- シリーズ刊行にあたって
- 小学2年生を担任される先生へのエール
- 第1章 小学2年生 教え方のポイント
- 2年生授業の要所・難所
- 2年生をシッカリ育てるための学習規律・ルール
- 「個別最適な学び」と「協働的な学び」とICT
- 特別な支援を要する子どもへの配慮
- 第2章 小学2年生 授業の要所をおさえた指導アイデア
- 国語
- 姿勢とあいづちで育てる「聞く心」
- 「静かにしましょう!」の注意を減らせる視覚支援の「掲示物」
- 誰でも1分間話せるようになるスピーチ台本
- 自分の考えが残るノートづくり
- 子どもと家庭任せにしない作文は「一つ目に型」×子どもの言葉
- 教室環境で学習習慣をつくるいつでも,どこでも,すきま読書
- もっとしたいと思えるようになる音読バリエーション
- 場面を想像して読めるようになる「ミニ場面劇」
- 説明文単元のゴールイメージがもてる構成を意識した表
- 言葉の力を育む擬音語,擬態語,反復の暗唱教材
- 主体的に学習を進められるようになる新出漢字の学び方
- 漢字が書けるようになる忘れる⇔思い出すの繰り返し学習法
- 子どもが熱中して練習するようになるタイピングコンテスト
- 算数
- 事前準備がいらないタブレットでデータ収集→グラフ化
- 筆算の習熟が楽しくできる「7の呪いから抜け出そう!」
- 試行錯誤から気づきを導く3種のパターンブロック
- 繰り上がりを視覚的に理解できる「2L11dLはダメだよ!」
- 2段階で比較しながら学べる「四角形を二つに分けると…?」
- 三角形と四角形に仲間分けできるようになる「コーンとバーはいくついるかな?」
- 同じまとまりという視点をもてるようになる「数えやすいアレイ図はどれだ!?」
- かけ算の合成が見える2の段と3の段で5の段!
- 同じ答えになるかけ算に気づける九九ビンゴ!
- 子どもの気づきが変わる提示の仕方
- かけ算九九のきまりに興味がもてる「九九で模様づくり」
- 数直線の目盛りの大切さを理解できる「AとBはいくつ?」
- できない理由を語って学びを深める「はこの形にできるかな?」
- 生活
- 「人・もの・こと」への気づきを促す2回の町探検
- 見通しをもって探検にのぞむためのリハーサル町探検
- 野菜栽培で学びを深める学びどころへの意識
- ねらいにせまるおもちゃ博士とおもちゃ研究(開発)所
- 気づきの質を高めるふり返り
- 1人1台端末を上手に用いるタブレット活用法
- 音楽
- 拍をそろえる楽しさがわかるわらべうた
- みんなでつくりあげる音楽会練習の進め方
- 鍵盤ハーモニカの基本をマスターするスモールステップの演奏練習
- 楽しく演奏できる木琴の指導方法
- イメージを広げられる手作り楽器による音楽づくり
- グループ活動を成立させる教師の役割
- 曲のよさを感じとれる身体を動かしながらの比較聴取
- 音楽会の感動を生かせる鑑賞の方法
- 図工
- 体験的に絵の具の性質をつかめる不透明水彩絵の具で「色水遊び」
- 見方・考え方のベースをつくる「どんどんならべて・どんどんつんで」
- 挿絵から飛び出して自由に想像する「お話の絵」の描き方
- 材料が足りない!を乗り越える「ざいりょうバンク」
- カッターを安全に使えるかけ声「プスッ,スー,…」
- 仕掛けからひらめきを引き出す学習に入る前の工夫
- パーツの組み合わせから想像する「いたらいいな,こんな友達」
- 子どもの思いを逃さず見取れる評価「四つの方法」
- 体育
- ボールを遠くに投げられる「かまえ。いち,にぃーい,さん!」
- 前転系や後転系につながるゆりかごマスター
- 痛くなくなる,怖くなくなるいろいろなぶら下がり
- 動きながらバトンパスができるようになる折り返しリレーでの練習
- 片足や両足で連続して前へ跳べるようになるケンパー跳び遊び
- 息の吐き方を身につけ,浮けるようになるいろいろな浮き方遊び
- 思い切り蹴ったり,ねらって蹴ったりできるキックベースボールの蹴り方指導
- 軽快なリズムに乗って踊れるジェンカ
- 道徳
- 道徳授業への参加方法がわかる道徳の約束
- お話の場面が想像できる口演法
- 授業参観でよいところを見てもらえる「いいね!」
- 言葉による表現を助ける工夫いろいろ
- 執筆者紹介
小学2年生を担任される先生へのエール
三田紀房『ドラゴン桜2』(モーニングKC)の第8巻に印象的なシーンが描かれています。
「お前たちは小学校2年生に戻って……算数を勉強し直せ!」
東京大学を志望する受験生2人に対して,主人公の桜木建二が吠えます。
「小学校2年生で算数をしっかり勉強したかどうかでその後の算数・数学の得意不得意が分かれる」
とまで述べます。
参照:【漫画でわかる】ドラゴン桜式「数の暗黙知」完全わかりやすく解説!東大受験生がなぜ小2の算数から勉強するの?
学習の「勘所」が詰まっているとても重要な時期が2年生です。
そんな重要な時期の子どもたちと一緒に過ごせることを誇りに思いましょう。私たち教師が子どもたちと過ごす時間のほとんどが「授業」です。2年生の標準授業時数は「910時間」です。
「910時間」を「いい時間」にするために何をしたらいいのか?
その道しるべになるのが本書です。
今回のシリーズで,多分最も読まれる1冊が本書です。初任の先生方が担当される学年で特に多いのが2年生のようです。若手を支えるミドル層やベテラン層の多くの先生方も手に取ってくださっているでしょう。執筆陣はその重責を自覚し,手応えのあった実践を惜しみなく掲載しています。
教職っておもしろい!
2年生は特に,実践したことの「成果が目に見えやすい」です(目に見えない成果もとても大切です)。
なぜなら,小学校2年生の子どもたちは,脳の発達が急速に進む時期にあります。「ゴールデンエイジ」と呼ばれるボーナスタイムです。言語力や数学的思考力,問題解決力が向上し,知識を吸収する力が高まります。九九に代表されるように「量」をいとわないため,学びが「身体化」します。先述した『ドラゴン桜2』では「暗黙知」(経験や勘にもとづいて使っているものの,簡単に言葉では説明できない知識)と表現されている力が飛躍的に発達する時期です。……だから,おもしろい!
伸び盛りの子どもたちと一緒にチャレンジし続けることで,私たちにとっても充実度の高い一年間になることでしょう。本書が,その一助となることを幸せに思います。
日々の授業が「いい時間」になりますように。
/鈴木 優太
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- 明治図書
- 全教科の実践が掲載されており、やってみたい実践があり参考になった。2024/5/12匿名さん
- 授業技術を具体的に学ぶことができました。2024/4/440代・小学校教員