- はじめに
- Chapter1 社会科授業の「言い換え」4つのポイント
- POINT01 4つの指導言を磨く
- POINT02 社会科における発問の機能を押さえる
- POINT03 指示と評価の質をあげるには?
- POINT04 説明の機能を押さえる
- Chapter2 場面別 社会科授業の「言い換え」事例60
- Part1 導入
- CASE01 前時のポイントを振り返りたいときに
- この前の授業では,何がわかりましたか?⇒前回のこの資料からわかったことは何でしたか?
- CASE02 1つの資料からたくさんの気づきを促すときに
- 資料を見て気づいたことをたくさんノートに書きましょう⇒資料を見て気づいたことを○つ以上,ノートに書きましょう
- CASE03 イラスト資料からの気づきを発表するときに
- どんなことに気づきましたか?⇒イラストには誰がいますか? 何をしていますか?
- CASE04 グラフ資料からの気づきを発表するときに
- このグラフを見て,気づいたことを発表しましょう⇒パッと見て,グラフから気づくことは?
- CASE05 実物資料からの気づきを発表するときに
- 細かい部分まで,よく見て調べましょう⇒目と耳と手と鼻を使って,調べましょう
- CASE06 映像資料を見せるときに
- (映像を視聴後)今日は,この後の展開について学習します⇒授業に関する映像を少しだけ見ます。この後,どうなると思いますか?
- CASE07 調べたこと同士の関係を捉えさせるときに
- スーパーでは,どうしてこんな工夫をしているのですか?⇒お客さんとスーパーマーケットの工夫とのつながりを考えましょう
- CASE08 学習に子どもが前向きになってきたときに
- これからも,もっと深く学んでいきましょう⇒社会科で深く学ぶっていうことは,「なぜ?」を考えることです
- CASE09 学習する目的を伝えるときに
- テストに出るので,今日の授業の内容は特に覚えておきましょう⇒単元の終わりに,○○をします
- CASE10 自分に合った調べ方を身につけてほしいとき
- 今日の学習は,教科書○ページを見て調べます⇒どうやって調べますか?
- CASE11 単元のまとめを考えさせたいとき
- 最後にプリントの穴埋めをして,学習をまとめます⇒あなたは,この単元の学習をどのようにまとめますか?
- Part2 展開
- CASE12 子どもに自分で資料を探すように促したいとき
- 教科書の○ページを開きましょう⇒お? どこに載っていたの?
- CASE13 「なぜ?」「どうして?」を問うとき@
- なぜAなのだろう?⇒〜なのに,なぜAなのだろう?
- CASE14 「なぜ?」「どうして?」を問うときA
- なぜAなのだろう?⇒〜について,最大の理由は何だろう?
- CASE15 資料から子どもに驚きを与えたいとき
- どうしてこんなに大きいものを造ったのかな?⇒どうしてこんなに大きいものを造ったのかな? ちなみに…先生が手を挙げた高さが約2mです
- CASE16 教科書の記述から情報を読み取るとき
- 大事だと思う部分に線を引きましょう⇒ペアで○○が書かれている部分に線を引きましょう
- CASE17 当事者の思いに寄り添う資料を読み取るとき
- どう思いましたか?⇒あなたが印象に残った言葉や文はどこですか?
- CASE18 ペアで資料について対話するとき
- 隣の人と話し合いましょう⇒資料を指さしながら,話し合いましょう
- CASE19 ペアでお互いの考えについて対話するとき
- 自分の考えについて話をしましょう⇒お互いの考えを聞いたら,「つまり,こういうことだよね?」と返しましょう
- CASE20 教科書や資料の文章の意味をたずねられたとき
- もう一度,読んでみようか!⇒一緒に図にしてみようか!
- CASE21 子どもが難しい言葉の意味をたずねてくるとき
- そこに書いてあるから,資料をよく読んでごらん⇒インターネットや辞書で調べるのはどう?
- CASE22 グラフや写真資料についてたずねられたとき
- 何か気づくことはない?⇒グラフを簡単にしてみるね!
- CASE23 インターネットばかりで調べてしまう子どもに
- 教科書と資料集で調べましょう⇒それぞれのツールのよさは何かな?
- CASE24 調べたことや板書をノートに書けない子に
- ここをノートに写しましょう⇒教科書や資料に○をしましょう
- CASE25 机間指導中に困っている子どもがいるとき
- 集中して考えましょう⇒わからないときは友達にどんどん聞きにいこう
- CASE26 調べている・考えているときの机間指導で@
- たくさん調べたね。Aさんは調べるのが速いね⇒お!? 数字の変化に注目したんだね!
- CASE27 調べている・考えているときの机間指導でA
- 読み取ったことをしっかりとノートに書いているね⇒たくさん調べたね。つまり,どういうことが見える?
- CASE28 ズレた内容を調べているように感じたとき
- それは関係ありません⇒お! 何を調べているの?
- CASE29 理解しているかどうかを個別で確認したいとき
- 調べてみたら,わかったかな?⇒調べたことを自分の言葉で話してみて
- CASE30 AIだけで調べてしまう子どもに
- まずは,教科書や資料集で調べなさい⇒書いてあったことを自分の言葉で説明してみて
- CASE31 子どもが意見を発表するとき
- その意見の理由は何かな?⇒その意見の理由となる資料は何かな?
- CASE32 全体における発表で理由や根拠を問いたいとき
- どうしてそう思うの?⇒Aさんの意見につなげてみて
- CASE33 子どもの発表内容を確認するとき
- Aさん,もう一度,説明してください⇒Aさんが言っていることをペアの人に説明しましょう
- CASE34 子どもの意見を引き出したいとき
- ほかに意見はありますか?⇒○○に注目すると,どうですか?
- CASE35 発表が苦手な子どもの考えを取り上げたいとき
- ほかに意見はありますか?⇒Aさんの考えが面白いから,みんなに広げてみて
- CASE36 なかなか発表する雰囲気ではないとき
- みんなが発表しましょう⇒あなたの発表が誰かの心や考えをゆさぶるかもしれません
- CASE37 ICTでお互いの考えを交流したいとき
- 相手に伝わるように詳しく書きましょう⇒自分の考えを色で表しましょう
- CASE38 考えたことを共有するとき
- Aさんが考えたことがわかる?⇒Aさんの考えていることが見えてきている?
- CASE39 二項対立で討論させたいとき
- 裁判員裁判は必要だと思いますか?⇒もしも,あなたが裁判員に選ばれたのなら?
- CASE40 全体共有の前に交流するとき
- 全体で話し合う前に友達と意見交流をしましょう⇒立場の違う友達と意見交流をしましょう
- CASE41 意見から社会的事象の特徴を引き出したいとき
- 調べてきたことから,わかったことはないですか?⇒黒板を見て,○○についてはどうですか?
- CASE42 グループで調べたことを全体共有するとき@
- グループで調べたことを発表してください⇒グループで調べたことを,題名をつけて発表してください
- CASE43 グループで調べたことを全体共有するときA
- ほかのグループの発表をしっかり聞きましょう⇒共通点を探しながら,ほかのグループの発表を聞きましょう
- CASE44 子どもの思考にゆさぶりをかけたいとき
- これまでと反対の立場で考えると?⇒これまでAの立場で考えてきたけど,Bの立場から考えると?
- CASE45 ゲストティーチャーが来ることを伝えるとき
- 何日に,○○さんが来てくれます⇒聞いてみないとわからないね…じゃあ,来てもらいましょう
- CASE46 ゲストティーチャーへの質問を考えるとき
- ○○さんに聞いてみたいことは何ですか?⇒もしもあなたが○○なら,気になることは何ですか?
- Part3 終末
- CASE47 年度はじめの振り返り
- 一番大切なことを入れるようにしましょう⇒3行以上,振り返りをしましょう。「かまきり」を入れるとよいですよ
- CASE48 日常的な振り返り
- 今日の授業の振り返りをしましょう⇒黒板を見て今日の授業を思い返しながら,振り返りをしましょう
- CASE49 振り返りで知識の定着をねらいたいとき
- 今日の授業の振り返りをしましょう⇒今日のキーワードは何でしたか? それらを使って書いてみましょう
- CASE50 友達の意見と比べながら振り返りたいとき
- 授業で出たいろいろな考えを思い出してみましょう⇒今日の振り返りは,友達の名前を入れてみましょう
- CASE51 授業の残り時間が少ないとき
- 今日の授業の振り返りをしましょう⇒今日の授業での学びを1つ,ペアの人に話しましょう
- CASE52 単元を通して考えの変容や深まりを捉えさせたいとき
- 単元全体の振り返りをしましょう⇒1時間目のときの自分の考えと比べると,どうですか?
- CASE53 ほかの単元とのつながりや共通点を捉えさせたいとき
- 単元全体の振り返りをしましょう⇒これまでの単元と比べて,どうですか?
- CASE54 次の単元以降の学び方を意識させたいとき
- 自分の学び方はよかったですか?⇒「次は,こうしてみよう!」と思うことは何ですか?
- CASE55 「自分の考えを真似される」と言われたら
- 真似をするのではなく,自分で考えましょう⇒2人で完成させたらどう?
- Part4 その他
- CASE56 ノート指導のとき
- ノートをきれいに書きましょう⇒消しゴムは使わなくていいですよ。頭の中が表現できるといいですね
- CASE57 テスト問題とそれまでの授業が合わないとき
- 文章をよく読んで,答えましょう⇒教科書で調べて,答えましょう
- CASE58 地図帳を活用するとき@
- 地図帳の○ページを開いて,○○を探しましょう⇒○○は,どこにありますか?
- CASE59 地図帳を活用するときA
- それはどこにありましたか?⇒みんなが見つけられるようにヒントを出してみて
- CASE60 知識を覚えてもらいたいとき
- 覚えるためにこれから毎日,小テストをします⇒今日も,カルタで遊びましょう
- おわりに
- 参考文献一覧
はじめに
「社会科って,こんなに授業準備が大変なの?」
これは,私が初めて社会科を担当したときに感じたことです。
教職2年目,5年生の担任でした。
「子どもが資料を読めるようにしなきゃ」
「この言葉は難しいから,覚えさせないと」
そんな思いで,毎時間,一生懸命に準備をしていました。
ところが,いざ授業をしてみると,なかなか思うようにいきません。
・教科書通りにワークシートをつくっても,子どもは楽しそうではない。
・授業ネタを必死に探しても,子どもの反応はイマイチ。ネタも尽きる。
・インターネットで見つけた実践例は,どれもカリスマ教師だからこそできるもので,自分には無理。
・「この内容,1時間では多すぎない?」と感じながらも,必死に教え込む。
そんな授業を重ねる中で,心の中では何度もこう思っていました。
「こんなに準備したのに,全然うまくいかんやん…」
努力しているつもりなのに,手応えが感じられず,「社会科って,教師の頑張りが報われにくい教科なのかもしれない」と思ったこともあります(笑)。
そんなある日,先輩にこう言われました。
「指導言を意識して授業している?」
正直なところ,「指導言?」「は?」って感じでした(笑)。
しかし,この一言をきっかけに,「自分は,授業で,どのように話しているのだろう?」ということが,とても気になるようになりました。
そして,「教材研究を生かせるかどうかは,授業中の教師の言葉次第だ」と,気づいたのです。
それからというもの,自分の言葉を文字に起こしたり,仲間とともに学んだりしながら,試行錯誤を重ねました。すると,「あれ? ちょっとよかったかも?」と感じる瞬間が増えてきました。
現在でも,まだまだ勉強中の身の私ではありますが,「以前よりは,手応えのある授業ができるようになったかな?」と思っています。それは,子どもに響く・届く言葉を使うようになったからです。
本書は,そんな私が実践をもとに,社会科授業での「言い換え」を紹介しています。
Chapter1では「社会科授業の『言い換え』 4つのポイント」
Chapter2では「場面別 社会科授業の『言い換え』事例60」
特に,Chapter2は,明日の社会科授業でも起こりそうな場面について書いています。そこで,本書は,次の3つを大切にしてまとめました。
「明日の社会科の授業で意識できる」
「明日の社会科の授業で使える」
「明日の社会科の授業が,少し変わる」
本書を手に取ってくださった先生が「明日の社会科の授業,ちょっと楽しみかも」そう思っていただけたら,これほど嬉しいことはありません。
2026年3月 /佐野 陽平
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明治図書

















