新任教師へ・感動の理科的活動をしよう

新任教師へ・感動の理科的活動をしよう

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理科の授業が得意な教師が少なくなっている。本書ではこの現状をふまえ、@基礎的・基本的な知識・技能の習得、A思考力・判断力・表現力の育成、B学習意欲、学習習慣の向上の3原則により、「新任教師へ、感動の理科的活動をしよう」と呼びかけて事例を上げた。


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PDF
ISBN:
978-4-18-677818-2
ジャンル:
理科
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 152頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 驚きの感性を培い,感動の体験を味わわせる授業の基礎知識を知ろう
1 学習指導案を作るにあたっての基礎知識
(1) 今社会が求めている小学校理科の目標
(2) 理科学習のいろいろなタイプの授業パターン
@ 『何だろう』型
A 『どうなるのだろう』型
B 『どうすればよいのだろう』型・『作ってみたい』型
C 『なぜだろう』型
2 指導計画のための基礎知識
(1) 学習指導要領を読む
(2) 内容を理解する
(3) 教育課程には,3種類があることを理解する
3 指導計画を練る:驚きと感動の体験を構想する
(1) 第1次,第2次,第3次を構想する
(2) 話すこと,聞くこと,書くことを重視する
(3) 道徳的実践力を育てることを重視する
4 学習単元を設定し,学習指導案を書く
(1) 単元設定の趣旨を書く
(2) 単元の目標を書く
(3) 指導内容の系統を書く
(4) 観点別達成目標を書く
@ 自然事象への関心・意欲・態度
A 科学的な思考
B 観察・実験の技能・表現
C 自然現象についての知識・理解
(5) 指導計画を細案化する
(6) 学習指導案をたてる
@ 簡単な回路(2単位時間)
A 電気を通す物と通さない物(2単位時間)
5 授業とはどういうことかを再考する
6 ワークシートを書く
7 学習成果を読み込みながらの授業
(1) 導入の仕方
(2) 展開の仕方
(3) 終末の仕方
8 指導技術:板書技術
(1) 板書の機能
(2) 板書の技術
9 指導技術:ノート指導技術
(1) ノートの機能
(2) ノートと子どもの思考
(3) ノートの技術
(4) ノート点検の技術
10 指導技術:発問技術
(1) 導入・展開・終末の発問
(2) 全員参加への発問
(3) 発問の技術
11 エキスパート教師の授業を知る
――思考力・判断力・表現力を育てる方法――
(1) 認知構成法
@ 未熟な知識
A 構成の知識
B 科学の知識
C 活用の知識
(2) 素朴概念消去法
@ 実験A
A 実験B
B 実験C
C 実験D
D 実験E
E 実験F
(3) 暗箱法
(4) 思考地図法
(5) 埋め合わせ法
(6) 協力法
@ 第1問
A 第2問
B 第3問
C 第4問
D 第5問
E 第6問
(7) 演示法
@ 『点滅の起き上がりこぼし』
A 『光るお面』
B 『風車と豆電球の点灯』
C 『電気看板』
(8) 講習会法
事例:磁石 発想力,表現力,話し合い能力,創造的態度を高める『物作り活動』を!
@ 食べ物に近づくアヒル
A 物の厚さを測る道具
B 自動車競走
C 食べ物に跳びつくカエルやヘビ
D 金額報知器
E ふたをすると音楽が聞こえる不思議な箱
F 磁石モデル
G 磁石を切るハサミ
12 エキスパート教師の授業の捉え方
(1) 教材によるゆさぶり 学習目標の明確化
(2) 情報の収集 解決の糸口
(3) 子ども同士のゆさぶりと構想 見通しと実験・観察
(4) 多様から統一へ まとめ
(5) 知識・技能の活用 一般化
13 学習評価問題を作る
(1) 小単元後の小テスト
(2) 「子どもの学習態度」と「子どもの学習参加」を調べる
(3) 学習についての質問
U 新しい内容で,感動の理科授業をしよう
1 新しい内容の授業:驚きと感動の体験
――私もできる Yes I can !!――
(1) 第3学年 新内容『こん虫をさがそう』
(2) 第4学年 新内容『晴れた日と曇り・雨の日の1日の気温の変化』
(3) 第5学年 新内容『水中の小さな生き物』
(4) 第6学年 新内容『電流による発熱』
(5) 第6学年 新内容『月の見え方』
(6) 斬新な指導案 第3学年『重さとかさ』
@ 学校知と生活知
A 繰り返して知識の活用
2 エキスパートより上の鉄人の授業
――生命があり,創造がある授業――
(1) 冷たい授業
(2) 生命の躍動する熱い授業 第3学年 新内容『重さとかさ』
(3) 小集団コミュニケーション能力を育成する授業第6学年 新内容『電気の利用』
@ 『エネルギー変換』の見方,考え方を育てる
A 『発電と蓄電』
(4) 「問題発見・習得」「知識の活用」「探究」の授業第6学年 新内容『電熱線の太さと発熱』
@ 習得学習:問題・予想・実験結果から原理を導く
A 活用学習:習得した原理を他の事例に活用して知識と技能を定着させる
B 探究学習:発熱物質を他の物で調べ,その物質が電気器具に使用されていることを知る
V 感動の理科的活動の原理に基づき,授業を改善しよう
1 読解表現力や科学文を書く能力を育てる方法
(1) 読解力や作文力,科学的な報告文を書く能力が育っていない
(2) 観察文を科学文に書き換える能力を育てる方法
(3) 読解表現力と科学的に考える力を育てる方法
@ 結論の背景にある仮定や証拠,推論を特定する。結論を述べ,証拠1,2,3を選び出し,論理的に帰結を述べる
A 現象を科学的に記述したり,解釈したりして,変化を予測したり,予想したりする
B 科学的な研究について,調査方法の特徴・実験の条件制御などを明らかにする
C 科学的証拠を使い,結論を導き,それを伝達するために,論述して説明する
2 授業の原理 12原理
(1) 授業展開の3原理
(2) 授業の質を高める3原理
(3) 授業リズムの3原理
(4) 全面発達の3原理
3 驚きと感動の学習の原則 12原則
(1) 「興味関心がわく」の2原則
(2) 「楽しい雰囲気」の2原則
(3) 「子どもが主役」の2原則
(4) 「成功体験」の2原則
(5) 「変化が好きだ」の2原則
(6) 「私はできる」の2原則
4 1つの答え,多様の活用,深い意味づけの授業をする
活用・応用重視30%の単元展開の授業はできないか
5 授業と学習の評価能力を鍛える
(1) 授業評価の方法
(2) 子どもの学習評価とメタ認知能力を育てよう
W 学級経営作りで驚きの感性を深め,感動体験の活動を広げよう
1 学級経営作りで感動の理科的活動をしよう
(1) 学級経営の改善
(2) 学級新聞 電気の詩 磁石の詩
(3) ゴム車競争
(4) 野原の探検
(5) 自由研究
(6) 理科クイズ
(7) 自然事象の1人1研究:グループ研究
@ ヒマワリの研究
A オジギソウの研究
B アゲハチョウの研究
C 湖の汚れ,川の汚れの研究
D ダンゴムシの研究
(8) 理科実験班
(9) 物作り班『いろいろな発電』
@ 『人間電池』
A 『溶液電池』
B 『果物電池』
C 『アルミニウムとステンレス電池』
2 思い出の授業と授業研究
(1) 思い出の授業 いかに生きるかの授業
@ 『自然の観察』の授業
A PISA型に類似の展開
B 『自然の観察』が重視した6つの観察
(2) 思い出の授業研究 子どもの見方,考え方,扱い方を深める
@ ホウ酸の量と水の温度
A ホウ酸の量と水の温度変化
B ホウ酸の水に溶ける量の限度 グラフの表し方
C グラフの読み方
D ホウ酸水から,ホウ酸を取り出す
E 物が水に溶けるとは,どんなこと
3 望まれる教師像
(1) 子どもに愛される教師
(2) 教師と子どもの生き方 3原理

まえがき

 新しい教育課程の基準により,国語,算数・数学,理科などの教科で基礎学力を充実強化する方針が示され,理数科には,教育振興の予算がつき,理科の実験観察器具や授業研究が大きな課題となって,多くの都道府県でその振興策が出され始めた。

 また,近年,多くの教員の定年退職により,初任教師の採用が増加している。大学で教育原理や児童心理を学んだ新しい教師は,理科の各学年の単元の学習指導の経験は無く,彼らに具体的な指導事例を提供することが求められている。

 さらに,我が国の小学校では,理科の授業が得意な教師が非常に少なくなり,理科主任がいても,理科の得意でない人たちが多くなっている。校内で理科の授業研究会がもてない学校もある。このため都道府県では,この現状を克服するために理科振興のいろいろな改善策を策定し始めた。

 本書は,このような現状をふまえ,「基礎的・基本的な知識・技能の習得」,「思考力・判断力・表現力の育成」,「学習意欲・学習習慣の向上」の3原則を一貫して守り,学習指導要領の各学年の新しい内容をほとんど網羅し,「新任教師へ・感動の理科的活動をしよう」という基本方針で,誰でもできる理科授業の仕方を解説し,楽しいわくわくする指導事例を多く図入りで示した。指導計画の立て方,学習指導案の作り方,授業の原理,学習の原理,導入・展開・終末の仕方,指導技術,ワークシートの作り方,小テストの作り方,実験観察のさせ方,学習の評価,物作り,思考力・判断力・表現力の育成の仕方を具体的に示した。さらに,一番大切な学級経営で学級作り上の理科関係の豊富な活動,エキスパート教師の理科授業や,さらにその上の鉄人の理科授業も紹介した。また,思い出の授業や授業研究も入れ,最後に,教師の生き方を示した。

 これから,新任教師は,理科の授業を公開して,先輩教師の指導を仰ぐことになるだろう。そのときの手本として本書を活用していただければ幸いである。

 最後に,本書の出版にあたり,明治図書の江部満さんに,心よりお礼を申し上げたい。53年以上にわたり温かい理科教育の支援を頂き,感謝でいっぱいである。


  2009年 秋   /武村 重和

著者紹介

武村 重和(たけむら しげかず)著書を検索»

広島大学名誉教授。教育学博士。日本教科教育学会名誉会長。その世界組織である国際学会・教育課程教育方法WCCI会長(本部事務局アメリカ)を歴任。3年間の事前調査のあと1999年よりケニアに7年強滞在し国際協力機構JICA専門家・学術顧問として中等理数科教育強化計画を促進した。2005年,日本科学教育学会国際貢献賞「アフリカ諸国の包括的な科学教育制度設計に関する国際貢献」,2006年「国際協力機構JICA理事長表彰」。


1936年滋賀県生まれ。新潟大学講師,文部省教科調査官,広島大学教授。学習指導要領理科の全面実施と作成に,昭和43年,52年,平成元年の3回従事。この間,アメリカ・コロンビア大学大学院客員研究官。ユネスコ・アジア太平洋地域で初等教育と理科教育の支援により「ユネスコ・フェローアセイド賞」。ユネスコ・ユニツイン・チェア理科教育世界拠点大学講座主任教授(本部事務局フランス)となり,世界17カ国の理科カリキュラムの研究を行った。国家の重要な教育政策の立案にも任命された。平成時代に入り,科学技術会議科学技術人材部会委員(内閣総理大臣任命)となり我が国の科学人材育成の政策審議に加わった。また,理科教育産業教育審議会委員(文部大臣任命)となり理振法細目の小・中・高の改訂に従事した。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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