優れた社会科授業の基盤研究1
小学校の“優れた社会科授業”の条件

優れた社会科授業の基盤研究1小学校の“優れた社会科授業”の条件

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優れた社会科授業とは何か。共通のスタンダードを示す。

欧米では、英国NO.1の地理教師、米国NO.1の社会科教師という認定がすでに行われている。日本でも優れた授業をたたえる風潮はあるが、まだきちんとした物差しがない〜。日本のよい社会果授業のスタンダードづくりのための基本となる指導案を学会の有力メンバーが提案。


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ISBN:
978-4-18-491421-6
ジャンル:
社会
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 152頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
優れた社会科授業スタンダード共同研究について /岩田 一彦
1 スタンダード研究の意義
2 スタンダード研究の組織・経過
3 外国の社会科研究との関係
4 社会科授業の評価と今後の課題
T 中学年:地域学習における優れた学習指導案とその要件
中学年:地域学習の学習指導案について /今谷 順重
1 中学年社会科での地域学習の目標
2 理解・技能・態度を統一的に形成する場としての地域学習
3 地域学習の教育的意義
4 社会科地域学習における優れた授業スタンダードの条件
5 単元「神戸ブランド物語」
6 単元「くらしの中の水を見直そう」
7 単元「湯の口ため池」
神戸ブランド物語 /田中 雄二
1 単元名
2 本単元の位置づけについて
3 本単元の意義について
4 単元構想について
5 本時のみとりと省察
6 地域カリキュラムのもつ教育的価値
社会的な見方・考え方を拡げ,深める地域学習の授業構成 /吉崎 朗
1 はじめに
2 授業構成の視点
3 学習指導案
4 指導細案
5 意義
水利権問題に着目した「開発単元」の教材化
─「湯の口ため池」の実践を通して─ /笠 聡一郎
1 主題
2 学年
3 目標
4 指導細案
5 意義
U 高学年:産業学習における優れた学習指導案とその要件
高学年:産業学習の学習指導案について /木村 博一
1 産業学習における優れた授業
2 単元「100円ショップのひみつをさぐろう」の特色と意義
3 単元「ミルクとワインのまち巻町」の授業の特色と意義
4 産業学習における優れた授業の要件
5 さらなる産業学習の改善に向けて
社会的事象の見方・考え方を育成する産業学習の授業 /真加部 三智也
1 はじめに
2 学習指導案
3 指導細案
4 意義
情報発信に重点をおいた農業学習 /菊池 八穂子
1 主題
2 学習指導案
3 意義
V 高学年:歴史学習における優れた学習指導案とその要件
高学年:歴史学習の学習指導案について /小原 友行
1 優れた高学年歴史学習の要件
2 5つの実践の授業構成の特色
3 優れた歴史学習の授業構成論
小学校歴史学習における法教材の開発
─6年「土一揆と徳政令」を取り上げて─ /井上 久
1 はじめに
2 歴史学習における法教材について
3 学習指導案
4 指導細案
5 意義
人物教材を通して歴史的思考力を育成する歴史学習 /石田 清彦
1 主題のねらいと意義
2 学習活動案
国際的資質を育てる小学校社会科歴史学習
─「ノルマントン号事件」と「エルトゥールル号の遭難」を事例として─ /村上 忠君
1 国際的資質を育てる歴史学習
2 教材「エルトゥールル号の遭難」について
3 学習指導案
4 指導細案
5 意義
「軸」構成による歴史学習づくり /安達 正博
1 はじめに
2 学習指導案
3 指導細案
4 意義
考える力を育成する小学校社会科の戦後史学習 /福原 剛
1 はじめに
2 学習指導案
3 学習指導計画
4 意義
W 高学年:政治学習における優れた学習指導案とその要件
高学年:政治学習の学習指導案について /池野 範男
1 はじめに
2 小学校政治学習の優秀さ
3 各学習指導案の優れている点
4 小学校政治学習の優れた学習指導案・授業の要件
小学校政治学習の授業改善
─第6学年「わたしたちのくらしと政治」の場合─ /秋吉 洋志
1 小学校政治学習の課題
2 授業改善の目的
3 政治参加を促す授業開発
暮らしの中にある政治を見つめ直す社会科学習
─コンビニで薬?!─ /須本 良夫
1 はじめに
2 教材「薬の販売をめぐる論争」について
3 学習指導案
4 学習指導細案
5 意義
高齢者福祉サービスにおける構造的価値対立を組み込んだ政治学習 /石原 一則
1 主題
2 学習指導案
3 意義
現実の論争問題を分析する社会科授業
─第5学年「諫早湾干拓問題」─ /坂井 満
1 授業の構想
2 単元の目標と計画

まえがき

   ―社会科授業スタンダード―


 昭和22年(1947)の社会科誕生以来,無数の社会科授業が展開されてきている。しかし,これらの授業が改善され,その成果が蓄積されてきたか否かについては,意見の分かれるところである。その原因は,何が優れた授業かについての共通のスタンダードが欠落していたからである。こういった混沌とした状況の中で,徐々に優れた授業を評価することのできるスタンダードが,今日,社会科教育界で認知されるようになっている。

 イギリスのナショナル・カリキュラムやアメリカ合衆国におけるナショナル・スタンダードが,教科書作成,授業設計に際して,基礎・基本の働きをするようになってきているからである。また,社会科教育界において,知識論が授業設計に際して,その基礎・基本の働きをしてきていることもあげられる。

 こういった歴史的流れを作ってきたのが,本書の編集主体である全国社会科教育学会である。全国社会科教育学会は,昭和26年(1951)に西日本社会科教育研究会として発足し,昭和39年(1964)に日本社会科教育研究会に改称され,昭和61年(1986)に現名称になった。本学会は,学会誕生50周年を記念して,全国社会科教育学会編『社会科教育学研究ハンドブック』(明治図書,2001)を発行した。この書では,過去50年の社会科研究をオーバービューし,各分野の先進的論文を分析検討し,研究成果の総括を行った。この総括は,社会科研究論文の成果を中心に展開した。この成果を受けて,社会科授業に焦点を当てて,続いて研究を進めることとした。その際に,社会科の優れた授業の条件は何か,および学習指導案レベルで示す優れた社会科授業のモデルについて,明示していくことにした。こういった考え方の下に,社会科授業レベルのスタンダード研究に取り組んできた。その成果の一部が本書である。

 本書の上梓に向けての経過を述べ,性格を明確にしていく。

(1)共同研究の目的と概要

 スタンダード研究は,平成15年(2003)に研究計画を作成し,平成16年(2004)〜18年(2006)の3カ年をスタンダード授業の収集と評価にあて,4年間の継続研究として行った。本研究の目的は,次のように設定された。

 目的:社会科教育学の学問的基準から見て,「優れた社会科授業」を収集・公開し,これからの社会科教師に期待する授業レベルのスタンダード(条件)を提示すること

(2)本書の位置づけ

 本書は,平成16年度(2004)の小学校部門の成果を『社会科教育論叢』第44集として示したものを,広く公開するものである。出版に際して,それぞれの領域に選ばれた優れた社会科授業(学習指導案)に解説を加え,その領域における“優れた社会科授業”の条件となるものを説明した。

 なお,平成17年度の中学校・高校部門の成果は『社会科教育論叢』第45集として示されている。この成果は,『優れた社会科授業の基盤研究U 中学校・高校の“優れた社会科授業”の条件』として出版されている。また,平成18年度(2006)の研究は,『社会科教育論叢』第46集(2007年3月刊行)に継続研究として提示しているので,参照してほしい。

 本研究の成果が広く読まれ,社会科実践の場で優れた授業を確定していく際のスタンダードとなることを期待している。本書には掲載されなかった優れた社会科授業実践が,数多く存在している。これらの基盤の上に,本書記載の優れた社会科授業がある。学会員を中心として,優れた社会科授業実践を提供してくださった諸先生に感謝申し上げる。また,出版事情の厳しい中,本書の刊行に多大なご支援・ご助力をいただいた明治図書の樋口編集長に感謝申し上げたい。


  平成19年5月3日

   全国社会科教育学会会長

   スタンダード研究委員会委員長

   /岩田 一彦

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      明治図書

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