音楽授業者に必須の技術、1冊にまとめてみた

音楽授業者に必須の技術、1冊にまとめてみた

新刊

技術を高めれば授業が変わる!子どもたちの音楽も変わる!

音楽の授業づくりに必要な技術はピアノや歌がうまいことではありません。大切なのは、子どもが音楽の何に反応しているかを見取る目。本書では、授業を成立させるために必要な「観察」と、そこから始まる授業技術や展開の仕方を、できるだけ具体的にまとめました。


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ISBN:
978-4-18-528429-5
ジャンル:
音楽
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 176頁
状態:
在庫あり
出荷:
2026年7月15日

もくじ

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序章 教師の観察力で子どもの音楽が変わる
1 音楽の授業で大切にしたいこと
2 その音楽活動は楽しいですか?
3 子どもを「観察」する
4 「観察」から始まる音楽授業
第1章 教師の目と耳を育てる観察と感覚の技術
1 「観察」は「どこ」を見るかを決めてから行う
2 『かもつ列車』を授業する
3 『なべなべそこぬけ』を授業する
4 『アルプス一万尺』を授業する
第2章 観察を働きかけに変える技術
1 観察しただけでは,音楽は変わらない
2 まずは,事実を見つけて褒めるところから
3 すぐに直さず待つことで音楽が動き出す
4 音楽が動き出す一点にだけ触れる
5 身体で感じられる土台をつくるために拍を支える
6 声がけで空気をつくる
第3章 「歌唱」の指導技術
1 歌唱指導で大切にすることを考える
2 歌唱指導の基礎技術を身につける
3 『ひのまる』(1年生)を授業する
4 『虫のこえ』(2年生)を授業する
5 『ふじ山』(3年生)を授業する
6 『もみじ』(4年生)を授業する
7 『こいのぼり』(5年生)を授業する
8 『ふるさと』(6年生)を授業する
9 『森のくまさん』『アイアイ』『あの青い空のように』を授業する
10 『にじ』を授業する
第4章 「器楽」の指導技術
1 器楽指導で大切にすることを考える
2 器楽指導の基礎技術を身につける
3 打楽器を指導する
4 鍵盤ハーモニカを指導する
5 リコーダー導入で『なべなべそこぬけ』を授業する
6 『聖者の行進』を授業する
7 『エーデルワイス』を授業する
第5章 「音楽づくり」の指導技術
1 音楽づくり指導で大切にすることを考える
2 音楽づくり指導の基礎技術を身につける
3 リズムアンサンブルづくりを授業する
4 旋律づくりを授業する
第6章 「鑑賞」の指導技術
1 鑑賞指導で大切にすることを考える
2 鑑賞指導の基礎技術を身につける
3 『サンダーバード』『道化師のギャロップ』『ピンクパンサーのテーマ』を授業する
4 『ハンガリー舞曲第5番』を授業する

序章

教師の観察力で子どもの音楽が変わる


1 音楽の授業で大切にしたいこと

 CDを流して歌わせたっていいです。ピアノが弾けなくても,大丈夫です。音楽が得意じゃなくても,授業はできます。だから,まず安心してください。その代わりに,一つだけ大切にしてほしいことがあります。

 それは,子どもが音楽の何に反応しているかを,ちゃんと見ているかどうかです。

 私は低学年の子どもたちによく,こんな話をします。

 「ただの遊びと,音楽遊びはちがうんだよ」

 例えば『かもつ列車』をやっているとき。音楽に関係なく走り回っていたら,それはただの遊びです。どれだけ楽しそうでも,音楽に反応していなければ,音楽の授業でやる意味はありません。

 でも,音楽に合わせて身体が動いて,リズムに乗って,友だちとタイミングを合わせていたら。それは,立派な音楽の学びです。同じ活動でも,まったく別物になります。


2 その音楽活動は楽しいですか?

 授業づくりにも,音楽の学び方(学ばせ方)にも,いろいろな考え方があります。でも,その活動が楽しいかどうかは,どの教科でも大切ですよね。

 そして音楽は,その中でも,特に「楽しさ」が大切な教科です。学習指導要領にも,「音楽を愛好する心情を育む」と書かれています。

 音楽が楽しい。音楽が好き。この気持ちがなければ,音楽の学びは続きません。

 ただし,ここでいう「楽しさ」は,なんでもいいわけではありません。にぎやかであればいい,というものでもありません。


  音楽に反応して,思わず身体が動いてしまう。

  友だちの声を,もっと聴きたくなる。

  音がそろったときに,「おっ」と思う。


 そういう楽しさです。

 逆に言えば,どれだけ盛り上がっていても,音楽に反応していなければ,それは音楽の楽しさではありません。


3 子どもを「観察」する

 ここまで読んで,「でも,何を見ればいいの?」と思った方もいるかもしれません。実際,多くの先生がここで悩みます。


 ・歌っているけど,これでいいのか分からない

 ・合奏しているけど,どこを直せばいいか分からない

 ・任せてみたけど,うまくいかない


 その原因は,教え方ではありません。「観察」の視点が決まっていないことです。

 音楽の授業は,子どもが音楽に出合うところから始まります。音楽に出合った子どもは,何かしらの反応を示します。例えば,体のどこかが動く,表情が変わる,思わず声を出す,などです。まずは,このような反応に,教師が気付けるかどうかが大切です。

 なぜなら,音楽はもともと目に見えない。音楽と出合った子どもがどのように感じているのか,ということも目には見えない。つまり,子どもの反応とは,見えないものを見えるようにしてくれているということなのです。

 だから,これを「観察」する。正直に言うと,ここさえできていれば,授業は大きく崩れません。子どもが「音楽から何を感じ取っているか」「音楽のどの要素に興味を示しているか」が見えてくる。何より,「音楽を楽しんでいるかどうか」が見えてくる。そうなれば,子どもに寄り添った授業ができそうな気がしませんか? 逆に,ここが曖昧なままだと,どれだけ工夫しても,うまくいきません。


4 「観察」から始まる音楽授業

 本書では,音楽の授業を成立させるために必要な「観察」と,そこから始まる授業技術や展開の仕方を,できるだけ具体的にまとめました。

 どこから読んでも大丈夫です。気になったところから,一つ試してみてください。

 まずは,教師が音楽的視点をもって子どもをよく見ること。そこからすべてが始まります。きっと,たくさん子どもを褒めたくなると思います。

 その小さな変化が,教師の授業技術を高めます。そして授業を変えていきます。子どもたちの音楽も,きっと変わっていきます。



著者紹介

笠原 壮史(かさはら そうし)著書を検索»

筑波大学附属小学校教諭。国立音楽大学声楽学科卒業後,イタリアへ留学し現地でオペラデビューを果たす。6年間の歌手活動ののち帰国。2008年に新潟市公立小学校教諭として採用される。新潟市立味方小学校,新潟大学附属新潟小学校勤務を経て現在に至る。小学校における歌唱教育の在り方を主な研究領域とし,子どもが歌うという行為そのものの素晴らしさを体験できる授業を目指して実践を重ねている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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