- まえがき
- T 中学校におけるキャリア教育
- ―育成すべき4つの能力から
- 1 キャリア教育の始まりとその背景
- (1)キャリア教育の始まり
- (2)キャリア教育の背景
- 2 キャリア教育の推進
- (1)キャリア教育に関する調査研究
- (2)キャリア及びキャリア教育の定義とキャリア教育の理解
- (3)キャリア教育推進のための諸事業
- 3 キャリア教育推進のための課題と本書のねらい
- (1)キャリア教育推進のための課題
- (2)キャリア教育推進のための課題と本書のねらい
- U キャリア教育Q&Aワークシート
- 第1章 中学校1年生
- @ 中学校ってどんなところ?どんな勉強や活動をするのかな?
- A 「早寝,早起き,朝ご飯」できているかな?
- B 挨拶や言葉づかい,あなたはどうしてる?
- C 学校での勉強は,どうして大切なのかな?
- D 初めてのテストは,勉強の計画をどのように立てたらいいのかな?
- E 相談するってどういうこと?―相談することの大切さ―
- F 楽しくていきいきと学ぶ学級は,どうしたらつくれるのかな?―私の係活動―
- G 私ってどんな人?―私が歩いてきた道―
- H 見つけられるかな?友だちのよいところ
- I 私の将来の夢と希望をみんなは聞いてくれるかな?―将来設計図―
- J 私たちの町にはどんな産業や職業があるのかな?
- K 働くってどういうことなのかな?―働く人にインタビュー―
- L メール(ブログ,チャット)で悪口を書かれちゃったときには,どうしたらいいのかな?
- M 「たばこ吸わないか」って誘われたらどうしたらいいのかな?
- N いろいろな生き方があるけれど,どんな生き方をしたらいいのかな?
- O 中学校を卒業するとどんな進路があるのかな?
- P 私の中学校生活はじめての1年間はどうだったかな?
- 第2章 中学校2年生
- @ 中堅学年としてどんな責任があるのかな?―委員会活動への参加―
- A 「くすりやらないか」って誘われたらどうしたらいいのかな?
- B 相談するってどういうこと?―言葉の重みを考える―
- C 「私ってどんな人?」―私の個性(自己診断表)―
- D 職業にはどんな種類やタイプがあるのかな?―職場体験活動の職場選び―
- E 職場体験先はどうやって決めたらいいのかな?―職場体験活動の職場選び―
- F 私の特徴に合っている仕事は何かな?―職場体験活動の職場選び(職業レディネステストの活用)―
- G 職場体験では,挨拶や言葉づかいをどうすればいいのかな?
- H 体験した職業が,ちょっとイメージと違ったんだけれどどうしたらいいのかな?
- I 働くってどういうことなのかな?―職場体験活動の振り返り―
- J 将来の職業や仕事は,どうやって選んだらいいのかな?―選ぶときに重視することは―
- K 中学校卒業後も勉強を続けたい。どんな学校があるのかな?―学ぶ制度と機会―
- L 悔いのない中学校生活を送りたい。その秘訣は何かな?―高校生の先輩に聞く「中学時代もっとこうしていれば良かった」―
- M 外国での仕事や生活をどうして選んだのかな?―地域の外国人やALTの生き方に学ぶ―
- N 私がこれからすべきことは何かな?―現役高校生に聞く「進路計画の立案」―
- O どうして男女が協力して家事や育児をしなければならないのかな?
- P 楽しく,有意義な修学旅行にするためにはどうしたらいいのかな?―班活動の計画立案―
- Q 中2の私にとってこの1年間はどうだったかな?
- 第3章 中学校3年生
- @ 生徒会の役員選挙での最上級生の責任って何かな?
- A 何ができるかな?―地域・社会の一員として―
- B 豊かな生活をするためにはどんなことが大切なのかな?
- C 私の課題は何かな?―進路の実現をめざして―
- D 私の将来の夢と希望は,どうしたら実現できるかな?
- E 私の進路計画はこれでいいのかな?―進路計画の吟味―
- F いろいろな職業の間には,どんなつながりがあるのかな?―職業ウェブ―
- G 上級学校・学科には,それぞれどんな特色があるのかな?―上級学校調べ―
- H 進路相談をどのように生かせばいいかな?
- I 私の進路選択基準は,これでいいかな?
- J 先輩はどうやって進路を選んだのかな?―先輩の進路選択,その成功と失敗に学ぶ―
- K 進路の悩み,どう解決したらいいかな?―ひとりで悩むよりも―
- L 生き方と職業・働き方にはどんな関係があるのかな?
- M フリーター,ニートって何かな?―いろいろな働き方と将来―
- N 理想の家庭,どうしたら作れるのかな?―父,母そして私の役割―
- O 「明日から働かなければならない!」どこに行けば仕事を探せるのかな?
- P 私の3年間は,どうだったかな?―新しい旅立ちに向けて―
- あとがき
まえがき
明治図書からキャリア教育の指導資料集の作成,出版の話をいただいたのは,足掛けで3年も前のことであった。当時,既に,キャリア教育については,国立教育政策研究所と文部科学省の調査研究が行われて,それがどのような教育活動であり,「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」で,どのような能力・態度を育成しようとするのかなども明らかにされていた。また,キャリア教育を実践に移すための研究指定事業や実践をサポートする手引,ガイドの作成も始まっていた。しかし,キャリア教育で育成が期待されている能力・態度を,どのような指導内容・方法で育成するのかについては,研究指定事業の指定校などの実践を通して部分的には明らかになっていたが,必ずしも十分には明らかになっておらず,その必要性を感じていた。そこで,ご依頼を受けることにしたのであるが,多忙であったために,また,そもそもご依頼内容が私自身の手に余るものであったことから,着手が延び延びとなってしまった。多少時間に余裕ができた時点で,日本進路指導協会の協力を得て,各県のキャリア教育の指導的立場にある先生方にお集まりいただき,本書の企画,編集,執筆をお願いし,ようやく発刊に漕ぎ着けることができた。
企画,編集に当たっては,まず,「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」で提案された4つの能力−人間関係形成能力,情報活用能力,将来設計能力,意思決定能力−について,どのような指導内容・方法が考えられるかを検討し,題材化した。題材化に当たっては,これまで中学校が取り組んできた「生き方の指導としての進路指導」や生徒指導の内容・方法をキャリア教育の視点から見直すことを基本としつつ,キャリア教育にふさわしい題材も付け加えた。次いで,各題材について指導案を作成することとして,執筆を分担したが,指導案は,本書を手にする先生方が活用しやすくなるよう,汎用性がある指導の展開案と指導で用いるワークシートとで構成することとした。執筆後にあっては,各先生方の原稿を互いに検討していただき,必要な手直しを加えた。結果,中学校の先生方に利用いただける,キャリア学習の,ユニークかつ有意義な提案をすることができたのではないかと自負している。
末筆ながら,本書の企画,編集にご指導,ご協力いただいた日本進路指導協会の萩原先生,台東区立上野中学校関本校長先生をはじめ,各指導案の執筆も担当していただいた諸先生方に厚く御礼申し上げるとともに,本書を企画し,ねばり強く発刊に尽力された明治図書の及川氏のご苦労に感謝申し上げたい。
/鹿嶋 研之助
題材系統図が示され、学年・実施時期の順番で配列されているので使いやすく、キャリア教育の実施計画をたてる際の参考になります。
1年生から、意識づけとして活用していきたいと思います。