- まえがき
- T 「ネタ」開発と授業
- 一 授業を十倍たのしくするために
- 1 授業をたのしくするために
- 2 ネタ開発の力量を高めるために
- 3 手持ち財産を増やすために
- 二 授業研究としての教材開発
- 1 授業研究をどのように進めるか
- 2 教材開発をどう進めるか
- 3 授業のパターン化をどうすべきか
- U 「ネタ」開発ノウハウ
- 一 子どもが熱中するネタ開発事例
- 1 ネタ開発二三八事例
- (1) どんなネタに子どもは熱中するか
- (2) 子どもが熱中するネタ
- 2 子どもが熱中する教材の見つけ方
- (1) 子どもを熱中させるには
- (2) 子どもの中にはどんな教材があるか
- 二 他人の話をヒントにする
- 1 いちごの富士登山
- (1) 運転手の話からヒント
- (2) 資料の入手
- (3) いちごの花粉つけ
- (4) 高知県庁で取材
- (5) 二期作の移りかわり
- (6) ネタをあたためる
- (7) いちごの冷水処理法
- 2 新潟市は雪が少ない?
- (1) 冬でも車は困らない!
- (2) それは佐渡に金山があるからだ!
- 三 問題意識をもって見てまわる
- 1 ブタの飼育をネタにする
- (1) 養豚場を取材する
- (2) 圧死防止法
- (3) 水飲み器になじめないブタ
- (4) ブタの成長と飼料
- (5) 決まった乳首をすう子ブタ
- 2 「石垣いちご」をネタにする
- (1) いきあたりばったりの取材
- (2) マイナス条件をプラスに
- (3) コンクリート板は何のため?
- (4) 久能は本当に暖かいか?
- (5) いちごの富士登山
- (6) どうしてさかんになったか?
- 四 車の中から取材する ――山口県・川棚のたまねぎづくり――
- 1 ネタがなくなるか?
- 2 認識のしかたとネタ
- 3 川棚のたまねぎづくり
- (1) 山口県にも輪中があった!
- (2) そまつな小屋は貯蔵庫
- (3) たまねぎづくりの仕事量
- (4) たまねぎの出荷時期は?
- (5) 取り入れ・貯蔵・出荷の関係
- 4 取材のしかたを取材する ――三好保雄氏の同乗記――
- 五 「あれ!」と思うことを調べる ――砺波平野の防風林――
- 1 防風林の方向がちがうぞ!
- 2 屋敷林のはたらきは?
- 3 屋敷林が変化してるぞ!
- 4 屋敷林は散村・集村のどちらにあるか?
- 5 散村と集村の授業
- 六 「ネタ発掘」にみる有田和正氏の力量/暫渡辺喜男
- V 体験させたい「調査活動」
- 一 「太陽」(ネタ)でマントをぬがせよ
- 1 子どもはマントを着ている?
- 2 何でマントをぬがせるか
- 3 凸レンズも必要
- 二 太陽(ネタ)と凸レンズをさがせ
- 1 太陽(ネタ)さがし
- 2 凸レンズさがし
- W 総合的学習もネタ開発が勝負
- 一 身近なことから世界が見える実践
- 1 寺が多いのはどうして?
- 2 醤油作り(六年)
- 3 みそから歴史が見える
- 二 暑さを武器にした沖縄の野菜づくり
- 1 欠点は「冬がないこと」
- 2 暑さを武器にした作物作り
- 三 街路樹は「町の顔」
- 1 街路樹は「町の顔」
- 2 街路樹の歴史
- 3 近代街路樹の幕あけ
- 4 街路樹の使命
- 四 地域の歴史や特色がみえる菓子
- 1 地域の歴史がみえる菓子に出会う
- 2 職人芸のみえる菓子
- 3 地域の特色がみえる菓子
- X ネタを生かす授業技術
- あとがき
- 有田和正主要著書一覧
まえがき
今に限らず、いつの時代でも教育界に向けられる目は厳しい。それは、社会の人々が日本の将来のために有為な人材を育ててほしいと願っているからである。教育のあり方が、国の将来にかかっているからである。この社会の要請に、今の日本の教育界は応えているといえるだろうか。ちょっと心もとない感じがしている。
学力低下、学級崩壊、マナー不足の子どもの続出。それに何よりも授業の質の低下が指摘され、教師の研修も、初任研からとうとう十年研までしなくてはならなくなった。社会はどんどん変化しているのに、教育界は旧態依然としてなかなか変わらない。
子どもたちは、面白くもおかしくもない授業に耐えかねて、小・中学生まで新聞に投稿するまでになっている。ある高校生は、「教師の質の悪化はすさまじい。もっと生徒本位の授業を考えてほしい」と、悲鳴とも思えるような投稿をしている。これは、子どもたちの「声の代表」とわたしは受け止めた。これとの関係か、大阪では学力不足と認定された教師が分限免職になった。
こうした社会的状況を「社会からの要請」と受け止め、「指導力アップ術シリーズ18巻」を、この機に出すことにした。今ほど教師の指導力が注目されている時代はないからである。
まず、「授業とは何か」ということを明らかにしながら、今求められている「真のプロ教師像」を究明してみた。それはただの指導技術ではダメである。プロ教師は、深く確かな内容と、子どもに対する深い愛情の裏づけのある人でなくてはならない。
保護者たちは、担任教師の実力を、いろいろな面から常に観察している。昔ながらの授業をしていたのでは、たちまち「指導力不足」のレッテルをはられる時代である。こうならないよう、教師は常に研修にはげまなくてはならない。そのお手伝いを本シリーズでしてみたいと考えたのである。
授業を面白くし、子どもに実力をつけるには、教材の把握はもちろんであるが、学級の質が大きくものをいう。学級づくり、それも楽しい学級づくりをしながら、子どもが「はてな?」を発見し、それを追究することに熱中し、ひいては「追究の鬼」といわれる子どもを育てたいのである。
長年の経験を生かして、学級づくり、授業づくり、授業がうまくなるレシピを書いた。教材開発のしかた、子どもに調べる力のつけ方なども明らかにした。平成一四年度から総合的学習が本格的に実施に移された。これについても今までいろんな提案をしてきたが、今回のシリーズの中でも、「こうすれば必ずうまくいく」という内容と方法を明らかにし、それを提案している。やり方によっては、総合は実に面白い。力もつく。
今の教師たちに足りないのは、実力だけではなくユーモアも足りない。ゆとりがない。もちろん、保護者にも足りない。このギスギスした社会をユーモアで乗り切ってほしいと願い、この面の提案もした。
要するに、本シリーズは、授業論、学級経営論、教材開発論、総合的学習論、指導技術論、そして、ユーモア教育論等々、現時点での私の総力をあげて総合的に取り組んだものを提案したものである。一読されて御指導いただければ幸いである。
二〇〇三年六月吉日 /有田 和正
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明治図書
















