- 第1巻 国語教育個体史研究 原理編
- 第2巻 国語教育個体史 実践編T
- 第3巻 国語教育個体史 実践編U
- 第4巻 国語教育個体史 実践編V
- 第5巻 国語教育史の探及
- 第6巻 話しことば教育史研究T
- 第7巻 話しことば教育史研究U
- 第8巻 中等作文教育史研究T
- 第9巻 中等作文教育史研究U
- 第10巻 芦田恵之助研究
- 第11巻 垣内松三研究―「国語の力」を中心に―
- 別巻1 真の国語教育を求めて
- 別巻2 野地潤家国語教育論を読む
- 刊行のことば
- この度、野地潤家先生のご研究の中から、その中核と見られる歴史研究を集約的にまとめて刊行することになりました。先生のご業績は国語科教育の全般にわたっていることは広く知られているところであります。共文社から出ている「国語教育研究叢書」は十冊をこえ、渓水社からもぞくぞくと刊行されています。これらをふくめての著作集を世に出したいのが念願ですが、今の出版状況では可能性がありません。そこで、今回は、二つのねらいをもった著作「選集」に限定して刊行することにしました。一つは、現在、容易には手に入らない書物を。二つには、これまで大学の紀要や雑誌に掲載された論文群を、テーマごとに編集して、体系をもった新たな書物に構成することであります。その意味で、この「著作選集」は若い読者にとって、まったく新しい「著作」選集となっています。先生の若いころからの友人も、活字になったのを手にとるのは初めてではないでしょうか。
- 歴史研究が中心になっていますが、それらは傑出した先人を研究するだけで終わっておりません。研究者自身が――ここでは野地潤家先生のことで――自分の歩んでいる「今」を丹念に記録して、その追究に身を捧げている姿があります。個体「史」研究の創始を目の当たりに見ることができます。自己の立場を厳しく見つめる目が、先達の業績にも注がれています。いたずらに古きをよしとしていないことは、この「著作選集」全体が雄弁に語っているところであります。現在を、自分を見失わない歴史研究のあり方を求めるさいの貴重な拠り所となるはずです。
- 新制大学発足と同時に創設された新科教育講座に身を置かれた野地潤家先生は、文字通りその研究に「人力のかぎりを尽くして」邁進されました。伝統ある研究領域に少しでも近づけようとされたのです。その歩みがここに結集されています。大学で研究するとは、という問題に悩む者は、ここにいつでも帰ってくることができます。
- 「現在だけを見ていては、現在を見抜くことはできない。」といわれるように、目の前の現象だけにとらわれていては、教育実践家といえどもその解決策を見いだすことはむずかしいでしょう。実践にたずさわっている者にとって遠回りのようにみえて、実はゆるぎのない教育を見つける近道が、「著作選集」の研究に見いだせると確信しています。
- この機会に、先生の他の著作も広く繙読されることを望みつつ、されに多くの方々がこの「著作選集」の読者になられんことを願って、一言、ご挨拶申し上げるしだいです。
刊行のことば
この度、野地潤家先生のご研究の中から、その中核と見られる歴史研究を集約的にまとめて刊行することになりました。先生のご業績は国語科教育の全般にわたっていることは広く知られているところであります。共文社から出ている「国語教育研究叢書」は十冊をこえ、渓水社からもぞくぞくと刊行されています。これらをふくめての著作集を世に出したいのが念願ですが、今の出版状況では可能性がありません。そこで、今回は、二つのねらいをもった著作「選集」に限定して刊行することにしました。一つは、現在、容易には手に入らない書物を。二つには、これまで大学の紀要や雑誌に掲載された論文群を、テーマごとに編集して、体系をもった新たな書物に構成することであります。その意味で、この「著作選集」は若い読者にとって、まったく新しい「著作」選集となっています。先生の若いころからの友人も、活字になったのを手にとるのは初めてではないでしょうか。
歴史研究が中心になっていますが、それらは傑出した先人を研究するだけで終わっておりません。研究者自身が――ここでは野地潤家先生のことで――自分の歩んでいる「今」を丹念に記録して、その追究に身を捧げている姿があります。個体「史」研究の創始を目の当たりに見ることができます。自己の立場を厳しく見つめる目が、先達の業績にも注がれています。いたずらに古きをよしとしていないことは、この「著作選集」全体が雄弁に語っているところであります。現在を、自分を見失わない歴史研究のあり方を求めるさいの貴重な拠り所となるはずです。
新制大学発足と同時に創設された新科教育講座に身を置かれた野地潤家先生は、文字通りその研究に「人力のかぎりを尽くして」邁進されました。伝統ある研究領域に少しでも近づけようとされたのです。その歩みがここに結集されています。大学で研究するとは、という問題に悩む者は、ここにいつでも帰ってくることができます。
「現在だけを見ていては、現在を見抜くことはできない。」といわれるように、目の前の現象だけにとらわれていては、教育実践家といえどもその解決策を見いだすことはむずかしいでしょう。実践にたずさわっている者にとって遠回りのようにみえて、実はゆるぎのない教育を見つける近道が、「著作選集」の研究に見いだせると確信しています。
この機会に、先生の他の著作も広く繙読されることを望みつつ、されに多くの方々がこの「著作選集」の読者になられんことを願って、一言、ご挨拶申し上げるしだいです。
〔「野地潤家著作選集」刊行会〕
/大槻 和夫(広島大学教授)
/奥田 邦夫(広島大学教授)
/森田 信義(広島大学教授)
/浜本 純逸(神戸大学教授)
/中洌 正尭(兵庫教育大学教授)
/菅原 稔(兵庫教育大学教授)
/中西 一弘(大阪教育大学教授)
/小田 迪夫(大阪教育大学教授)
/橋本 暢夫(前鳴門教育大学教授)
/世羅 博昭(鳴門教育大学教授)
/藤原 和好(三重大学教授)
/広瀬 節夫(前静岡大学教授)
/北岡 清道(前群馬大学教授)
/白石 寿文(佐賀大学教授)
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明治図書

















