- まえがき
- 第5巻刊行の趣旨
- 第1部 理論編
- T 改訂学習指導要領と新しい保健体育の課題
- 1 保健体育科の改訂のポイント
- (1) 目標の改善について
- (2) 内容及び内容の取り扱いの改善について
- 2 これからの新しい保健体育の課題
- (1) 体育分野
- (2) 保健分野
- U 「保健学習」のねらいと授業づくり
- 1 実践力の育成と保健学習
- (1) なぜ実践力の育成か
- (2) 実践力をどうとらえるか
- 2 保健学習の目指す方向と指導の改善
- (1) 生涯にわたる健康の基礎・基本としての健康リテラシーの形成
- (2) 生きて働く実践力の育成
- (3) 実践力を育てるための指導方法の改善
- 3 保健学習で活用できる多様な指導法
- (1) 実践力の育成と指導法
- (2) 多様な指導法の有効性
- (3) 指導法を選択する場合の方針
- (4) 特性の発揮と“弱点”の補充
- (5) 指導法の柔軟な活用
- (6) 授業の進め方の広がり
- 4 「保健学習」の授業づくり
- (1) 保健分野の内容
- (2) 保健分野の授業時数
- (3) 年間指導計画への位置付け方
- (4) 「保健」の授業づくりの手順
- (5) 評価の観点や方法
- 5 養護教諭と保健学習
- (1) 養護教諭と保健学習とのかかわり
- (2) 保健学習と保健指導との相違
- (3) 養護教諭の特質を生かした保健学習
- 第2部 実践編
- T 「課題学習」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル1〉健康と環境1
- 単元の指導のねらい/ 授業づくりのポイント/ 授業展開の流れ
- 〈授業モデル2〉健康な生活と疾病の予防(健康な生活と生活習慣)
- 単元の指導のねらい/ 授業づくりのポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,ワークシート/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- U 「ロールプレイング」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル3〉喫煙,飲酒,薬物乱用の防止1
- 小単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,ワークシート/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- V 「ディベート」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル4〉喫煙,飲酒,薬物乱用の防止2
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,ワークシート/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- W 「ブレインストーミング」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル5〉心身の機能の発達と心の健康1(性情報への対処)
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 単元の流れ/ 展開/ 資料:まとめ学習カード/ 実践へのアドバイスや配慮事項
- X 「実地調査(フィールドワーク)」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル6〉傷害の防止1(自然災害における傷害の防止)
- 単元の指導のねらい/ 授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項/ 指導資料,学習カード
- Y 「実習」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル7〉傷害の防止2(応急手当)
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料/ 指導実践へのアドバイス
- Z 「コンピュータ」を活用した授業モデル
- 〈授業モデル8〉喫煙,飲酒,薬物乱用の防止3
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,学習カード/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- [ 「養護教諭」が教諭を兼職して行った授業モデル
- 〈授業モデル9〉心の健康1
- 単元の指導のねらい/ 授業づくりのポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 評価の観点及び評価方法等/ 指導資料/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- \ 複数の教師が協力したTT授業のモデル
- 〈授業モデル10〉心の健康2(ストレスへの対処・体ほぐし)
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,学習カード/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- ] 多くの手法を駆使した授業モデル
- 〈授業モデル11〉喫煙,飲酒,薬物乱用の防止4
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- XI 改訂指導要録の「観点別の評価」を取り入れた授業モデル
- 〈授業モデル12〉心身の機能の発達と心の健康2
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 展開/ 評価の観点及び評価方法等/ 学習資料,ワークシート/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
- 〈授業モデル13〉健康と環境2
- 単元の指導のねらい/ 本授業のポイント/ 授業展開の流れ/ 展開/ 指導資料,学習カード/ 指導実践へのアドバイスや配慮事項
まえがき
平成14年度から全面実施された新しい学習指導要領においては,生徒に[生きる力]をはぐくむことを目指し,各学校が,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開することが求められている。
したがって,保健体育科においては,改善の趣旨を踏まえ,新しい課題に対応していかなければならない。
特に,体育分野においては,新しい内容である「体ほぐしの運動」と「現代的なリズムのダンス」についてその基本的な考え方に基づく学習内容とその指導法が新たな課題である。そして,自然体験的な活動の重要性が指摘されていることから新たに位置付けられた「水辺活動」については先進的な取り組み,授業の実践例としてのモデルの作成が課題である。さらに,子どもたちの体力は長期低下傾向に歯止めがかからない状況にあることからその向上方策はいかにあったらよいか今日的な重要課題である。
保健分野においては,課題解決的な学習活動を通して,単に個人生活における健康・安全に関する知識・理解にとどめることなく,自ら学び自ら考え,意志決定を行うことができるよう,実践力を養うための授業モデルの作成が課題である。
以上のことから,今回は,上述の新たな喫緊の課題に対応するために,その授業モデルを開発し,各学校の授業の充実に資するようにした。
その際,もっとも留意したことは,基本的な考え方を十分共通理解できるよう分かり易く解説をしたこと,学習指導の意図を明確にした指導計画(単元計画)を作成したこと,学習内容を基礎的・基本的な内容に精選するとともに参考となる多くの活動の事例を明示したこと,そして,活用しやすい1単位時間の指導案を提示することなどであった。
各巻それぞれに特色があるので,大いに参考にしていただきたい。執筆者は,それぞれの分野で実績のある方ばかりであることから,各学校の先生方にとって示唆に富む内容になったものと確信している。と同時に,よりよい取り組みをされている方からのご叱正,ご助言もいただければ幸いである。
なお,他の運動領域等の指導事例については,本明治図書の『改訂中学校学習指導要領の展開 保健体育科編』(平成11年刊行)を参照していただきたい。
終わりに,本書の発行に際して,石塚嘉典氏,大場亨氏に大変お世話になった。心から感謝したい。
平成15年2月 /本村 清人
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- 明治図書