

 その後,教師が英語で質問する。

 生徒は,ノートに答えを書く。

 指名し答えさせる。


 また,次のはどうであろうか?


― 【場面2】 ―

 ある英文を聞かせる前に,「聞き取りのポイント」を提示する。

 その後,英文を聞かせる。

 聞き取りのポイントの確認をする。


 こちらは,先ほどのものよりは少しはマシである。でも,まだ「活動」の域からでない。しかし,同じ「活動」であっても,こちらのほうは「学習活動」になっている。(「学習」というのは,自覚的な目的と意図を持ち,それに向けて挑戦していく行動を意味する−野口芳宏『教室ツーウェイNo.49』明治図書)

 つまり,教師が「聞き取りのポイント」を示すことによって,生徒は,そのことだけを聞き取ろうと,目的をもって聞き取ろうとする。

 この「聞き取りのポイント」が,生徒の学習活動を保証するのである。

 しかし,いつでもどこでも,「聞き取りのポイント」が用意されるとは限らない。


 そこで,私は次のような「活動」を行った。


― 【場面3】 ―

 生徒に「テープを聞いてメモを取りなさい」と指示をする。

 テープをながす。

 内容について日本語で質問する。

 生徒に答えさせ,どのくらい正解していたか挙手にて確認する。


 「聞き取りのポイント」は示さない。

 その代わり,「メモ」を取らせる。

 この違いは何か?

 「メモ」を取ることによって,生徒自らが「聞き取りのポイント」を追い求めるわけである。

 つまり,大事なところを「メモ」するようになる。

 この「活動」を続けていくうちに,必ず生徒は変わる。

 メモを取ること2ヵ月。

 リスニング力が県平均を越えた。


 さて,「指導」はというと,「メモの取り方」ぐらいである。教えたのはこれだけである。


― 【メモの取り方】 ―

 @ 「誰が」でてきたか,書かせる。

 A その人が「したこと」,または,関係のある事柄を,線を使ってつなげていく。


 これだけで,生徒のリスニング力はアップするのである。

 これが,「指導」である。

 「活動」と「指導」とを明確に区別し,「指導」の方法を示したことが問題提起であった。

 それまでは,リスニングの指導が見えなかった。

 これは,私が新任3年目の時(1991年)に発表したのであるが,若かったせいもあり,否定的な意見・批判が出てきた。Communicativeに欠けていると言う点である。しかし,Classroom Englishや,絵を見せてのOral Introductionなどの後のT&FやQ&Aは,「指導」ではなく「活動」なのである。

 しかし,時代は,今,リスニングの指導には,「メモ」が欠かせなくなっている。1993年の関ブロ大会でのリスニングの指導には,「メモ」の必要性がとかれている。


 本書は,『書くこと』の指導にメスを入れたものである。

 生徒の何を指導すれば,よりよい英文になるのか,誰にでもできる方法とコツを示すものである。

 第1章では,「『書くこと』の指導」について,一定の原則を見いだした。

 第2章では生徒の作品も載せながら実際の「『書くこと』の活動」を紹介した。

 第3章では,「『書くこと』の評価」,第4章では「『書くこと』の活動と学習指導要領」,そして付録として「コピーすればすぐに使える“ワークシート”」,及び,最近手に入れた方法を,紹介する。


  1997年10月   /瀧沢 広人

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