- まえがき
- T 小学校ではおもしろい問題史を
- 一 「体系的な歴史」は存在するか
- 二 時代順の歴史学習を疑う
- 三 小学校ではおもしろい問題史を
- U 単元「道と小石川台地のくらし」
- 一 学習指導案
- 二 授業の実際
- 三 研究協議(要約)
- V 「黒岩さんのレタスづくり」の授業
- 一 問題をもたせる
- 1 資料の提示
- 2 プリントに着色作業
- 3 問題の成立
- 二 予想をたてる
- 1 一五回に分けているわけ(予想)
- 2 レタスの箱をもってくる
- 3 早くも動き出した子ども
- 4 再び黒岩さんのレタスづくりの予想
- 三 黒岩さんに聞いてみたいこと
- 四 黒岩さんの話
- 五 まとめ
- W 「くらしと水」(四年生)の授業
- 一 「水道の水は自然のものかつくったものか」の授業
- 二 「水道ができるまで」の授業
- X 「はてな?」から個性的思考へ
- 一 個性的な「はてな?」をどう引き出すか
- 二 育ってきた個性的な子ども
- Y 資料の読み方をきたえる
- 一 いかにおもしろい問題をなげかけるか
- 二 資料の読みとりを工夫しているか
- 三 子どもは指導によって変わる
- Z 授業がちょっとうまくなる授業のレシピ
- 一 教科書教材の開発で基礎的学習技能を磨く
- 1 応用発展できるものを教える
- 2 教科書で基礎的知識と技能をつける
- 3 地図帳を教材として活用する
- 二 授業は子どもに見えないものを見えるようにすること
- ─イラストや「もの」の意味を考えさせる─
- 1 教材で授業は決まる?
- 2 イラストと発問の組み合わせ
- 3 「もの」教材は有効
- 三 子どもが工夫する余地をつくる
- 1 点数ばかり気にしすぎる
- 2 必ず工夫する余地をつくる
- 四 内容の要点と思考の変容が見えるノート
- 1 白いチョークを一つ下さい
- 2 成長の足跡の見えるノート
- 五 二つの大失敗で目がさめる?
- 1 失敗を生かせるか?
- 2 飛び込み授業の学年を間違えた!
- 3 大切な発言を無視した!
- 六 興味関心から出発する?
- ─裏でやらせが─
- 1 興味関心の全くない子に教えることは不可能
- 2 マントの厚さによって指導は違ってくる
- [ 学習指導要領は大綱化・弾力化した
- 一 学習指導要領は以前から大綱を示すもの
- 二 二一世紀の学力は「学習技能」だ
- 1 特色ある授業づくり
- 2 基礎基本の学力は低下する?
- 三 「トライやる・ウィーク」に学びたい
- 1 予想を上回るすばらしい成果
- 2 ぜひ特色ある地域づくり、学校づくりを
- 四 特色ある教育課程づくりを
- あとがき
- /有田 和正 主要著書一覧
まえがき
今に限らず、いつの時代でも教育界に向けられる目は厳しい。それは、社会の人々が日本の将来のために有為な人材を育ててほしいと願っているからです。教育のあり方が、国の将来にかかっているからである。この社会の要請に、今の日本の教育界は応えているといえるだろうか。ちょっと心もとない感じがしている。
学力低下、学級崩壊、マナー不足の子どもの続出。それに何よりも授業の質の低下が指摘され、教師の研修も、初任研からとうとう十年研までしなくてはならなくなった。社会はどんどん変化しているのに、教育界は旧態依然としてなかなか変わらない。
子どもたちは、面白くもおかしくもない授業に耐えかねて、小・中学生まで新聞に投稿するまでになっている。ある高校生は、「教師の質の悪化はすさまじい。もっと生徒本位の授業を考えてほしい」と、悲鳴とも思えるような投稿をしている。これは、子どもたちの「声の代表」とわたしは受け止めた。これとの関係か、大阪では学力不足と認定された教師が分限免職になった。
こうした社会的状況を「社会からの要請」と受け止め、「指導力アップ術シリーズ18巻」を、この機に出すことにした。今ほど教師の指導力が注目されている時代はないからである。
まず、「授業とは何か」ということを明らかにしながら、今求められている「真のプロ教師像」を究明してみた。それはただの指導技術ではダメである。プロ教師は、深く確かな内容と、子どもに対する深い愛情の裏づけのある人でなくてはならない。
保護者たちは、担任教師の実力を、いろいろな面から常に観察している。昔ながらの授業をしていたのでは、たちまち「指導力不足」のレッテルをはられる時代である。こうならないよう、教師は常に研修にはげまなくてはならない。そのお手伝いを本シリーズでしてみたいと考えたのである。
授業を面白くし、子どもに実力をつけるには、教材の把握はもちろんであるが、学級の質が大きくものをいう。学級づくり、それも楽しい学級づくりをしながら、子どもが「はてな?」を発見し、それを追究することに熱中し、ひいては「追究の鬼」といわれる子どもを育てたいのである。
長年の経験を生かして、学級づくり、授業づくり、授業がうまくなるレシピを書いた。教材開発のしかた、子どもに調べる力のつけ方なども明らかにした。平成一四年度から総合的学習が本格的に実施に移された。これについても今までいろんな提案をしてきたが、今回のシリーズの中でも、「こうすれば必ずうまくいく」という内容と方法を明らかにし、それを提案している。やり方によっては、総合は実に面白い。力もつく。
今の教師たちに足りないのは、実力だけではなくユーモアも足りない。ゆとりがない。もちろん、保護者にも足りない。このギスギスした社会をユーモアで乗り切ってほしいと願い、この面の提案もした。
要するに、本シリーズは、授業論、学級経営論、教材開発論、総合的学習論、指導技術論、そして、ユーモア教育論等々、現時点での私の総力をあげて総合的に取り組んだものを提案したものである。一読されて御指導いただければ幸いである。
二〇〇三年六月吉日 /有田 和正
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明治図書
















