改訂中学校学習指導要領の展開 数学科編平成10年版

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内容解説に十全を期しつつ、新数学科の授業づくりの手がかりとなるよう具体的な展開例を「指導要領解説」作成協力者を中心に提示。図・対比表を多用し、分かりやすさを追究した。


復刊時予価: 3,069円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-501211-X
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
3刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 232頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
T 数学科改訂のねらいと要点
1 改訂の趣旨
(1) 改訂の経緯
(2) 算数・数学科における現状の把握と改善課題
2 数学科改善の基本方針と検討事項
(1) 数学科の改善の基本方針
(2) 中学校数学科の改善に当たって検討した事項
3 数学科改訂の要点
(1) 中学校数学科の目標の改善
(2) 中学校数学科の内容の改善
4 「指導計画の作成と内容の取扱い」に関する改善
(1) 課題学習を充実する
(2) コンピュータや情報通信ネットワーク等の活用
(3) 選択教科としての「数学」について
U 新数学科の目標と基本的特徴
1 教科の目標と考え方
(1) 「数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得」すること
(2) 「事象を数理的に考察する能力を高める」こと
(3) 「数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる」こと
2 学年の目標と各学年の目標の構造的関連
(1) 学年の目標にみる各学年の特徴
(2) 三つの領域の学年の目標と授業のポイント
3 数学科の構成
(1) 中学校数学科の内容
(2) 領域の構成
V 数学科の指導内容
1 第1学年の内容と指導上の配慮事項
(1) 内容改善の要点
(2) 各領域の内容
(3) 授業づくりのポイント
2 第2学年の内容と指導上の配慮事項
(1) 内容改善の要点
(2) 各領域の内容
(3) 授業づくりのポイント
3 第3学年の内容と指導上の配慮事項
(1) 内容の改善の要点
(2) 各領域の内容
(3) 授業づくりのポイント
W 指導計画の作成と留意点
1 指導計画作成上の留意点
(1) 指導計画作成の一般的な原則
(2) 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
(3) 「数学」の指導計画の作成と内容の取扱い
2 年間指導計画の作成
(1) 年間指導計画の作成の仕方
(2) 年間指導計画作成の具体例
3 単元指導計画の作成
(1) 単元指導計画の作成の留意点
(2) 単元指導計画作成の具体例
X 新数学科の趣旨を生かした授業モデル
1 対称性に着目した図形の指導
(1) 対称性に着目して図形を考察する意義
(2) 指導の実際
*[第1学年] 「麻の葉」の文様をかいてみよう
2 証明のよさがわかる円周角の指導
(1) 円周角の学習の意義と位置付け
(2) 指導の実際
*[第2学年] 円「円周角と中心角」
3 工夫して解決する二次方程式の指導
(1) 二次方程式の学習の意義と取扱い
(2) 指導の実際
*[第3学年] 因数分解できない二次方程式
4 「数学的活動」を生徒に実現する指導
(1) 「数学的活動」を生徒に実現することの意味
(2) 指導の実際
*[第3学年] 太陽は自分から見て1時間にどのくらいまわるか(課題学習)
5 課題学習の実践
(1) 課題学習の意義
(2) 指導の実際
*[第3学年] 問題づくりによる課題学習
6 選択教科「数学」の指導
(1) 選択教科の意義
(2) 指導の実際
*[第2学年] (選択数学)カレンダーの数の並び方の解明
7 コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用
(1) コンピュータ等の活用の意義
(2) 指導の実際
*[第2学年] 一次関数y=ax+bのグラフ
8 ティーム・ティーチングによる三平方の定理の指導
(1) ティーム・ティーチングの意義
(2) 指導の実際
*[第3学年] ティーム・ティーチングによる三平方の定理の指導
9 「総合的な学習の時間」と数学学習
(1) 「総合的な学習の時間」と数学学習とのかかわり
(2) 指導の実際
*[第3学年] 学校周辺の自然環境
◇付録
1 学校教育法施行規則(抄)
2 中学校学習指導要領・総則
3 中学校学習指導要領・数学

まえがき

 新学習指導要領が告示されて約10カ月。各都道府県でも説明会,研修会が開催され,多くの先生方が参加し研修を深められている最中ではないかと思われる。周知の通り,学習指導要領は今期第6回目の改訂に当たる。中学校数学科は,中教審,教科審の基本方針のもと,生徒に「生きる力」と「ゆとり」を実現するため,教育内容の「厳選」を果たすべく,いく度となくきわめて重大な局面に立たされた。本書『改訂中学校学習指導要領の展開』は,こうした局面で温かく支えていただいた調査研究協力者の方々の応援により成ったものである。

 構成は目次の通りである。まず,数学科の改訂のねらいを明確にし,基本的な特徴を目標及び内容について述べるとともに,指導の際の配慮事項を解説している。また平成14年度からの全面実施に向けて平成12,13年度の移行期間中の準備も念頭におき,新たな授業時数のもとでの年間の指導計画や単元の指導計画も参考として示すとともに,改訂で変更があった内容に焦点を当てた授業のモデルを9項目に及んで掲載している。

 いろいろな思いがあったが,改訂で大切にしたことは,自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら問題を解決していく能力の育成であり,数学学習を通して,数理的にものを観る眼を一層鋭くしていくことができるようにするということである。常に自己と向き合いよりよい自分を目指そうとする,そうした人間の育成を目指す数学教育が実現できることを願って止まない。

 これはまた,数学教育を志すすべての先生方の望むところでもあると考えるものである。21世紀への新たな出発点として厳しい状況下にあって,むしろそれだからこそこれからの数学教育へ一層の情熱を注ぎ推進を図ろうとする熱心な先生方に本書をご活用いただければ,これに勝る喜びはない。

 なお,これに先立って,新学習指導要領作成の背景を述べた『鼎談・中学校新教育課程 数学科の授業をどう創るか』(1999.8.明治図書)も刊行している。本書とあわせてご活用いただければ幸いである。


 最後になりましたが,公務等お忙しい中本書のご執筆に当たっていただいた協力者の先生方に改めて感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また,刊行に際して多方面への心配りをしていただいたり,編集に当たっては一字一句ていねいに目を通し,図の細かい部分にまで目を配り校正していただいた明治図書教育書編集部の石塚嘉典,三橋由美子両氏に心からお礼を申し上げたいと思います。


  平成11年10月   /編者

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      明治図書

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