- はじめに
- 一 向山型算数で知的な子どもに育てる
- 1 この目で見た松藤学級の算数授業
- (1) 学習の基本は授業中に身につけさせる
- (2) 五年算数難問単元「割合」の授業
- 2 子どもの小さなミスを見逃していないか
- 3 子どもの感想から見えてくる子どもが望む算数の授業とは
- 二 向山型社会・理科で知的な子どもに育てる
- 1 社会科「水の汚れと微生物」の授業
- 2 弟子が記録した追っかけ社会科の授業
- (1) 松藤先生からのメール
- (2) 全員を授業に参加させる技術
- (3) 授業記録(二〇〇四年七月一日 第六時限目)
- 3 基礎基本を教える社会科教科書の使い方
- (1) 教科書の表紙で授業する
- (2) 目次を索引代わりに使う
- (3) グラビア写真を使って資料の読み取りの基礎を教える
- 4 社会科授業での発表と討論の組み立て方
- (1) 発表がうまくなる三つのステップ
- (2) 討論のステップ
- (3) 発表と討論の組み立て方
- 5 理科実験授業「もののとけかた」
- 6 実験のない理科授業はこうやる
- 三 向山型体育で子どもを鍛える
- 1 運動量を保証する体育館体育の授業
- 2 運動会の全体練習に見る全体を動かす原理原則
- 四 松藤学級まるごと参観記
はじめに
私の学級には年間何人かの教師が参観に来る。
その多くは私の所属するサークル大阪風来坊のメンバーである。
メンバーの学校の創立記念日、運動会の代休、私の学校の日曜参観などを利用して朝早くから私の教室にやってくる。
中には丸一日、私の授業を見る教師もいる。授業だけでなく給食や掃除の様子、クラブ活動に至るまで参観する熱心なメンバーもいる。また、毎月定期的に参観に来る教師もいる。
このような参観は嘘をつくことができない。わずか一時間の参観なら準備をして挑むこともできるが、丸一日の参観はそういうわけにはいかない。準備がきかないのだ。クラブ活動など他学年、他学級の児童が活動しているのである。問題を秘めた子も何人かはいる。
このような状況で子どもを動かすにはシステムを作ることが必要だ。
一時間に何をどんな順番でするのか、それがいくつのパーツで成り立っているのか、パーツの時間を何分にするのか、空白が生じた場合はどうするのかなど、いくつかの技術を駆使しないとできない。
クラブ活動であり、給食であり、掃除であり、授業であっても本質は同じだ。
子どもが自動的に動くシステムを作ることが大事である。
私はそのシステムを向山洋一氏から学び、TOSSのメンバーから学んできた。
多くの教師の参観が、また私を鍛えてくれた。
参観者が撮影したビデオを見ながら、自分の立ち方、歩き方、目線、声の明瞭さや抑揚、いわゆる授業者としての基本をチェックするようになった。
これをきっかけに参観者のいない時間にもビデオを撮るようになった。
自分の授業と向山洋一氏の授業を見比べて、リズムとテンポを身につけようと努力をするようになった。
このような体験の延長が、模擬授業へとつながっていく。
小さなセミナーでの模擬授業からやがて一〇〇〇人もの教師の前での模擬授業へとつながっていった。
その第一歩が自分の学級で授業を公開するということだった。
本巻には何年か前の私の授業も載っている。あらためて読んでみるとなんと下手な授業かと思う。しかし、そこにはうまくなりたい、子どもにとって価値ある教師になりたいという 過去の私がいる。だからあえて掲載した。
授業記録を残してくれていたサークルの勇和代氏、畑屋好之氏、北川泰三氏、堂下登美子氏には心より感謝している。
また、最後になったが執筆の機会を与えていただいた明治図書江部満編集長にも感謝の意を表したい。
二〇〇四年八月吉日 /松藤 司
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明治図書
















