新学習指導要領の指導事例
新中学校理科・重点指導事項の実践開発

新学習指導要領の指導事例新中学校理科・重点指導事項の実践開発

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中学理科の新規指導事項のアイデアと授業構成を提案

新中学校理科では、重点指導事項として科学的に探究する活動に重点をおき、自然の事物・現象にかかわる実験や観察する学習から分析し考察する能力を育成することが求められる。授業づくりのアイディアを図やグラフを用いて分かりやすく具体的に提示しました。


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ISBN:
978-4-18-681718-8
ジャンル:
理科
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5横判 132頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第T章 新学習指導要領「どこが変わったか,どのような授業づくりが必要か」
はじめに
1 目標の改善から授業を考える
2 学習指導要領改訂に当たっての基本的な考え方から授業を考える
3 学習内容の改善の要点から授業を考える
4 学習の内容の順序に関する規定の改善から授業を考える
第U章 中学校理科の「重点指導事項」
基礎的・基本的な知識・技能の定着
1 内容構成の4つの柱
2 内容構成を柱立てる意義
3 各柱の構成
国際的な通用性,内容の系統性の確保
1 国際的な通用性について
2 内容の系統性の確保について
科学的思考力・表現力等の育成
1 科学的に探究する能力の基礎と態度の育成
2 問題を見いだし観察,実験を計画する学習活動
3 観察,実験の結果を分析して解釈する学習活動
4 科学的な概念を使用して,考えたり説明したりする学習活動
日常生活や社会との関連の重視
1 日常生活や社会との関連の重視の背景
2 学習指導要領の改訂の方針
3 指導の実際
第V章 「新規指導事項」の授業研究 指導のアイディアと授業構成
【第1分野はどう変わったか】
【第1学年】
@力の働き(力の大きさとばねの伸び)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A圧力(水圧,浮力)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B身の回りの物質とその性質
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
C状態変化と粒子
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
D溶解と粒子
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第2学年】
@電気とそのエネルギー(電力量,熱量)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A静電気と電流(電子)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B電磁誘導と直流・交流
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
C原子・分子(周期表)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第3学年】
@力のつり合い(力の合成と分解)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A仕事とエネルギー(仕事,仕事率,仕事の原理)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B水溶液の電気伝導性,原子の成り立ちとイオン
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
C酸・アルカリ イオンと関連付けた扱い
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
D科学技術の発展(放射線の性質と利用)
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第2分野はどう変わったか】
【第1学年】
@種子をつくらない植物の仲間
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A地層の重なりと過去の様子
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B火山活動と火成岩
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第2学年】
@生物と細胞
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A生物の変遷と進化
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B無脊椎動物の仲間
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
C日本の天気の特徴
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
D大気の動きと海洋の影響
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第3学年】
@細胞分裂と生物の成長
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
A遺伝の規則性と遺伝子
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
B月の運動と見え方
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
C惑星と恒星
[1] なぜ重点指導事項か/  2 どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
D自然の恵みと災害
[1] なぜ重点指導事項か/  2 どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
【第1・第2分野共通】
【第3学年】
自然環境の保全と科学技術の利用,持続可能な社会の構築
[1] なぜ重点指導事項か/ [2] どのように改善するか/ [3] 授業研究を深めるために
第W章 改善すべき事項
ものづくりの推進
1 ものづくりのねらい
2 ものづくりの進め方
3 ものづくりの例
4 ものづくりの留意点
科学的な体験や自然体験の充実
はじめに
1 科学的な体験
2 自然体験
継続的な観察や季節を変えての定点観測
1 継続的な観察や季節を変えての定点観測を行うねらい
2 継続的な観察や季節を変えての定点観測の活動事例
3 継続的な観察や季節を変えての定点観測を行う際の留意点
レポートの作成,発表,討論
1 科学的な思考力・表現力の育成
2 学習指導要領の改訂の具体的事項
3 レポートを作成することの重要性
4 レポート作成の実際
5 書くことの重要性
6 討論と発表
博物館や科学学習センターなどとの連携協力
はじめに
1 博物館の学習活動の類型化
2 学習の流れと指導計画上の位置づけ
3 事前の準備
4 その他の活用法
第X章 PISA調査や海外の動向から見る
PISAや海外の動向からみる科学教育の方向性
1 OECD/PISAにおける科学的リテラシーの定義の変遷
2 PISAにおける科学的リテラシーのまとめ
3 21世紀の科学技術リテラシー像―豊かに生きるための智― プロジェクト
4 日本における科学的リテラシーの具体化,実現化に向けて

まえがき

 今回の学習指導要領改訂の理念は,教育基本法改正,学校教育法の改正等を踏まえ,「生きる力」を育成することにある。この「生きる力」は,中央教育審議会の答申(平成20年1月)の中で,OECD(経済協力開発機構)のPISA調査で述べられている問題解決のための「ツール」の活用能力,異質な集団でよりよい人間関係を構築する能力,自立的に活動する能力の3つの能力(キーコンピテンシー)を先取りしたものと述べられている。

 こうした「生きる力」を育成するため,上記答申では,PISA調査などの各種調査を踏まえ,子どもたちが知的好奇心や探究心をもって,自然に親しみ,目的意識をもった観察,実験を行うことにより,科学的に調べる能力や態度を育てるとともに,科学的な認識の定着を図り,科学的な見方や考え方を養うことが理科の改善の基本方針であると述べられている。理科の学習指導要領は,基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着,科学的な思考力や表現力の育成,観察,実験や自然体験,科学的な体験の一層の充実,理科を学ぶことの意義や有用性を実感する機会をもたせ,科学への関心を高めることなどを柱として改善されたのである。こうした改善の趣旨の理解に基づいた授業づくりがこれから各学校で実現されていくことになる。本書は,中学校学習指導要領理科の重点指導事項と改善すべき事項としての指導計画作成の配慮事項を解説するとともに,今回の改訂で新たに追加された主な内容の指導のアイディアと授業づくりについて執筆されている。中学校学習指導要領理科の趣旨を生かした授業づくりに活用していただけることを念願している。

 なお,本書の作成に当たっては,文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の清原洋一先生,笹尾幸夫先生,田代直幸先生から多くのご示唆をいただいた。また,編集者である清水,熊野以外にも物理領域では江崎士郎先生,化学領域では宮内卓也先生,生物領域では富山雅之先生,地学領域では加藤裕之先生にプロットを立てる段階からそれぞれの領域の原稿のチェックをしていただいた。忙しい中を執筆いただいた皆様,多くの関係者に心から感謝申し上げたい。


  平成21年1月

   編集者 埼玉大学教授(中央教育審議会専門委員) /清水 誠

   静岡大学教授(中央教育審議会専門委員) /熊野 善介

著者紹介

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 静岡大学教育学部教授

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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