- シリーズ刊行にあたって
- 小学3年生を担任される先生へのエール
- 第1章 小学3年生 教え方のポイント
- 3年生授業の要所・難所
- 3年生をシッカリ育てるための学習規律・ルール
- 「個別最適な学び」と「協働的な学び」とICT
- 特別な支援を要する子どもへの配慮
- 第2章 小学3年生 授業の要所をおさえた指導アイデア
- 国語
- 様々な視点で質問できるようになる「質問」の仲間分け
- 話し合いにおける司会の役割を考えられる司会の「役割」と「言葉」のつなげ方
- 具体的に話せるようになる「聴き手」と「話し手」のつなげ方
- 相手意識や目的を明確にし伝えたい思いを生かす発達段階を意識した報告書の書き方
- 相手意識を高め,自分だけの思いを綴るイメージマップを用いた手紙づくり
- 読書経験や既習を生かし使いたい技を見出す「構成」と「表現」を工夫した物語づくり
- 叙述を根拠に気持ちを捉える物語文での発問の工夫
- 登場人物の性格を想像することができる複数の叙述を結び付けた思考
- 考えと理由や事例との関係を捉える文や段落の役割で「ぬり文」
- 共通点や相違点を見つけることができる場面と場面の比べ読み
- たくさん使って使い方を理解する楽しい辞書の活用方法
- 一人一人の気付きを大切にしたローマ字指導ができる教科書とICTの活用
- 様子を想像しながら読むことができる「音読&描画」俳句
- 社会
- 地図帳への興味と活用技能を高める「宝島を探せ!ゲーム」
- 空間的な見方・考え方をつかむ「町をつくろう」
- 販売者の工夫と消費者の願いをつなぐ「ここの間を考えよう」
- 社会見学を学びにつなげる問いをもたせた見学
- 自分にできることを考えられる比較で見える共通点
- 昔と今の比較→くらしの変化を見る体験からの学び
- 算数
- 同じ数に分けることが学べる三人全員を笑顔にするトランプ題材
- 正時を基準に時間を求めることができるくじで「9時との時間差あて」ゲーム
- 1億の位までの読み方がわかる「何の数でしょう?」
- 数直線上の数を読むことができる数直線で大きさ勝負!
- 棒グラフのよさに気付くことができるパッと見てわかるグラフづくり
- 道のりと距離の違いを理解することができる「学校に近いのはドッチ?」
- はかりの使い方と重さの測定の仕方がわかる重さピッタリチャレンジ
- 円の中にある直径について理解が深まる□cmの直線を引けば当たり
- 数直線上の数を分数で表すことができる分数じゃんけんで大きさ勝負
- 色棒でいろんな三角形をつくって学べる三角形くじ
- 小数と分数で大小を比較することができる大きさ勝負
- 2位数×2位数の筆算ができる「1増えて1減るとどうなる?」
- 理科
- 「見方」をもった話し合いができる色・形・大きさ分類
- 観察する力がUPするチョウとアリの2種類の昆虫比較
- 音の大小を目で見て比べることができるふるえの「見える化」
- 丁寧な実験操作を促す学習環境調整と声かけ
- 細かいところまで観察・記録できるようになる合言葉「さかな色」
- 視点変換ができるようになる遊び体験→順序だてた思考
- 条件を整えた実験ができる送風機を用いた車の進み実験
- 音楽
- 音楽会を成功させる早めの準備と選曲のポイント
- 思いや意図を持って歌うことができる反対で歌う活動
- 初めてのリコーダーを楽しむことができるリズムリレー
- 子どもたちが意欲的に活動することができる音楽づくりの授業のコツ
- 文章化に頼らない鑑賞授業ができる「〇〇のまねをしてみよう」
- 図工
- 正しく活用的な絵の具の使い方を身につける道具のルールと色塗りの工夫
- 奥行きの出し方を身につける「わたしの6月の絵」
- 他教科の学習を図工で活用するマグネットマジック
- 彫刻刀を安全に使い,技能を高める「彫って絵を描こう」
- 感受を広げるきっかけづくりになる鑑賞カードの活用方法
- 体育
- 動いているボールをキャッチすることができるパッと開いて,ぎゅっとキャッチ
- 助走から着地まで安定した開脚跳びができる局面ごとの練習
- 美しい前転ができる課題に応じた練習方法
- 一定のリズムで走り越えることができる小型ハードルで「いち・に・さーん」
- きれいな姿勢でまっすぐ進むことができる肩につかまってもらい全速力走り
- シュートを決めることができるどこからシュート?
- 軽快なリズムで全身で即興的に踊ることができる二人組のダンスバトル
- 道徳
- 興味・関心をもって授業に入ることができる挿絵や題名を活用した導入のアイデア
- 登場人物になりきって,考えることができる効果的な役割演技のアイデア
- 自己を見つめ,ねらいにせまることができる効果的なワークシートの活用
- 外国語活動
- アルファベットに楽しく慣れ親しむことができるおすすめ活動3種
- いろいろな人とコミュニケーションを図ることができるトークシート
- 執筆者紹介
小学3年生を担任される先生へのエール
「小学3年生」と聞くとギャングエイジとワードが浮かんでくる方もいると思います。低学年の頃は,親や担任に何かと頼ることが多かった子どもたちです。しかし徐々に友達付き合いを優先して,仲間を募って,自分たちだけの世界を広げていく傾向にあります。
また,身体の発達に個人差,男女差が現れて,少しずつ大人の階段を登りはじめます。低学年の頃の無邪気さを残しながら,細かいところを指摘したり,批判したりもします。心や体が大きく変化してくるので,子どもによっては悩みや心配事が増えていきます。
この特性から生活面では,友達同士でのトラブルが多く見られるようになったり,大人との距離感が離れたりと様子の変化が著しくなります。
これも成長の証です。保護者とも連携を図り,子どもの成長を支えていく事が大切です。担任がアンテナを張り,保護者や周囲の先生とも協力して情報を共有しながら対応していきましょう。
学習面での大きな変化もあります。理科や社会科,総合的な学習の時間といった新しい学習がスタートします。音楽のリコーダーや習字の学習も加わり,楽しみが増えます。社会科見学などの校外学習も多くなるので,地域の人との交流や公共のマナーを学ぶことで社会性を育みます。幅広い学びの中で子どもたちのやる気を十分満たして,次の学習につなげていきましょう。
また,生活面でも学習面でも仲間意識の強い3年生の特性を生かし,グループ活動を増やしていくとよいです。
グループの中でいろいろと話し合って計画,準備,実践することに夢中になる年頃です。様々な場面で仲間を意識した活動を行うことが大きな力になります。担任は,次の学年のステップだと考え,グループ活動の場を広げていってあげてください。
3年生の担任を初めて受け持つ先生も経験が豊富な先生にとっても,好奇心旺盛で何事にもやる気に満ちた姿は嬉しいものです。担任が目指す学級経営に向けて,子どもたちが素直に乗っかってくれる年齢です。
上の写真(写真省略)は,私が3年生を担任した時のクラス目標です。「毎日笑顔で溢れる楽しいクラスにしたい」と思ったのは私の希望です。そのことを話すと子どもたちは,新しい学習もたくさんスタートするので「先生,何でもがんばりたい!」と話してくれました。そのためには毎日元気に学校に登校しなくてはと話し合い,でき上がりました。本当に素直で,活気溢れる3年生との学校生活は最高でした。子どもに寄り添い,共に歩む今,この瞬間を楽しんでいってくださいね。
/佐々木 陽子
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- 明治図書