- はじめに
- 第1章 エネルギー教育へのチャレンジ
- 第1節 エネルギーとのおつきあい
- 第2節 様々なエネルギー
- 1 資源としてのエネルギー /2 エネルギーのきまり
- 第3節 ささやかな挑戦に向けて
- 1 これからの学校教育におけるエネルギーの扱い /2 エネルギーの扱い方(戦後の小学校学習指導要領より) /3 STS教育 /4 アプローチの方法 /5 インターフェースとしてのライフテクノロジー
- 第2章 E(エネルギー)となかよし 低学年
- 事例1 おはじきあそびをしよう(全6時間)
- 事例2 はしれ!ビー玉くん(全15時間)
- 第3章 E(エネルギー)とともだち 中学年
- 事例3 太陽の光を調べよう(全9時間)
- 事例4 もののあたたまり方を調べよう(全16時間)
- 事例5 電池の世界をさぐろう(全12時間)
- 第4章 E(エネルギー)とくらし 高学年
- 事例6 おもりのはたらきを調べよう(全14時間)
- 事例7 ものの燃え方を調べよう(全13時間)
- 事例8 電磁石のはたらきを調べよう(全12時間)
- 事例9 太陽をとらえよう(全12時間)
- 第5章 事例図解編
- 事例1 おはじきあそびをしよう
- 事例2 はしれ!ビー玉くん
- 事例3 太陽の光を調べよう
- 事例4 もののあたたまり方を調べよう
- 事例5 電池の世界をさぐろう
- 事例6 おもりのはたらきを調べよう
- 事例7 ものの燃え方を調べよう
- 事例8 電磁石のはたらきを調べよう
- 事例9 太陽をとらえよう
- 【特別寄稿】21世紀のエネルギー環境教育
- ★科学館へ行ってみよう
- ★エネルギー関連サイト
- おわりに
はじめに
これまでに,これほど身の回りの科学に気をつけた時代があったでしょうか。健康ブームと言っては,耳慣れない化学成分の名称を唱えながら,サプリメントを飲んでみたり,メタボリックシンドロームと脅かされながら,カロリー計算をしてジョギングをしてみたりする光景も日常的になってきました。また,岩盤浴,○○セラピー,ワンセグや地デジ,ブログ,ハイブリッドなどの新語も飛び交い,くらしに科学がどんどん注入されています。科学オタクにならないまでも,ついつい気になってしまいます。また教育界においても,学力低下が叫ばれる中,PISAやTIMSS,リテラシー,キー・コンピテンシーなど新しい用語や概念が目白押しで,理科や科学に関してもその内容が注目されています。特に,今日のわたしたちの生活には欠くことのできない「エネルギー」についても,世界が日本の取り組みに期待を寄せているようです。
では,このような時代に,どのように「科学」を教え,「エネルギー」との接し方を伝えていけばよいのでしょうか。とりわけ,小学校段階におけるサイエンスをどのように教え伝えていけばよいのでしょうか。この素朴な疑問が本書執筆の出発点でありました。そして,見出した解答の1つが本書だといえます。
本書の特徴は,次の5点に集約されます。
1 読者がつくるオリジナル授業書
多くの書店に並べられた生活科・理科の学習指導に関する書籍には,この手のタイプはごく稀です。解説風や辞書風,辞典風であったり,学生・生徒用の知識定着型のワークブックであったりします。本書は,そのようなこれまでのテキスト風の読み物としての枠組みから一歩とび出した「読者」参加型の授業書と言えます。もっといえば,読者自らが考え,思い付いたことを書き込むスペースが設けられていることによって,読者のオリジナル・テキストを作成する機会をそなえたことになる画期的な科学(生活科+理科)授業書ということです。
読者主体の授業書をアピールする書き込みスペースは,具体的な授業場面や授業に際して記す板書計画をしたためることができるために作成されています。つまり本書に目を通しているうちに,自分なりのアイデアが浮かんだとき,すぐに書き留めることができるスペースとして用意されているのです。「私のクラスの子どもたちだったら,何て言うかな?」「こんな活動場面を用意したい」など,自分なりに構想した一場面を描くのもいいでしょう。また「この道具の絵をここに貼って,この言葉はこちらに板書して…」というようにスペースの中で板書計画を練ることも考えられます。活用方法も個性的であってかまわないわけです。
2 場面・板書デザインモデル
しかし,まったく何もないところから構想するのも難しいときがあったり,時間的余裕がなかったりする場合もあることでしょう。そういうときのお手伝いとして,場面・板書デザインモデルが用意されています。この場面・板書デザインモデルは,できるだけわかりやすくイラスト風にしており,またその場面・板書で示している道具や用語を取り上げ,わかりやすく解説しています。また,ポイントとなるアイデアを紙面の許す限りていねいに説明しています。
なお説明が必要な項目に関しては,巻末資料にその詳細を載せることによって充実したサポートを心がけています。
3 単元名,ねらいと時間数
さらに形式の特徴的な点には,工夫された単元名と対象学年も挙げられます。単元名は,その単元の「ねらい」を凝縮して端的に表したものと考えられます。つまり,単元名を見れば,その単元のねらいが何であるかが想像できるものです。もし,読者自身が単元名を好きになれなかった場合,自分流に書き直すことができるように,単元名の周りに書き込み可能なスペースを設けています。また,単元ごとに必要とする標準時間数も明記しています。これは,あくまでも目安なので必要時間数や実際にかかった時間数を書き込むことをすすめます。さらに,活動の概略を学習指導案などでよく見受けられる「第○次 ……」といった形式で表し,全体の活動の流れを示しています。「ねらい」の項目は,3つの観点でオーソドックスに例示しています。3観点の内訳は,@関心・意欲・態度(…しようとする),A思考・表現,技能(…することができる),B知識・理解(…することがわかる)となります。
4 エネルギーと環境教育
さて,本書は,形式ばかりがセールスポイントではなく,内容としても存在感をアピールしています。それが,「○○とエネルギー」,「環境教育とのつながり」の項目です。これらの項目は,本書の主張である「エネルギー」についてどのようにとらえているかをわかりやすく解説している部分です。次世代を担う子どもたちへ贈るべくエネルギーや環境からみた教材性を示す箇所であり,最も重要な点としています。例えば,生活科では,「ビー玉遊びとエネルギー」の項目では,「ビー玉遊び」をエネルギーとしてとらえた場合,どのような価値が見出されるかを示しています。同様に理科単元における「ふりことエネルギー」という場合においても,「ふりこ」の教材性をエネルギーからとらえた内容を示すようにしています。そして,「環境教育とのつながり」とした項目では,環境教育に対してどのような点が関連しているのか,あるいはどのようにつながっているかを示しています。教材研究をすすめる際の分析のポイントとして参考になる内容といえるでしょう。
5 エネルギーの情報サポート
本書では,ここで扱っている実践事例がどの系統の「エネルギー」に対応しているか,モニターできるように基本的な鳥瞰図を備えています。また,各単元で使用されている専門的な用語や必要な実験器具の解説などをはじめとして,クイズ形式による「エネルギー関連コラム」の設定や参考となるインターネット上のサイト,「科学館へ行ってみよう」等,知識のサポート体制として,その充実を図っています。また,エネルギー部門関係者の寄稿や筆者の拙稿を用意して,読み物風の参考資料としています。
科学技術立国日本における世界的地位も問い直されつつある今日,本書が一人でも多くの現場の先生方に役立つものであれば望外の喜びと言えます。しかし,浅学の域を超えない者ばかりによる執筆です。ご叱正ご指導を賜ることを切に願う次第です。
最後になりましたが,こうした画期的とも言うべき本書の出版を快諾し,完成に至るまで,貴重なアドバイスをいただいた明治図書出版編集部の石塚氏には,心より感謝申し上げます。
平成19年5月吉日 著者代表 /溝邊 和成
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明治図書
















