- まえがき
- T 「はてな?」のない授業
- U 「はてな?」が追究の原動力
- V どんなネタがよいか
- 一 「はてな?」発見の苦手な子ども
- 二 いいネタを準備する
- W あらゆるものに「はてな?」を
- 一 遠足を面白くするには
- 二 見学を面白くするには
- X 「はてな?」を発見する目
- 一 身の回りの「はてな?」
- 二 授業を発展させる
- 三 「はてな?」と書くこと
- Y「はてな?」から追究へ
- ─日本の工業生産
- 一 もらった「下じき」から問題発見
- 1 見学の前にしたこと
- 2 下じきから問題発見
- 3 扇島へ移ったわけ
- 4 国語の学習とドッキング
- 5 扇島が二つの市にまたがっているわけ
- 二 子どもの問題意識はどこにあるか
- 1 公害か能率か?
- 2 小川の問題意識の変容
- 3 事実を提示して考えさせる
- Z 「はてな?」を生かす授業
- 一 単元「日本の食料生産」の導入
- 1 「はてな?」を発見すること
- 2 「はてな?」の出る授業
- 3 「はてな?」を引き出す授業
- 二 単元「日本の食料生産」の展開
- 1 子どもの追究
- 2 安い米をどうして作るのか
- 3 米の多くとれるところはどこか
- 4 体当たりで調べる子どもたち
- 三 単元「日本の食料生産」の発展
- 1 新しい問題のなげかけ
- 2 どちらが専業農家か
- 3 どちらが生活が楽か
- 4 子どもの追究
- 5 兼業農家が楽か
- 6 兼業農家がなぜふえたか
- 四 東京の農業
- 1 東京二三区に専業農家があるか
- 2 東京二三区に牧場があるか
- 3 牧場があった!
- 4 子どもの追究を生かす
- [ 学ぶ習慣を育てる「宿題」の条件
- 一 「はてな?」で終わる授業が学ぶ習慣を育てる
- 1 工夫する余地のある内容を
- 2 「はてな?」で終わる授業をする
- 二 学ぶ態度を身につけ、学ぶ楽しさを知る
- 1 三つの提案
- 2 調べるくせをつける
- 3 読書好きにする
- 4 よく見て考えるくせをつける
- 三 学びが深まる身近な研究テーマを発見させる
- 1 作品審査も学びである
- 2 子どもの学びが見える作品
- 3 どんなテーマを見つけているか
- 四 「はてな?」発見の楽しみと調べること
- 1 ぶどう棚の高さは家によって違う?
- 2 梨もぶどうと同じ作り方?
- あとがき
- 有田和正主要著書一覧
まえがき
今に限らず、いつの時代でも教育界に向けられる目は厳しい。それは、社会の人々が日本の将来のために有為な人材を育ててほしいと願っているからである。教育のあり方が、国の将来にかかっているからである。この社会の要請に、今の日本の教育界は応えているといえるだろうか。ちょっと心もとない感じがしている。
学力低下、学級崩壊、マナー不足の子どもの続出。それに何より授業の質の低下が指摘され、教師の研修も、初任研からとうとう十年研までしなくてはならなくなった。社会はどんどん変化しているのに、教育界は旧態依然としてなかなか変わらない。
子どもたちは、面白くもおかしくもない授業に耐えかねて、小・中学生まで新聞に投稿するまでになっている。ある高校生は、「教師の質の悪化はすさまじい。もっと生徒本位の授業を考えてほしい」と、悲鳴とも思えるような投稿をしている。これは、子どもたちの「声の代表」とわたしは受け止めた。これとの関係か、大阪では学力不足と認定された教師が分限免職になった。
こうした社会的状況を「社会からの要請」と受け止め、「指導力アップ術シリーズ18巻」を、この機に出すことにした。今ほど講師の指導力が注目されている時代はないからである。
まず、「授業とは何か」ということを明らかにしながら、今求められている「真のプロ教師像」を究明してみた。それはただの指導技術ではダメである。プロ教師は、深く確かな内容と、子どもに対する深い愛情の裏づけのある人でなくてはならない。
保護者たちは、担任教師の実力を、いろいろな面から常に観察している。昔ながらの授業をしていたのでは、たちまち「指導力不足」のレッテルをはられる時代である。こうならないよう、教師は常に研修にはげまなくてはならない。そのお手伝いを本シリーズでしてみたいと考えたのである。
授業を面白くし、子どもに実力をつけるには、教材の把握はもちろんであるが、学級の質が大きくものをいう。学級づくり、それも楽しい学級づくりをしながら、子どもが「はてな?」を発見し、それを追究することに熱中し、ひいては「追究の鬼」といわれる子どもを育てたいのである。
長年の経験を生かして、学級づくり、授業づくり、授業がうまくなるレシピを書いた。教材開発のしかた、子どもに調べる力のつけ方なども明らかにした。平成一四年度から総合的学習が本格的に実施に移された。これについても今までいろんな提案をしてきたが、今回のシリーズの中でも、「こうすれば必ずうまくいく」という内容と方法を明らかにし、それを提案している。やり方によっては、総合は実に面白い。力もつく。
今の教師たちに足りないのは、実力だけではなくユーモアも足りない。ゆとりがない、もちろん、保護者にも足りない。このギスギスした社会をユーモアで乗り切ってほしいと願い、この面の提案もした。
要するに、本シリーズは、授業論、学級経営論、教材開発論、総合的学習論、指導技術論、そして、ユーモア教育論等々、現時点での私の総力をあげて総合的に取り組んだものを提案したものである。一読されて御指導いただければ幸いである。
二〇〇三年六月吉日 /有田 和正
有田実践は今の時代こそ求められている。
おそらく社会科においては、「はてな」のないものは授業ではないとも言えよう。
U 「はてな?」が追究の原動力
積極的な行動力
問題解決=「はてな」のさらなる発見
V どんなネタがよいか
「ネタ」と「あらゆる場」
W あらゆるものに「はてな?」を
見学はともかく、遠足にも「はてな」とは…。
恐れ入った。
X 「はてな?」を発見する目
ゆっくりと結果を。
よい事例を提示。
Y「はてな?」から追究へ─日本の工業生産
社会見学で、たくさん追究できる。
Z 「はてな?」を生かす授業
p64〜67がキモ。
日本の食料生産のネタ。
[ 学ぶ習慣を育てる「宿題」の条件
調べる宿題は楽しい。工夫することができる宿題は楽しそう。
調べる
読書する
よく見る
そんな力をつけたいものだ。
「はてな」追究力があれば、きっと自由研究も最高に楽しいだろうし、大学などの卒論も、楽しくて仕方ないだろう。
こういう子どもを育てたい。
憧れだ。