- まえがき
- 第3巻刊行の趣旨
- 第1部 理論編
- T 改訂学習指導要領と新しい保健体育の課題
- 1 保健体育科の改訂のポイント
- (1) 目標の改善について
- (2) 内容及び内容の取り扱いの改善について
- 2 これからの新しい保健体育の課題
- (1) 体育分野
- (2) 保健分野
- U 「現代的なリズムのダンス」のねらいと授業づくり
- 1 「現代的なリズムのダンス」の特性
- (1) 「現代的なリズムのダンス」とは何か
- 2 「現代的なリズムのダンス」の学習のねらい
- 3 「現代的なリズムのダンス」の授業づくり
- (1) 授業づくりのポイント
- (2) 学習の進め方
- (3) ダンス領域を総合的に学ぶ単元の工夫
- (4) 評価のあり方
- (5) 年間計画への位置付け方
- V 新しい内容の導入に伴うダンス領域の学習
- 1 人をつなぎ,学校や地域を彩るダンス
- (1) ダンスの文化性
- (2) 人をつなぎ,学校や地域を彩るダンス
- 2 ダンスが生かされる「総合的な学習の時間」
- (1) ダンスと総合的な学習の時間
- (2) 総合的な学習の事例
- 3 「体ほぐしの運動」とダンス
- 第2部 実 践 編
- T 「現代的なリズムのダンス」の授業モデル
- 〈1 はじめて取り組む学習のための授業モデル――15分で弾む世界へ〉
- 1 スキップで弾もう――方向転換・歩幅を変えて思いのままに踊る
- 2 フォークダンスのように交流して――2人組で
- 3 「ケン・パー」「グー・パー」からヒップホップへ
- 4 ポーズのまねっこ――友達といっしょに見つける
- 5 マイパラパラを楽しもう
- 6 動きのリレーで踊り続けよう
- 7 ライオンと調教師――ゲーム感覚で動きの体験を広げる
- 〈2 1時間の授業モデル――自分らしくのって踊るリズム系ダンスの喜びを〉
- 8 2人ならできる動きで踊ろう
- 9 民踊ロックにチャレンジ――鳴子を持って好きなリズムを楽しむ
- 10 8・4・2・1からアクセントビートを生かして
- 11 ステップ オン ザ ビート
- 12 伸びる・縮むを手がかりにした動きを継ぎ足して,あっという間にクラス作品を
- 13 やさしい流行のテクニックに挑戦
- 〈3 単元の授業モデル――簡単なまとまりのあるダンスを友達と一緒に踊り切る〉
- 14 曲のイメージから湧き上がる動きを
- 15 毎時間の学習を生かしてまとめ,交流広場で踊ろう
- 16 マイ・ダンスに挑戦――気に入った音楽を選んで交流して踊る
- 17 熱く舞え――現代的な民踊のリズムにのって
- 18 トゥールズ・サウンド――ストンプ風に
- 19 「創作ダンス」に「現代的なリズムのダンス」を組み合わせる
- 20 「現代的なリズムのダンス」から「創作ダンス」へとつなぐ
- U ダンスの総合性を生かした学習の取り組み
- 21 ミュージカルを創ろう――創作ダンスの学習を生かして踊りで綴る
- 22 私たちの街の「ばんば踊り」から「僕らの『ばんば踊り』」を創ろう! ――総合的な学習の取り組み
- 23 日本文化を味わおう! 歌舞伎の世界――総合的学習の取り組み
- 24 創意を拓き,仲間をつなぐ運動会のチームダンスパフォーマンス
- V 教材・授業資料のアイデア集
- 1 こんな時こんな学習指導
- クラスの雰囲気がのってこない/動きが出てこない,すぐに止まってしまう/動きが小さい/リズムにのれない,リズムに合わせて身体が動かない
- 2 すぐに役立つ学習資料
- 動きのバリエーションを見つけよう/流行のテクニックに挑戦/「現代的なリズムのダンス」とルーツ
- 3 すぐに役立つ学習カード
- 個人の記録用紙/学習カード/グループノート/発表会の鑑賞用紙/マイダンスに挑戦/熱く舞え/新しい流行のテクニックに挑戦
- 4 すぐに役立つ音楽
- 音楽探し,音楽選び/音楽リスト
- 5 すぐに役立つVTR
- ヒップホップダンス,ストリートダンスのステップを中心に取り上げているビデオ/ミュージックビデオの活用/ダンス学習VTR
- 6 知っておきたい用語
- アイソレーション/アクセントビート/アップ・ダウン/アフタービート・うらどり/カットアウト/グレープバイン/シンメトリー/ステップ/ストンプ/ダブルカウント/ダンスウォーミングアップ/のり/倍速/ビート/ビボットステップ/フェイドアウト/フレックス/ポイント/ポップス/ボディパーカッション/ユーロビート/ラップ/ルーティン・コンビネーション/レゲエ/ロールアップ/ロールダウン
まえがき
平成14年度から全面実施された新しい学習指導要領においては,生徒に[生きる力]をはぐくむことを目指し,各学校が,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開することが求められている。
したがって,保健体育科においては,改善の趣旨を踏まえ,新しい課題に対応していかなければならない。
特に,体育分野においては,新しい内容である「体ほぐしの運動」と「現代的なリズムのダンス」についてその基本的な考え方に基づく学習内容とその指導法が新たな課題である。そして,自然体験的な活動の重要性が指摘されていることから新たに位置付けられた「水辺活動」については先進的な取り組み,授業の実践例としてのモデルの作成が課題である。さらに,子どもたちの体力は長期低下傾向に歯止めがかからない状況にあることからその向上方策はいかにあったらよいか今日的な重要課題である。
保健分野においては,課題解決的な学習活動を通して,単に個人生活における健康・安全に関する知識・理解にとどめることなく,自ら学び自ら考え,意志決定を行うことができるよう,実践力を養うための授業モデルの作成が課題である。
以上のことから,今回は,上述の新たな喫緊の課題に対応するために,その授業モデルを開発し,各学校の授業の充実に資するようにした。
その際,もっとも留意したことは,基本的な考え方を十分共通理解できるよう分かりやすく解説したこと,学習指導の意図を明確にした指導計画(単元計画)を作成したこと,学習内容を基礎的・基本的な内容に精選するとともに参考となる多くの活動の事例を明示したこと,そして,活用しやすい1単位時間の指導案を提示することなどであった。
各巻それぞれに特色があるので,大いに参考にしていただきたい。執筆者は,それぞれの分野で実績のある方ばかりであることから,各学校の先生方にとって示唆に富む内容になったものと確信している。と同時に,よりよい取り組みをされている方からのご叱正,ご助言もいただければ幸いである。
なお,他の運動領域等の指導事例については,本明治図書の『改訂中学校学習指導要領の展開 保健体育編』(平成11年刊行)を参照していただきたい。
終わりに,本書の発行に際して,石塚嘉典氏,大場亨氏に大変お世話になった。心から感謝したい。
平成15年2月 /本村 清人
-
- 明治図書