- まえがき
- T 総合学習のABC
- ―地域の素材を料理する
- 一 身近なところから掘り起こす
- 二 身近なところから世界が見える
- 三 自分たちで手間隙かけた教材開発を
- 四 身近なところから発展させる具体例――愛知県・大浜小の杉浦先生の取り組みから――
- 五 総合の教材の条件
- 六 問題を解決して、課題を見つける
- 七 子どもの動きを見ながら次の手を打っていく
- 八 教科書から発展させる例
- 九 見えないものを洞察する力
- U 総合的な学習最前線
- 一 「総合的な学習の時間」の構造
- 二 「稚内」の意味は?
- 三 落ち葉は、木のうんこ
- 四 石垣苺を温度でだます
- 五 酸素はどこから?
- 六 ウンチの蘊蓄
- 七 発信する水族館・動物園・博物館
- 八 動物園の「はてな?」
- 九 総合的な学習を創る教師の資質
- V 総合的学習で身のまわりの見方が変わる
- 一 身のまわりの「はてな?」
- 二 選挙を楽しむ?
- 三 火を噴く学力低下論
- 四 教材開発をするには?
- 五 具体例「トイレから世界が見える」
- W 総合的学習の進め方
- 一 暇で暇でたまりません
- 二 研究の積み上げのある学校は指導案の重みが違う
- 三 ティッシュペーパーから海苔が見える
- 四 本家・元祖・ここが入り口
- 五 総合学習では、自ら学ぼうとする姿勢をつくってやる
- 六 弓矢の教材を視点とすると、いろいろなものが見えてくる
- 七 日本は蜂まで輸入している
- 八 もっと違ったものがでてくる発問、これがゆさぶり
- 九 見方を教えるのが総合。知識ではない
- X 富士山学習と教材開発
- 一 めずらしい研究会
- 二 私の提言四つ
- 三 学習とは、比べること
- 四 富士山と日本一低い山を比べる
- 五 富士山を教材として、『はてな?』発見技能を育てる
- (1) なぜ「富士山」は日本各地にあるのか?
- (2) 富士山が見える県はいったいいくつあるのか?
- (3) 富士山は、何月が一番見えるか
- (4) 冬がよく見えるのはなぜか?
- (5) 風が富士山の周りの煙などを浄化するなら、他に浄化するものがあるのか?
- (6) なんでこんな小さな川が一級河川か?ということから切り込む
- (7) 雨は富士山のどのあたりが一番多いのか?
- (8) 三七七六・三mはいつ決まったのか?
- (9) 富士山を一番最初に測ったのは誰か?
- (10) 今、火山は日本にいくつあるのか?
- 六 ある程度の知識がないと、ものは見えない
- 七 富士山学習にも基礎的知識が必要ではないか?
- (1) 富士山は富士宮に何をもたらしたか?
- (2) 一合目、二合目はなんで決まったか?
- (3) 富士山による天気予報
- 八 総合的な学習と教科はどこが違うか
- 九 基礎基本としての学習技能が18ある
- 十 調べる技能
- 十一 総合的学習の評価と子どもウォッチング術
- Y 地域教材はこう開発する
- 一 便器を教材化する
- 二 日本の便器はすばらしい!
- 三 世界のトイレ事情
- 四 おしりをふくもの〜トイレットペーパー?
- 五 重要文化財のトイレ
- 六 教材開発の仕方〜若いカマスのように
- 七 アンテナは高く・ひろく1〜駅弁
- 八 アンテナは高く・ひろく2〜いちょうの木を植えたわけ
- 九 アンテナは高く・ひろく3〜池田町サミット
- 十 アンテナは高く・ひろく4〜米沢の観光客
- 十一 アンテナは高く・ひろく5〜熱海の観光客とその推移
- 十二 山に関する面白ネタ
- 十三 教材開発・河川の面白さ
- Z 新しい教育課程と総合的な学習
- はじめに
- 一 授業はスイカだ!
- 二 新しい教育課程の構造
- 三 先進校の問題点
- 四 地域教材の開発を
- 五 教科と総合の関係は車の両輪――教科は基礎基本――
- 六 総合的学習の具体例
- 七 指導するということ
- あとがき
- 有田和正主要著書一覧
まえがき
今に限らず、いつの時代でも教育界に向けられる目は厳しい。それは、社会の人々が日本の将来のために有為な人材を育ててほしいと願っているからである。教育のあり方が、国の将来にかかっているからである。この社会の要請に、今の日本の教育界は応えているといえるだろうか。ちょっと心もとない感じがしている。
学力低下、学級崩壊、マナー不足の子どもの続出。それに何よりも授業の質の低下が指摘され、教師の研修も、初任研からとうとう十年研までしなくてはならなくなった。社会はどんどん変化しているのに、教育界は旧態依然としてなかなか変わらない。
子どもたちは、面白くもおかしくもない授業に耐えかねて、小・中学生まで新聞に投稿するまでになっている。ある高校生は、「教師の質の悪化はすさまじい。もっと生徒本位の授業を考えてほしい」と、悲鳴とも思えるような投稿をしている。これは、子どもたちの「声の代表」とわたしは受け止めた。これとの関係か、大阪では学力不足と認定された教師が分限免職になった。
こうした社会的状況を「社会からの要請」と、受け止め、「指導力アップ術シリーズ18巻」を、この機に出すことにした。今ほど教師の指導力が注目されている時代はないからである。
まず、「授業とは何か」ということを明らかにしながら、今求められている「真のプロ教師像」を究明してみた。それはただの指導技術ではダメである。プロ教師は、深く確かな内容と、子どもに対する深い愛情の裏づけのある人でなくてはならない。
保護者たちは、担任教師の実力を、いろいろな面から常に観察している。昔ながらの授業をしていたのでは、たちまち「指導力不足」のレッテルをはられる時代である。こうならないよう、教師は常に研修にはげまなくてはならない。そのお手伝いを本シリーズでしてみたいと考えたのである。
授業を面白くし、子どもに実力をつけるには、教材の把握はもちろんであるが、学級の質が大きくものをいう。学級づくり、それも楽しい学級づくりそしながら、子どもが「はてな?」を発見し、それを追究することに熱中し、ひいては「追究の鬼」といわれる子どもを育てたいのである。
長年の経験を生かして、学級づくり、授業づくり、授業がうまくなるレシピを書いた。教材開発のしかた、子どもに調べる力のつけ方なども明らかにした。平成一四年度から総合的学習が本格的に実施に移された。これについても今までいろんな提案をしてきたが、今回のシリーズの中でも、「こうすれば必ずうまくいく」という内容と方法を明らかに、それを提案している。やり方によっては、総合は実に面白い。力もつく。
今の教師たちに足りないのは、実力だけではなくユーモアも足りない。ゆとりがない。もちろん、保護者にも足りない。このギスギスした社会をユーモアで乗りきってほしいと願い、この面の提案もした。
要するに、本シリーズは、授業論、学級経営論、教材開発論、総合的学習論、指導技術論、そして、ユーモア教育論等々、現時点での私の総力をあげて総合的に取り組んだものを提案したものである。一読されて御指導いただければ幸いである。
二〇〇三年六月吉日 /有田 和正
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明治図書
















