授業力アップ!理科室活用ジュツ54

授業力アップ!理科室活用ジュツ54

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理科室を有効活用して授業力アップ!

本書では、様々なプロジェクトと日々の教師の実践をつなぐ1つのシンボリックアイテムとして「理科室」を取り上げてみました。理科室の道具の使い方のみに関心を留めるのではなく、理科室というキーワードから得られる授業力アップをめざしています。


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ISBN:
978-4-18-673014-2
ジャンル:
理科
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
◆第1章◆ 活用術――教科力アップ編
ジュツ1 手軽に簡単に!ミョウバンの結晶を作ろう!
ジュツ2 磁石のふしぎを楽しもう!
ジュツ3 身近な素材を精選・加工!
ジュツ4 炭電池を作ろう
ジュツ5 身の回りの植物を使ったオリジナル指示薬作り!
ジュツ6 表やグラフから考えよう!
ジュツ7 薬品使って自然の美!葉脈標本作り!
ジュツ8 水蒸気でマッチに火をつけよう!
ジュツ9 デジタルカメラ活用!みんなで見よう!
ジュツ10 実験現場発見!
ジュツ11 「らしいもの」見つけ隊
ジュツ12 気になる木の身体検査
ジュツ13 「みつけたよかあど」でしらせよう!
ジュツ14 オリジナルハガキを作ろう!
ジュツ15 解剖顕微鏡を使おう!アサガオの種観察!
ジュツ16 ルーペを使おう!探検が楽しくなる!
ジュツ17 送風機の活用で,多様な活動を可能に!
ジュツ18 雨どいを活用し,「水の力」を実感しよう!
ジュツ19 こんにゃくを作ってみよう
ジュツ20 炭の活用
ジュツ21 エネルギーを作ろう!
ジュツ22 理科室実験と算数のカップリング
ジュツ23 学びの整理や発信に説明文を使おう!
ジュツ24 「暗闇の理科室を活用して」
ジュツ25 「生活排水実験in家庭(理)科室」
ジュツ26 酸は歯を溶かす!?
◆第2章◆ 活用術――施設力アップ編
ジュツ27 大きな水そうでモンシロチョウの育ち方を観察しよう!
ジュツ28 校庭を「バタフライガーデン」〜理科室分室に
ジュツ29 ビオトープから学ぼう
ジュツ30 ビオトープを作ろう:裏技編
ジュツ31 プラネタリウムを有効活用しよう!!
ジュツ32 ミニコーナーを作ろう!!
ジュツ33 サイエンスコーナーで理科への関心をアップ!!
ジュツ34 「頭の中ボードの設置」
ジュツ35 昆虫館の先生に聞いてみよう!
ジュツ36 出前授業で土器作り 校庭で化学実験!?
ジュツ37 木工アート教室に早がわり
ジュツ38 ガス科学館in理科室
◆第3章◆ 活用術――教材力アップ編
ジュツ39 理科室にはこれ!アクティブボードを使おう!
ジュツ40 デジタル機器を使おう
ジュツ41 理科室のテーブルで話し合いを活発に!
ジュツ42 塩化アンモニウムの活用
◆第4章◆ 活用術――コラボ力アップ編
ジュツ43 担任とのコラボレーション
ジュツ44 子どもたちが意欲的に学ぶためのTT,GT
ジュツ45 自然科学系博物館を活用しよう
ジュツ46 専門家とのコラボレーション―学校で炭焼き体験!―
ジュツ47 関電となかよし
ジュツ48 観察会を開催しよう
ジュツ49 修理?作成?研修です
◆第5章◆ 活用術――収廃力アップ編
ジュツ50 いろいろな場へ足を運ぼう
ジュツ51 いつでもどこでも情報収集
ジュツ52 使える使用済み牛乳パック・ペットボトル!!
ジュツ53 身の回りのものを活用しよう!
ジュツ54 廃液混ぜて,カンタン処理!
資料編
資料1 備品一覧(一般)
資料2 消耗品一覧(一般)
資料3 特別な実験器具・薬品

はじめに

 「『青少年の自然体験活動等に関する実態調査』報告書 平成17年度調査」(国立オリンピック記念青少年総合センター,2006)によれば,「太陽の昇るところや沈むところを見る」「チョウやトンボ,バッタなどの昆虫をつかまえる」といった身近な自然体験をほとんどしたことがない青少年が以前と比較して増えているそうです。また,「キャンプ」や「川や海で泳ぐ」ことなど,自然の中で活動する体験を持つ青少年が全般的に減少傾向にあることも指摘されています。TIMSS(2003)調査やPISA調査(2000,2003,2006)とともにこのような結果も含め,昨今我が国では,青少年をはじめとする国民全体において「科学技術離れ」「理科離れ」が問題視されてきました。


 もともと資源の少ない日本は,科学技術の振興により,豊かな国民生活や社会経済の発展及び産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」を目指しています。そのためには,国民全体が科学技術に関心と理解を深めるとともに,次の世代を担う青少年が,科学技術に夢と希望をもち,科学技術に対する志向を高めていくことが重要だと言われています。最近では「理科離れ」現象とのギャップをうめるために,具体的な取り組みも始まっています。例えば,科学好き,理科好きな子どもを増やすため,平成14年度より「科学技術・理科大好きプラン」(文部科学省)が開始されています。他にも科学技術系人材の育成を目指して,「サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)」「理数大好きモデル地域事業」「理科大好きボランティア・理科大好きコーディネーター」「スーパーサイエンススクール(SSH)」「目指せスペシャリスト」などが展開されています。また「国際科学技術コンテストに対する支援」「環境教育推進グリーンプラン」「理科教育等設備整備費補助」「先進的科学技術・理科教育用デジタル教材の開発」等理科関連に力が注がれています。

 こうした動向を背景に新学習指導要領(2008)が示され,日々の理科授業を充実させるべく,教師の地道な努力も求められています。そこで,本書では,様々なプロジェクトと日々の教師の実践をつなぐ1つのシンボリックアイテムとして「理科室」を取り上げてみました。もともと「理科室」は,学校の施設として,様々な教育活動とリンクするにもかかわらず,十分に活用されていなかったり,活用されていたとしても,一部の教師によって,わずかな器具のみが使用されていたりするようです。むしろ,理科室ともっと深く関わることから,理科室活用の可能性を広げるだけでなく,理科室そのものをキーステーションとして様々な授業改革の一翼を担うことも考えられます。したがって,これまでにありがちな理科室の道具の使い方のみに関心を留めるのではなく,特に,理科室というキーワードから得られる授業力アップをめざしています。具体的には,「教科力」,「施設力」,「教材力」,「コラボ力」,「収廃力」の5項目を掲げ,それらを窓口として編集することにしました。

 「教科力」の項では,もちろん理科室に見られる様々な物を扱い,豊かな授業実践のエッセンスが示されるように,実践の語りをベースとした記述にしています。理科をはじめ,生活科,総合的な学習の時間に取り組まれた活動を取り上げています。さらに,理科と他教科の関連に関しても言及しています。「施設力」に関しては,校舎内の教室に限らず校庭も理科室と見立てた実践やコーナー設置の工夫を用意しています。また理科室の「施設力」アップをイメージして他の施設と提携した事例を示しています。「教材力」では,理科室にある「こんなものも授業充実に一役買うことができる」点を示しました。「コラボ力」には,理科の専科として,担任の教師と協力してどのように授業実践するかといった点や専門家と共同する授業実践のポイントなどを記しています。体験的な研修もコラボ力アップにつながる点,これもこの項目に含めています。「収廃力」は,理科室が持つ機能の1つとしてとらえています。「情報や物の収集」と「物品廃棄」を取り上げ,記述しています。

 このような5項目のラインアップによって,理科室の有効活用の点から授業力アップにつながる内容を提案しています。また,各項目では,まず「場面」を設定し,次に「使うもの」や「使いかた」,あるいは「施設」や「活用」などで説明を進めています。要点については,「ここがポイント」や「注意!」といった項目でできるだけわかりやすく解説しています。最後には「応用」として,取り上げた「場面」の「使い方」以外の内容や方法を簡単に示しています。また,特別な器具や薬品,備品や消耗品等は,一覧表として示しています。

 以上,授業力アップを図るべく,「理科室」をキーワードにした編集を試みましたが,まだまだ十分なものとは言えず,不足も多々あろうかと存じます。読者の皆様のご指導を賜ることができれば,望外の喜びです。最後になりましたが,本書刊行にあたり,企画・構成において大変お世話になりました明治図書出版編集部の石塚嘉典氏及び飯島トミ氏に,心より感謝申し上げます。


  平成20年4月   編著者 /溝邊 和成

著者紹介

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甲南女子大学人間科学部総合子ども学科教授。

西宮市内公立学校教諭,神戸大学発達科学部附属明石小学校教諭,広島大学大学院教育学研究科講師を経て,現職。博士(学術)。理科,生活科,総合学習のカリキュラム論,指導論,教師教育に関心をもつ。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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