新学習指導要領の指導事例
新小学校社会科・重点指導事項の実践開発

新学習指導要領の指導事例新小学校社会科・重点指導事項の実践開発

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「重点指導事項」をどう指導するか、全学年のアイデア集

答申で示された「重点指導事項例」その後、指導要領でも、解説にも特段の言及はない。しかし、指導資料として取り上げられるーと編者はいう。いずれにしても学力の基礎となる重点事項をどう指導するか。FAXですぐ使える形で全学年にわたり紹介。


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ISBN:
978-4-18-494628-6
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5横判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 新指導要領・どこが変わったか
―3分で早わかり―
1 社会科の目標
(1) 教科目標
(2) 各学年の目標
2 各学年の内容
(1) 第3学年及び第4学年
(2) 第5学年
(3) 第6学年
3 各学年の内容の取扱い
4 各学年の授業時数
U 「重点指導事項」とは何か
―各学年の重点指導事項一覧―
1 新学習指導要領と重点指導事項
2 中学年の重点指導事項
3 5学年の重点指導事項
4 6学年の重点指導事項
5 能力に関する重点指導事項
V 「重点指導事項」指導のアイデア
1.3,4学年の重点指導事項・指導のアイデア
・方位(四方位・八方位)
・地図記号
・年代(明治から平成まで)
・飲み水の確保
・ごみの処理
・消防署の働き
・警察署の働き
・市(区・町・村)の位置
・県(都・道・府)の位置
・47都道府県の名称と位置
2.5学年の重点指導事項・指導のアイデア
・世界の大陸
・世界の海洋
・世界の国の名称と位置
・国土の位置
・日本の領土
・日本の気候の概要
・日本の地形の概要
・食料生産と国民生活との関連
・工業生産と国民生活との関連
・情報社会の働き
3.6学年の重点指導事項・指導のアイデア
・年号と時代と世紀
・年表の見方・書き方
・代表的な歴史人物
・わが国の世界文化遺産
・わが国の国旗・国歌
・世界の国旗
・三権分立
・国民の三大義務
・国民の司法参加
・租税の役割
W 能力に関する重点指導事項
1 観察力
2 資料活用能力
3 思考力
4 判断力
5 表現力
6 問題解決能力
7 学び方
8 言語の能力
9 知識の活用力
10 地図帳の活用力
11 地球儀の活用力

まえがき

 平成20年3月,新しい学習指導要領が告示されました。社会科の改訂においては,中央教育審議会答申(平成20年1月)の内容を踏まえて,よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培うために,特に次のような観点が重視されました。

・広い視野から地域社会や我が国の国土に対する理解を深め,日本人としての自覚をもって国際社会で主体的に生きていくこと。

・我が国の歴史や文化を大切にし,日本人としての自覚をもつようにすること。

 これらのことが実現することを目指して,次のようなポイントから具体的な改訂が行われました。

・改正された教育基本法や学校教育法を踏まえて,我が国や郷土の伝統や文化に関する内容を重視すること。

・学習や生活において基盤となる基本的・基礎的な知識や技能の習得を重視すること。

・社会生活を営むうえで必要な法やきまり,経済に関する基礎的な知識,情報通信に関する内容,自然災害の防止に関する内容などの指導を重視すること。

・習得した知識や技能を活用するための学習活動(観察,調査,資料の収集と読み取りの結果を記録,再構成,まとめ伝え合うなどの言語活動)を充実させること。

 また,答申では,基礎的・基本的な知識・技能の習得を促す一つの方策として,「重点指導事項例」の例示を提案していました。これは,学習指導要領に示されている内容事項のなかで,各学校において,重点的な指導や繰り返し学習が求められる事項です。具体的には,社会的な自立の観点から重要なもの,子どもたちがつまずきやすいものであるとしています。さらに,答申は,思考力,判断力,表現力等にかかわる,知識や技能のように具体的に示すことができないものについても例示することを求めていました。

 これらは,子どもに基礎学力をつけるうえで重要な提案です。ところが,告示された学習指導要領にはどの教科においても「重点指導事項例」の例示はありません。各教科の『解説書』においても示されていません。今後,「指導資料」などで答申の提案が具現化されるものと考えられます。

 また,社会科に対して,これまでたびたび指摘されてきたことの一つに「社会科は何を教えたらよいのかがわからない」「社会科は教えにくい」といったことがあります。特に社会科の指導に苦手意識をもっている教師から多く出されています。社会科の学習指導要領はその記述内容が大綱的であることから,やむを得ない指摘であると思われます。少なくとも各単元のレベルで何を指導するのかを明確に示すことが,これまでも課題とされてきました。

 本書『新小学校社会科・重点指導事項の実践開発』は,こうした動きをとらえ,現場での課題を踏まえて企画されたものです。本書では,学年ごとに最低限子どもたちに身につけさせたい事項(答申が提案している,重点的な指導や繰り返し学習が求められる基礎的・基本的な知識・技能)を「重点指導事項」として抽出しました。ここでは,基礎的・基本的な知識だけでなく,社会科の授業で育てる能力や技能についてもできるだけ具体的に示しました。

 それぞれの「重点指導事項」にかかわる指導に当たって,授業で活用できる「ワークシート」などを指導事項に合わせて提示しました。授業で活用する場合には,本書のすべてのワークシートをコピーすることができます。

 これらのワークシートは社会科の関連単元の学習時間だけでなく,朝学習や放課後の自習用に活用することができます。また,家庭での宿題として課すこともできます。もちろん,社会科の学習で大切なことは,問題解決的な学習を重視して問題解決能力を育てること,社会に対する見方や考え方を身につけること,現在及び将来において社会に望ましいかかわりができるようにすることが重要であることは言うまでもありません。「重点指導事項」を身につけることだけが社会科の指導ではありませんが,こうした類の知識をきちんと身につけない社会科は,周辺から支持されないことも事実です。

 本書の趣旨を理解し有効に活用されることによって,子どもたちが「基礎的・基本的な知識・技能」の習得を一層促進し,社会的事象をさらに主体的に学ぶことができるようになると考えています。子どもたちが社会科を好きになるとともに,社会科の力を身につけていくことを心から願っています。

 本書の刊行に当たっては,全国各地の社会科の優れた実践家のご協力をいただきました。たいへんご多忙ななかをご執筆いただいことに心から感謝の意を表します。

 また,明治図書出版の樋口雅子編集長からは,本書の企画の段階から,貴重なご指導とご助言をたくさんいただきました。お陰で充実した内容にまとめることができました。この場を借りてお礼申しあげます。


   /北 俊夫

著者紹介

北 俊夫(きた としお)著書を検索»

東京都公立小学校教員,東京都教育委員会指導主事,文部省初等中等教育局教科調査官,岐阜大学教授を経て,現在国士舘大学教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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