授業力アップシリーズ4
教材との葛藤で授業をつくる

授業力アップシリーズ4教材との葛藤で授業をつくる

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教材との格闘で授業力をつける!

授業をつくる上で「教材との葛藤」は避けて通れない。授業の原則は知っていても授業の原則を組み込んだ授業をつくれるかどうかは別問題だ。授業づくりは問題意識の持ち方、情報収集、構成力など全力量が関わるからだ。


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ISBN:
4-18-511431-1
ジャンル:
授業全般
刊行:
2刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき /大森 修
T おもわず実行したくなる授業をどうつくるか
〜『朝ご飯パワー』の授業〜 /齋藤 一子
一 授業の「たね」は、目の前の子どもの事実の中にある
二 情報を集めるコツ@〈ネットサーフィンで広く網をかける〉
三 情報を集めるコツA〈身近な専門家〜養護教諭と栄養士さん〜から深い情報を得る〉
四 情報を集めるコツB〈書籍で、外堀内堀を固める〉
五 授業の骨格をつくる〈専用ノートに書き留める〉
六 主張は、一点にしぼる
七 七分でも四十五分を意識する
八 食育ならば、スキルがいる
九 ひとめでわかる、ずしっとくる
十 サイト作り
十一 「朝ご飯」授業の実際
十二 授業のよしあしは、目の前の子どもが教えてくれる
U 「教えたいことをそのまま教えない授業」への挑戦
/山田 淳
一 猛烈な敗北感
二 冷静に授業を振り返る
三 ポイントはこの二つだ! 〜二〇〇二年のサマーセミナーでの学び〜
四 再び理科の授業への挑戦
五 教材との格闘 その一 〜授業の内容を決める〜
六 教材との格闘 その二 〜発問百問づくりへ〜
七 教材との格闘 その三 〜とにかく資料にあたる〜
八 できあがった授業案
九 酷評されたサークルでの模擬授業
十 全て捨てて、最初から 〜本当の格闘〜
十一 ぎりぎりでできた授業案
十二 細部までこだわりをもって準備する
十三 たくみ講座での学び
十四 理科の授業「人のからだ 心臓の仕組み 六年生」
十五 大森修氏の言葉
V 日本一授業のヘッタクソな教師の「教材との葛藤」への挑戦
/伊藤 隆之
一 日本一授業のヘッタクソな教師の「教材との葛藤」
二 子どものせいにしているうちは「教材との葛藤」などできない
三 口当たりのよい比喩やスローガンを使っているようでは「教材との葛藤」をしたとはいえない
四 授業停止! 混乱の公開授業
五 大森校長が初任者に語る修業の仕方
六 「教材との葛藤」に挑戦!
七 再度、向山氏の目の前で授業を!
W 驚きと発見のある理科の授業をつくる
〜ドングリの授業〜 /高野 久昭
一 ジレンマ
二 研究は足元にある
三 一冊の本
四 サークルでの模擬授業
五 著者へ
六 六十個のドングリの芽
七 講座での模擬授業
八 ドングリの授業再考
X 手遅れの三十代からの挑戦
〜英会話の授業はこうつくる〜 /落合 義貴
一 手遅れの三十代からの挑戦
二 岩倉氏からの学び
三 英会話セミナーに向けて
四 相手意識はあるか
五 リベンジ
六 評定
Y 子どもたちにこの人の生き方を伝えたい
〜「嘉瀬花火師さん、夜空にかける願い」道徳授業づくりへの道〜 /近藤 滋子
一 突き動かされる思いを持った時が授業づくりのスタート
二 始終考えていること情報がやってくる
三 構想メモ千個
四 構想メモの中で新聞社へ連絡・さらに資料が
五 人の生き方を取り上げるならその人に会う――嘉瀬花火師さんのお宅へいざ――
六 授業づくりでさらに人とのつながりが
七 授業を貫くものはついについに授業がはっきりした
八 サークルの仲間に支えられて
九 本人の前で授業
十 神様からのプレゼント
あとがき /松野 孝

まえがき

 授業力アップが急務だ。

 指導力不足教員の再研修制度が本格的に始まった。

 人事考課制度も目前である。

 授業力とは、授業をする力のことである。

 授業をする力は、何で見るのか。

 向山洋一氏がいう、授業の原理・原則十カ条を踏まえた授業ができるかどうかである。

 これが第一の基本である。

 授業の原理・原則を踏まえた上で、各教科の授業ができなければならないのだ。

 これだけではない。

 総合的な学習における、食の授業や環境・エネルギーの授業、さらには、英会話の授業もできなければならないのだ。

 これらの授業は、次のことにも対応した形でできなければならない。

 それは、何か。

 特別支援教育である。

 教室にいるADHDやLD、そしてアスペルガー症候群などの子どもにもわかる・できる授業をしなければならないのである。このためには、授業の原理・原則十カ条プラス個別対応の技術がなければならない。

 特別支援教育の第一人者である東北大学医学部の横山浩之氏は、次の授業を求めている。

 1 双方向性(ツーウエイ)がある授業

 2 レディネスの範囲が広い授業

 3 神経心理学的な理論に基づいている授業

 4 スモールステップで組まれた授業

 5 教材の系統性を考えた授業

 これらの要件をそなえた授業が求められているのである。

 一方で、次のことが始まっている。

 教師の授業力検定である。

 教師の授業力が、公教育が始まって百三十年を経て初めて検定されようとしている。画期的な出来事である。

 人事考課制度はいずれ、授業検定制度にとって代わられるであろう。なぜならば、人事考課制度よりもはるかに実効性が期待できるからである。

 教員の免許状は、大学院卒でないと取得できないようにすべきだという記事が掲載された。

 しかし、である。

 これも、いただけない。

 なぜならば、大学で免許を取得した教師と大学院を出て専修免許を取得した教師では甲乙の差がない。

 大学での講義内容が問題なのである。大学院ではだれが教えるのか? 大学の教師が大学院でも教えているのである。よくなるはずもない。

 授業力検定制度は、教師の実践から生まれた制度であり、極めて実践的である。

 先にあげた、課題をクリアするにたる内容があるのだ。

 では、授業力検定に耐えるだけの授業力をどのようにしたら身につけることができるのかである。

 本シリーズは、このような課題に答えるために編集された。

 読者が本シリーズを通して、自らの授業力アップを図り、二十一世紀に活躍する子どもに力をつけてくれることを願う。

 この企画は、江部満明治図書相談役のもとで練られ、TOSS新潟のメンバーが総力を上げて執筆したものである。

 このような企画に携わる機会を与えていただいた江部満氏に感謝申し上げる。


  平成十六年五月   編集人 /大森 修

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      明治図書

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