- はじめに
- T 理科+総合的学習のイメージとコンセプト
- 1 本書で目指す理科+総合とは,何か
- 2 理科の時間から入る「総合的学習」
- ・単元拡張型総合
- 3 総合の時間に生かす理科的アプローチ
- ・ネタ発展型総合
- ・キーワードスタート型総合
- U 理科の時間から入る総合的学習
- 単元拡張型総合
- ・生活の中で生かされる石 6年生
- ・石ころのふるさと探訪 6年生
- ・パイロットになろう 5年生
- ・星をながめて神話をつくろう 6年生
- ・広がる酸・アルカリの世界 1 6年生
- ・広がる酸・アルカリの世界 2 6年生
- ・広がる酸・アルカリの世界 3 6年生
- ・宇宙をめざせ 旧6・新4年生
- V 総合の時間に生かす理科的アプローチ
- ネタ発展型総合
- ・生物年表・太陽系・世界人口,大数字で遊ぼう 6年生
- ・ソーラーバルーンを簡単に作る 4年生
- ・結晶ガーデニング 5年生
- ・イッツ ア 昆虫ワールド 3年生
- ・自作楽器で校歌を演奏しよう 旧3年生
- ・科学ゲーム大会 3・4年生
- キーワードスタート型総合
- (国際理解)
- ・間違った月も正しい 新4・旧5年生
- ・南十字星を探せ 新4・旧6年生
- (情報)
- ・観察カードを選ぼう 全学年応用可
- ・植物が発している情報を整理せよ 全学年応用可
- ・実験・観察器具の説明ビデオを作ろう 全学年応用可
- ・実験ガイドブック作り 全学年応用可
- ・総合の時間に博物館見学を 全学年応用可
- (福祉・ボランティア)
- ・視力障害者(弱視の人)の生活 旧3年生・全学年応用可
- ・白杖(はくじょう)を使おう 旧3年生・全学年応用可
- ・水を飲ませてあげる介助のコツ 6年生
- ・聴力障害者(耳の不自由な人)と耳の特性 旧3年生・全学年応用可
- ・おじいちゃんと筋力 6年生
- (環境)
- ・江の島おもしろガイドを作ろう 6年生
- ・落ちる葉っぱを予言せよ! 4年生
- ・落ち葉マップを作ろう 4年生
- ・生ゴミを活かせ 6年生
- (健康)
- ・強い心臓を作ろう 旧4・新6年生
- ・身近にある薬草 4年生
- (身の回りを見ていく)
- ・わたしの野草図鑑 4年生
- ・わたしたちはマジシャン 4〜6年生
- W 理科+総合的学習のQ&A
- Q1 総合の時間になって,どう変わったのか
- Q2 他教科との兼ね合いはどうなるのか
- Q3 理科的な力は維持できるのか
- Q4 環境,福祉などとの結びつきは不自然?
- Q5 科学クラブネタと同じか
- Q6 単元拡張型とネタ発展型の違いは
- あとがき
はじめに
新指導要領完全実施前の現在にも関わらず,全国で実に様々な総合的学習の実践が報告されている。その中において,本実践,本書の役割は,理科を,総合的学習で生かすこと
の提案である。
理科と総合的学習が以下1〜3のように,仲良しの関係にあるからだ。
1 福祉,情報,国際理解,環境など総合の重要キーワードが理科で生かせる。
これらの総合的学習で叫ばれているキーワードを使った展開が容易である。
また,これらのキーワードを切り口にすることによって,理科がより深く理解されるのだ。となれば,総合的学習も理科の教科学習も,どちらにとっても効果が大きい。
2 通常理科から直線的に,豊富な追究課題が与えられる。
理科は,授業の延長として様々な追究発問,追究課題を与えやすい。
でも通常の理科の時間だけでは時間不足である。だから,総合の時間に存分にやっていけばいい。内容面,時間面で大いに利用価値の高い分野と言える。
3 これまでの研究的資産が生かせる。
理科のいわゆるネタは,これまで多くの教師によって開発されてきた。だが,理科の時間削減で,通常の理科の時間内には消化が難しくなった。しかし,総合の時間の新設で,これらの「資産」は再び生きてくる。新たなネタ開発にも力を注ぐことができる。
こうしたメリットを生かして総合的学習を創ろうという提案である。
本書は,実例集だけではなく,
・理科から始まる総合的学習
・総合の時間の中で生かされる理科的アプローチ
という理論的側面,実践の位置づけを重視し,総合的学習の研究書としても活用ができるようにした。
なお,総合を取り巻く似たような言葉があるが,便宜上,本書では,用語を次のように統一して使うことにした。
総合的学習(使用) → 総合的学習に関わる活動全般
総合の時間(使用) → 時間割上の総合的学習を展開する時間
総合的な時間(不使用) 総合活動(不使用)
総合的な学習の時間(不使用) 総合科(不使用)
また,単元の該当学年は,本書の出版が指導要領移行期間中であることを考慮し,学年配当については,適宜,必要に応じて「新旧」を示すことにした。また,同じ理由で一部新指導要領で削除される部分についても含まれる。
本書で紹介した実践は,ほんの一例にすぎない。実践開発のきっかけになれば幸いである。
/岡田 篤
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